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2022年10月31日 (月)

10月31日 名曲100選 交響曲篇・59 交響曲ハ調

ストラヴィンスキーは、作曲人生の中で2回の作風の変化があり、大きく分けて3つの期間に分類されています。初期が原始主義(バーバリズム)音楽、中期が新古典主義、後期がセリー主義(十二音技法)です。
中期の新古典主義は1919年から20年にかけて作曲されたバレエ「プルチネルラ」から1950年代半ばまでの作品が新古典主義による作品とされています。勿論、はっきりとした区切りがあるわけではなく、新古典主義終盤には部分的に十二音技法が使われたものもあります。
その新古典主義時代の作品のひとつが交響曲ハ調です。
1940年から41年にかけてのシカゴ交響楽団創立50周年を祝うために1938年に依頼され作曲を始めましたが、この時期はストラヴィンスキーの生涯で最も波乱に満ちた時期になってしまいました。1938年には娘を結核で失い、1939年には妻と母を失ってしまいます。また当時ナチスは前衛的なストラヴィンスキーの音楽を退廃的と見なし誹謗中傷していました。そんな出来事があって、ストラヴィンスキー自身は1939年9月にハーバード大学の依頼で短期の講義を行うために渡米し、そのままアメリカに留まり、交響曲ハ調はアメリカで完成する事になりました。
曲は構成自体は古典的な第1楽章 ソナタ形式、第2楽章 緩徐楽章、第3楽章 スケルツォ、第4楽章は序奏つきのフィナーレという形式になっていますが、中身はストラヴィンスキーらしさを十分に発揮したものになっています。
第3楽章のスケルツォは目まぐるしく拍子が替わります。
第4楽章は序奏を持ちますが楽器はファゴット、トロンボーンとホルンのみとなっています。最後はコラール風に静かに終わります。

2022年10月30日 (日)

10月30日 名曲100選 管弦楽曲篇・58 イタリアの印象

19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスのオペラ作曲家シャルパンティエは、「ルイーズ」「ジュリアン」などの作品を残しましたが、そのシャルパンティエがローマ大賞を受賞してローマ滞在中に作曲した曲が交響詩「イタリアの印象」です。シャルパンティエは、カンタータ「ディドー」でローマ大賞を受賞し、ローマでこの「イタリアの印象」を作曲し歌劇「ルイーズ」に着手し帰国後に「ルイーズ」は完成して成功を収めました。
しなしながらシャルパンティエはその後は作曲家としては「ルイーズ」以降はパッとせず殆ど作曲をしなくなっていきます。
「イタリアの印象」は5曲からなる組曲で「感傷的で絵画的な交響曲」という副題を持っています。
シャルパンティエの音楽の先生はマスネですので、そのマスネの「アルザスの風景」や「絵のような風景」といった交響的絵画と名づけられた一連の作品をお手本にしたようです。各曲にはプログラムが書かれています。

第1曲「セレナード」:酒場から出てきた若者が、恋人の窓辺で愛の歌を歌う。夜が更けて遠くの教会から鐘の音が聞こえる
第2曲「泉のほとりで」:谷間の泉に少女たちが水汲みに列をなしてやって来る。腕も足もあらわに頭にはブロンズの瓶をのせている。山の彼方から牧童の歌が聞こえてくる。
第3曲「騾馬に乗って」:夕方、山道をロバが鈴の音をたてて帰ってくる。馬子と少女の歌が聞こえる。
第4曲「山の頂にて」:真昼、ナポリ湾に面したソレントから町と海と島を眺める。ロマンティックな景観に魅了される。教会から鐘が聞こえ、あたりに小鳥が囀る。
第5曲「ナポリ」:旧作の交響詩『ナポリ』を転用したもの
曲の印象派、イタリアの印象としてはかなり重厚な感じで、われわれが持っているイタリアの印象とはちょっと異なる感じです。

2022年10月29日 (土)

