10月30日 名曲100選 管弦楽曲篇・58 イタリアの印象
19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスのオペラ作曲家シャルパンティエは、「ルイーズ」「ジュリアン」などの作品を残しましたが、そのシャルパンティエがローマ大賞を受賞してローマ滞在中に作曲した曲が交響詩「イタリアの印象」です。シャルパンティエは、カンタータ「ディドー」でローマ大賞を受賞し、ローマでこの「イタリアの印象」を作曲し歌劇「ルイーズ」に着手し帰国後に「ルイーズ」は完成して成功を収めました。
しなしながらシャルパンティエはその後は作曲家としては「ルイーズ」以降はパッとせず殆ど作曲をしなくなっていきます。
「イタリアの印象」は5曲からなる組曲で「感傷的で絵画的な交響曲」という副題を持っています。
シャルパンティエの音楽の先生はマスネですので、そのマスネの「アルザスの風景」や「絵のような風景」といった交響的絵画と名づけられた一連の作品をお手本にしたようです。各曲にはプログラムが書かれています。
第1曲「セレナード」:酒場から出てきた若者が、恋人の窓辺で愛の歌を歌う。夜が更けて遠くの教会から鐘の音が聞こえる
第2曲「泉のほとりで」:谷間の泉に少女たちが水汲みに列をなしてやって来る。腕も足もあらわに頭にはブロンズの瓶をのせている。山の彼方から牧童の歌が聞こえてくる。
第3曲「騾馬に乗って」:夕方、山道をロバが鈴の音をたてて帰ってくる。馬子と少女の歌が聞こえる。
第4曲「山の頂にて」:真昼、ナポリ湾に面したソレントから町と海と島を眺める。ロマンティックな景観に魅了される。教会から鐘が聞こえ、あたりに小鳥が囀る。
第5曲「ナポリ」:旧作の交響詩『ナポリ』を転用したもの
曲の印象派、イタリアの印象としてはかなり重厚な感じで、われわれが持っているイタリアの印象とはちょっと異なる感じです。
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