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2022年10月26日 (水)

10月26日 名曲100選 歌劇のアリア篇・58 華やかに着飾っても 

フランスの小説家プレヴォーの「ある貴族の回想録」に含まれる「マノン・レスコー」をルイージ・イッリカとジュゼッペ・ジャコーザが台本にしたものを1893年にオペラ化したものが「マノン・レスコー」です。イッリカとジャコーザの台本作家コンビとプッチーニはその後「ラ・ボエーム」「トスカ」や「蝶々夫人」を共同で作り上げることになりますので、この3人のコラボは「マノン・レスコー」の成功で誕生したと言えるでしょう。
「マノン・レスコー」は1884年にフランスの作曲家マスネによって先にオペラ化されていたためプッチーニはマスネのものとの違いを出す為にヒロインの性格に重きを置いたマスネ作品に対して物語性を重視する筋立てになっています。そのたまマスネ作では割愛されていた、植民地ルイジアナ篇を加えて悲劇的末路を最大の見せ場に仕上げています。
舞台はフランス。修道院に入る身の上のマノンを見初めた騎士デ・グリューが、マノンに横恋慕する財務大臣ジェロンテから逃げますが、やがて捕らえられマノンはジェロンテの妾となって贅沢な生活をしています。デ・グリューの手引きでマノンは逃げ出しますがマノンの兄のレスコーに邪魔にされマノンは捕らえられ娼婦としてフランスの植民地ルイジアナに売り飛ばされることになります。デ・グリューは船長に頼み込み見習い船員として同乗しアメリカにわたりますが、ルイジアナでも問題を起したマノンとデ・グリューは荒野を彷徨っているうちにマノンは息絶え、デ・グリューは遺骸を抱きしめて慟哭するところで幕を閉じます。
第2幕で贅沢な暮らしをしていてもジェロンテとの愛のない生活を嘆いてマノンが歌うのが「華やかに着飾っても(このやわらかいレースに包まれても)」です。

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