10月29日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・58 キャロル・アンのテーマ

映画「ポルターガイスト」は1982年に公開された平凡なフリーリング一家を襲った怪奇現象を描いたホラームーヴィーです。
監督はトビー・フーバー、脚本と製作にスピルバーグが名を連ねています。
夫スティーヴ、妻ダイアンと長女ダナ、長男ロビー、次女キャロル・アンが引っ越してきた新興住宅地の家で次々と怪奇現象が起き、やがてキャロル・アンがクローゼットに吸い込まれてどこか別世界に消えるという事件が発生。超心理学研究のレシュ博士らを家に招くが手に負えず、霊媒師タンジーナに助けを求めます。そしてこの地が墓地を移転してつくられた住宅地である事がわかります。ダンジーナは霊を鎮め霊界の扉を開き娘たちを奪還する事に成功しますが、再び霊界の扉が開きロビーとキャロル・アンを飲み込もうとしますが、ダイアンの必死の抵抗で救出に成功しました。一家は家から逃げ出し町を出ますが、家そのものが異世界へ吸い込まれて跡形もなく消えてしまいます。
1968年の「ローズマリーの赤ちゃん」を起源とする「エクソシスト」「ヘルハウス」「オーメン」「キャリー」などの1970年代に一大ブームを巻き起こしたオカルト映画から続くホラー映画で、この後は変質者などによるスラッシャー映画へと形が変わっていきます。
この恐ろしい内容の映画に音楽をつけたのはジェリー・ゴールドスミス。キャロル・アンのテーマはどこか牧歌的な雰囲気さえ感じられる歌で、内容とのギャップが面白い曲です。

2022年10月28日 (金)

10月28日 名曲100選 室内楽曲篇・58 木管五重奏曲(フランセ)

フランセは20世紀フランスの作曲家。作風は新古典主義。
代表作のひとつが木管五重奏曲です。
フランセは管弦楽法にたけていて、特にその音色の扱いは高く評価されています。そのため室内楽曲も得意分野で、特に様々な音色が交錯する木管楽器の室内楽曲は秀逸です。
第1楽章はホルンによる序奏をもつロンド形式。
第2楽章は緩徐楽章。メロディ・ポリフォニーと題されています。
第3楽章はメロディ・コラールと題されたゆったりとした楽章。
第4楽章は無窮動の活発な楽章になっています。

10月27日 名曲100選 海外のロック篇・58 宇宙の彼方へ

「宇宙の彼方へ」(More than a feeling)は、1976年のプログレッシヴ・ロック・バンド ボストンのヒット曲です。
ボストンは1976年にデビューしメンバーを入れ替えながら現在も活動しています。
「宇宙の彼方へ」はファースト・アルバム「幻想飛行」に収録された曲でアルバムは全米3位とデビュー作としては異例のヒットとなりました。
創始者のトム・ショルツはギターのエフェクターやアンプなどの開発でも名を馳せていてその新しいサウンドがボストンの息の長い活動の源になっています。

2022年10月26日 (水)

10月26日 名曲100選 歌劇のアリア篇・58 華やかに着飾っても 

フランスの小説家プレヴォーの「ある貴族の回想録」に含まれる「マノン・レスコー」をルイージ・イッリカとジュゼッペ・ジャコーザが台本にしたものを1893年にオペラ化したものが「マノン・レスコー」です。イッリカとジャコーザの台本作家コンビとプッチーニはその後「ラ・ボエーム」「トスカ」や「蝶々夫人」を共同で作り上げることになりますので、この3人のコラボは「マノン・レスコー」の成功で誕生したと言えるでしょう。
「マノン・レスコー」は1884年にフランスの作曲家マスネによって先にオペラ化されていたためプッチーニはマスネのものとの違いを出す為にヒロインの性格に重きを置いたマスネ作品に対して物語性を重視する筋立てになっています。そのたまマスネ作では割愛されていた、植民地ルイジアナ篇を加えて悲劇的末路を最大の見せ場に仕上げています。
舞台はフランス。修道院に入る身の上のマノンを見初めた騎士デ・グリューが、マノンに横恋慕する財務大臣ジェロンテから逃げますが、やがて捕らえられマノンはジェロンテの妾となって贅沢な生活をしています。デ・グリューの手引きでマノンは逃げ出しますがマノンの兄のレスコーに邪魔にされマノンは捕らえられ娼婦としてフランスの植民地ルイジアナに売り飛ばされることになります。デ・グリューは船長に頼み込み見習い船員として同乗しアメリカにわたりますが、ルイジアナでも問題を起したマノンとデ・グリューは荒野を彷徨っているうちにマノンは息絶え、デ・グリューは遺骸を抱きしめて慟哭するところで幕を閉じます。
第2幕で贅沢な暮らしをしていてもジェロンテとの愛のない生活を嘆いてマノンが歌うのが「華やかに着飾っても(このやわらかいレースに包まれても)」です。

