10月3日 名曲100選 交響曲篇・55 交響曲第7番(マーラー)
マーラーの交響曲第7番ホ短調は1905年に作曲された全5楽章からなる交響曲です。
過去はマーラーの交響曲の中では人気の薄い作品とされていましたが、近年ではマーラーの作品の中では転換点のひとつとして再評価されている作品です。声楽から離れた純器楽の交響曲では第5番が「アダージェット」の映画使用などで親しみやすいものであり、第6番は緻密な構成の中で極めてドラマティックな曲として高い評価を得ていましたが、第7番は構成的に難があると見られていました。しかしながら時折調性があいまいになり無調性への曙光が見られるなど近代音楽への方向性が垣間見られる作品になっています。第2楽章と第4楽章に「夜曲(Nachatmusik)」という記載がある事から、「夜の歌」という標題で呼ばれることもあります。
楽器編成は特大の編成となり、4管編成となっています。また、テナー・ホルンの使用や、むち、カウベル、ギター、マンドリンと言った特殊な楽器も組み入れています。
第1楽章は テナーホルンが活躍するAdagioの序奏からはじまり、行進曲風な経過を経てテンポを早め序奏の中で示された動機が主題となって現れてきます。最後もこの動機を元にしたコーダが華々しく奏せられます。
第2楽章は 夜曲Ⅰと名づけられたちょっと速めのテンポの楽章です。コーダの直前には鳥の声のような自然描写も出てきます。
第3楽章はスケルツォ。ちょっと不気味な曲です。
第4楽章は 夜曲Ⅱと名づけられた緩徐楽章。ギターやマンドリンが活躍するセレナーデ風の楽章。
第5楽章は 自由なロンド形式の速いテンポの曲。ティンパニの連打から始まる如何にもマーラーという感じの楽章です。この主要部はマーラーの曲の中でも最もカッコいい部分のひとつだと思います。特にコーダ部分は感動的な最後は「復活」だと思いますが、カッコいい最後はこの7番と第3番が双璧だと独断と偏見で思っています。
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