10月10日 名曲100選 交響曲篇・56 交響曲第101番「時計」
交響曲第101番ニ長調Hob.Ⅰ-101は、ハイドンが1794年に作曲した曲で、いわゆる「ロンドン交響曲」のうちの1曲です。
「時計」という愛称はハイドン自身によるものではなく、1798年にトレッグが第2楽章をピアノ独奏用に編曲して出版した際に「ロンド:時計」というタイトルをつけた事に由来するとされています。
第1楽章はニ短調の上行音階から始まるAdagioの序奏の後、これも上行音階から始まる軽快な主題を持つ8分の6拍子のソナタ形式になっています。
第2楽章は、この曲の愛称の元となった緩徐楽章です。低弦と2ndヴァイオリン、ファゴットによるト長調の規則的なリズムが時を刻む時計のように聞こえる事から名づけられました。主題はヴァイオリンによって第2小節から始まります。その後この主題は4つの変奏曲に変奏されます。第1変奏はト短調となり終始フォルテで演奏されます。第2変奏はト長調に戻って主題にフルートを中心とした木管楽器が絡み合います。第3主題は変ホ長調となり主題の前半のみが変奏されます。第4主題はト長調に戻り金管楽器を加えてクライマックスを形成します。
第3楽章はメヌエット。ハイドンの交響曲の中でも最も大きな規模の堂々とした楽章。中間部はフルートを中心に木管楽器によって歌われる比較的長く軽快な旋律になっています。
第4楽章は自由な形式のソナタ形式になっていて、最後には第1主題が戻ってきてコーダとなっています。
全体的にハイドンの交響曲の中でも最も大きな規模の聴き応えのある曲です。
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