2022年10月25日 (火)

10月25日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・58 東京

「東京」は1974年に発売されたフォーク・グループ マイ・ペースのデビューシングル曲です。
マイ・ペースは、秋田の中学校の同級生3人森田貢、伊藤進、根次男で結成したグループで、3人で活動したのは1978年までのわずか4年間、その後森田貢と伊藤進が1980年代前半まで2人で活動していました。2010年にオリジナルメンバーで活動を再開しましたが2022年6月18日に森田が急性骨髄性白血病で亡くなりました。
「東京」は森田の作詞作曲による曲で、恋人の住む東京への憧れがベースとなった歌です。ちょっと1960年代前半までの高度成長期の雰囲気のする曲です。その頃は東京、特に下町は工場の廃液や煤煙などで隅田川はひどい臭いだったし、京浜工業地帯はスモッグがひどくって美しい都とは程遠い所でしたが・・・

2022年10月24日 (月)

10月24日 名曲100選 交響曲篇・58 交響曲第7番(シベリウス)

シベリウス最後の交響曲第7番op.105は1924年に完成されました。
単一楽章からなる作品で、初演時には「交響的幻想曲」と名づけられていましたが、通常の交響曲同様ソナタ形式の部分あり、緩徐楽章風部分あり、スケルツォ部分ありという構成になっており、構想段階では3楽章形式の予定だったこともあって最終的には交響曲に落ち着いた曲です。
シベリウスは交響曲においても例えば第2番の第3楽章から第4楽章へのつなぎの様に楽章間が完全に融合されたように交響曲全体の統合への意志を感じられる作曲家でした。その意味でもこの最後の交響曲はシベリウスの集大成とも言える作品です。
冒頭はティンパニのト音に続いて、弦楽器が低弦から高弦へと上行音階を弾いて静かに始まります。暫くは厳かな音楽が続きトロンポーンによって主題が演奏されます。オーケストラがクライマックスに達した後緩徐楽章にあたるアダージョに以降し、さらにスケルツォ部分がリズミカルに演奏されます。やがて波のような弦楽器のうねりの上にトロンボーンの主題が鳴り響き最終楽章にあたる部分に突入し、速度を段階的に上げながらクライマックスを迎えます。
20分程度の曲ですが、色々な要素が詰め込まれていてあっという間に終わってしまう感じがします。

2022年10月23日 (日)

10月23日 名曲100選 管弦楽曲篇・57 小オーケストラのための2つの作品

ディーリアスが1912年に作曲した「小オーケストラのための2つの小品」は「春初めてのカッコウの声を聴いて(春を告げるカッコウ)」と「川面の夏の夜」の2曲からなる音詩です。
「春初めてカッコウの声を聴いて」は各1本の木管と2本のホルン及び弦楽合奏による編成。序奏はクラリネットによるカッコウの鳴き声とオーボエによる断片的な旋律で始まります。やがてカッコウの声から派生した旋律が弦楽器によって演奏されます。第2主題はノルウェー民謡「オーラの谷にて」から採られたメロディでヴァイオリンによって歌われます。クラリネットのカッコウが戻ると牧歌的な雰囲気のまま曲を閉じます。
「川面の夏の夜」はオーボエが1本で、それ以外の木管とホルンが2本ずつ、弦楽合奏という編成。
揺れる川の水面のような穏やかな音形で終始彩られる曲で「非常に静かに」と指示されている曲。夏の水辺の情景を奏でた後旋律が徐々に静かになっていくように指定されています。最初から最後まで静かな曲です。

2022年10月22日 (土)

10月22日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・57 レイダース・マーチ

インディ・ジョーンズ・シリーズの共通テーマ曲レイダース・マーチはジョン・ウィリアムズが作曲したウィリアムズの代表作のひとつです。
インディ・ジョーンズ・シリーズはジョージ・ルーカスなどによる原案をスピルバーグが監督した冒険活劇映画。主演はハリソン・フォードで現在までに4作品が公開され次作も予定されています。
その第1作目が「レイダーズ/失われた聖櫃(アーク)」です。聖櫃(旧約聖書に記された十戒が刻まれた石版を収めた櫃)を巡ってアメリカ陸軍から依頼を受けたインディアナ・ジョーンズとナチス・ドイツが争奪戦を繰り広げるという内容。
レイダース・マーチは行進曲といっても、最初の部分では「タンタタンタ」という3拍目の後半に強打音があるのがミソ。行進曲として使ったらズッコケて使えません・・・

2022年10月21日 (金)

10月21日 名曲100選 室内楽曲篇・57 悪魔のトリル

「悪魔のトリル」は18世紀イタリアの作曲家タルティーニが作曲したヴァイオリン・ソナタト短調の愛称です。
タルティーニが夢の中で悪魔が出て来てヴァイオリンを弾き、目覚めてから直ぐに書き取ったという伝説から呼ばれるようになった愛称です。
バロック期の曲でありながら、現在のヴァイオリン演奏技術をもってしても難曲であり、ヴァイオリニスト必須のレパートリーのひとつとなっています。
3つの楽章から出来ていて、
第1楽章 Larghetto Affettuoso  8分の12拍子のシチリアーノ風の哀愁漂う楽章。典型的なバロック時代の二部形式でト短調から平行調の変ロ長調に転調し再びト短調にもどります。
第2楽章  Allegro  4分の2拍子の快活な楽章。第1楽章はメロディックな楽章ですが、この楽章では音楽的技巧的な動きが際立ちます。
第3楽章 4分の4拍子のGraveと4分の2拍子のAllegro assaiが3回ずつ交互に演奏され、3回のAllegro assaiの中に愛称となっている「悪魔のトリル」が登場する。二十音式に書かれていて高音部がトリルを演奏し続け下でもう一本の旋律が独立して動くという18小節の演奏至難部分です。
その後カデンツァがあり最後は悲劇的かつ力強いコーダがAdagioで演奏されます。

2022年10月20日 (木)

10月20日 名曲100選 海外のロック篇・57 悲しみのアンジー

ローリング・ストーンズは1973年にアルバム「山羊の頭のスープ」を発売しましたが、その先行シングルとして発売されたのが「悲しみのアンジー」です。
タイトルのアンジーは、アンジェラの愛称ですが、誰の事かはデヴィッド・ボウイの前妻アンジェラであるとか様々な憶測が流れましたが、この曲の作詞作曲のひとりであるメンバーのキース・リチャーズは後に、自分の娘の名前もアンジェラであって、「アンジー」という言葉の響きが良かったためにタイトルを決めたと語っています。
全米1位を含め世界の各国で大ヒットを記録したバラード曲で多くのカバーやテレビドラマでも使われました。

2022年10月19日 (水)

10月19日 名曲100選 歌劇のアリア篇・57 狩人の合唱

「魔弾の射手」は、前期ロマン派の作曲家ウェーバーの代表的なジングシュピールです。ジングシュピールはドイツ語によるオペラの一分野。

モーツァルトの時代は、オペラと言えばイタリア・オペラが正統なオペラの形式で、ドイツ語圏でもイタリア・オペラが主流でした。17世紀から18世紀にかけてドイツ語オペラが認められるようになりテレマンやハイドンなどによって発展して来ましたが、世界的に認められるようになったのがモーツァルトの作品です。モーツァルトのオペラも大半はイタリア語のものが中心でしたが、最後のオペラの「魔笛」でジングシュピールの世界を確立しました。それを引き継ぎ、後のワーグナーの世界への橋渡しとなったのがウェーバーの数々の作品です。
「魔弾の射手」はウェーバーの作品の中でも最も人気の高いものです。
「魔弾の射手」はドイツの民間伝説を基にした作品で、スランプに陥った射撃の名手マックス。恋人アガーテとの結婚をアガーテの父クーノーに認めさせるには射撃大会での優勝が必須というその前夜。悪魔ザミエルに魂を売った同僚のカスパールに「勝つ方法を教える」と誘惑され、7発中6発は自分の意図するところに命中し残りの1発は悪魔の望む箇所へ命中するという魔弾を作ってしまいます。
射撃大会当日、マックスの撃った6発の弾で素晴らしい成績を上げたが最後の1発はアガーテに向かって発射されてしまいます。アガーテが森の隠者からもらった白いバラの冠がお守りになって弾はそれ、カスパールに命中してしまいます。領主が不審に思い問いただすと、マックスは全てを正直に語り、激怒した領主から追放を宣言されますが、森の隠者のとりなしで1年の執行猶予後に2人の結婚を許します。
第3幕冒頭、射撃大会の会場で歌われる合唱曲が狩人の合唱「狩人の喜びは」です。

2022年10月18日 (火)

10月18日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・57 愛はかげろう

「愛はかげろう」はフォークデュオ 雅夢(がむ)の1980年発売のデビュー曲です。
雅夢は、三浦和人と中川敏一が名古屋で結成し、1980年に第19回ヤマハポピュラーソングコンテストのつま恋本選会で「愛はかげろう」を歌って優秀曲賞を受賞し同年9月にデビューしました。
「愛はかげろう」は69万枚を売り上げる大ヒット曲となり1981年度のオリコン年間13位となりましたが、その後これを超えるヒットには恵まれず1984年に解散しました。
「愛はかげろう」は三浦和人が作詞作曲した曲で、失恋の痛みから抜け出すために書いた曲で男言葉では力強い歌詞になってしまうため、あえて女言葉で女々しい表現にした曲だそうです。サビの部分が2002年に放送された韓国ドラマ「冬のソナタ」の主題歌「最初から今まで」と似ている事で話題にもなりましたけど、確かに「愛はかげろう♬」のメロディは似てるけど、そっくりという程ではありませんね。

2022年10月17日 (月)

10月17日 名曲100選 交響曲篇・57 交響曲第3番「ポーランド」

交響曲第3番ニ長調op.29「ポーランド」はチャイコフスキーが1875年に作曲した交響曲です。
チャイコフスキーはマンフレッド交響曲を除いて6つの交響曲を作曲しましたが、その中で唯一長調の楽章で始まる曲であり、2つのスケルツォ楽章をもつ5楽章構成という特徴を持つ曲です。「ポーランド」の愛称はチャイコフスキー自身によるものではなく第5楽章にポーランドの舞曲「ポロネーズ」のリズムが用いられた事から付けられた愛称です。
第1楽章 長調の楽章ですが、冒頭は長めの葬送行進曲の序奏がついています。主部に入ると明るい堂々とした第1主題が始まります。コーダは非常に派手に終わります。
第2楽章 ドイツ風と名づけられたワルツとレントラーの様式を持つ複合三部形式のスケルツォ楽章です。主題は短いメロディの重なりからできています。コーダはあっさりとしています。
第3楽章 緩徐楽章でニ短調の牧歌的な第1主題と優雅な第2主題からできていますが展開部が非常に短く再現部が充実した曲です。
第4楽章 スケルツォですが2拍子になっています。
第5楽章 A-B-A-C-A-A'+codaのロンド形式。Aの主要主題は力強い主題で、Bの副主題はコラール風の荘重なもの。Cの副主題は寂しげな曲調になっています。主要主題に戻った後は長大なフーガになりコーダはチャイコフスキーらしい壮大なものでテンポを速め華々しく終わります。

2022年10月16日 (日)

10月16日 名曲100選 管弦楽曲篇・56 ホルベルク組曲

ホルベルク組曲(組曲「ホルベアの時代から」)はグリーグが1884年に作曲したピアノ曲を1885年に編曲した弦楽合奏曲です。
ホルベアは「デンマーク文学の父」とか「北欧のモリエール」と呼ばれるルズヴィ・ホルベアの事。ホルベアの生誕200周年に生誕地ベルゲンで行われる記念祭のために作曲したものです。
ホルベアは17世紀後半から18世紀半ばにかけて活躍した作家で、ホルベアが生きていた時代のバロック音楽の様式を借りて作曲され、副題に「古い様式による組曲」と名づけられています。
第1曲 前奏曲 バロックの組曲のスタイルを真似たため前奏曲が置かれています。リズミカルな躍動感あふれる曲になっています。
第2曲 サラバンド 穏やかな舞曲で中間部にチェロのソロが入ります。
第3曲 ガヴォットとミュゼット フランスの2つの舞曲のスタイルを組み合わせています。ミュゼットでは本来の意味であるバグパイプの音が表現されています。
第4曲 アリア ト短調のほの暗い曲です。
第5曲 リゴドン バロック的な明るい舞曲。各パートのソロの重奏が他のメンバーのピチカート伴奏に乗って演奏されるスピード感あふれる曲です。

2022年10月15日 (土)

10月15日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・56 白い恋人たち

フランスのグルノーブルで行われた第10回冬季オリンピックの記録映画は、クロード・ルルーシュが監督して作成されました。
原題は「13 Jours en France(フランスにおける13日間)」。単なる記録映画ではなく芸術性も追求した映画になっています。
音楽を担当したのがフランシス・レイ。主題曲のコーラス部分はピエール・バルーとコニール・クロワジールが担当しています。
この主題曲はフランシス・レイの代表作のひとつとなりました。

2022年10月14日 (金)

10月14日 名曲100選 室内楽曲篇・56 ホルン三重奏曲(ブラームス)

ブラームスのホルン三重奏曲変ホ長調op.40は1865年に作曲されています。
バルブが無いナチュラルホルンでの演奏を意図して作曲されました。同年に76歳で亡くなったブラームスの母親への追悼の気持ちが込められており、第3楽章のアダージョ・メストは重厚な対位法で作曲されています。
全体の構成もバロック時代の教会ソナタを思わせる楽章配置になっていて、4楽章構成ながら、第1楽章にはソナタ形式を用いず緩徐楽章となっており、第2楽章にスケルツォ、第3楽章も緩徐楽章で、第4楽章のみソナタ形式を採用しています。

2022年10月13日 (木)

10月13日 名曲100選 海外のロック篇・56 ヒア・カムズ・ザ・サン

「ヒア・カムズ・ザ・サン」は1969年発売のビートルズ11作目のアルバム「アビイ・ロード」に収録されたジョージ・ハリスン作詞作曲の楽曲です。ビートルズの楽曲の中でジョージが作詞作曲をした曲の中でも「サムシング」「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」と並び称される曲です。
曲自体はアコースティック・ギターをベースとし、シンセサイザーも導入され、ジョージがのめり込んでいたインド音楽の影響も垣間見ることができます。
アップル・レコードの仕事に嫌気がさしたジョージが親友のエリック・クラプトンの家に逃れた際、春の暖かい日差しを感じながら作ったといわれており長い冬を越え太陽が昇り暖かい希望の春が訪れる様子を歌った歌詞になっています。

2022年10月12日 (水)

10月12日 名曲100選 歌劇のアリア篇・56 「ランメルモールのルチア」狂乱の場

「ランメルモールのルチア」は1835年にドニゼッティが作曲したオペラです。原作はスコットランドの作家ウォルター・スコットの小説「ラマムアの花嫁」。1669年にスコットランドで実際に起きた、意に染まない婚約を強いられた花嫁が花婿を刺した事件を小説化したもの。
兄エンリーコによってアルトゥーロとの政略結婚を強いられたノルマ。ノルマの恋人エドガルドとエンリーコは決闘を約束しますが、結婚の祝宴の最中ルチアがアルトゥーロを刺し殺し、自らも死んでしまいます。エドガルドは後を追い自殺してしまいます。
アルトゥーロを刺し殺したルチアが正気を失い、エドガルドとの結婚の幻想を延々と歌うのが「狂乱の場」です。
「優しいささやきが~香炉はくゆり~苦い涙を注げ」と歌われるコロラトゥーラ・ソプラノの20分弱の見せ場は、オペラの醍醐味のひとつです。

2022年10月11日 (火)

10月11日 名曲100選 フォーク・ニューミュージック篇・56 サテンの薔薇

「サテンの薔薇」は1984年1月発売の谷村新司の11枚目のアルバム「抱擁-SATIN ROSE-」に収録された曲です。
「サテンの薔薇」はシングル化こそされていませんが、ディナーショウのアンコールピースとして歌われるなどライブでは結構取り上げられる曲。冒頭にいきなりサビの部分が来る、谷村新司得意の恋する女性の気持ちを歌った曲です。しかも燃えるような激しい恋を歌っています。
谷村サウンドの王道とも言える作品です。

2022年10月10日 (月)

10月10日 名曲100選 交響曲篇・56 交響曲第101番「時計」

交響曲第101番ニ長調Hob.Ⅰ-101は、ハイドンが1794年に作曲した曲で、いわゆる「ロンドン交響曲」のうちの1曲です。
「時計」という愛称はハイドン自身によるものではなく、1798年にトレッグが第2楽章をピアノ独奏用に編曲して出版した際に「ロンド:時計」というタイトルをつけた事に由来するとされています。
第1楽章はニ短調の上行音階から始まるAdagioの序奏の後、これも上行音階から始まる軽快な主題を持つ8分の6拍子のソナタ形式になっています。
第2楽章は、この曲の愛称の元となった緩徐楽章です。低弦と2ndヴァイオリン、ファゴットによるト長調の規則的なリズムが時を刻む時計のように聞こえる事から名づけられました。主題はヴァイオリンによって第2小節から始まります。その後この主題は4つの変奏曲に変奏されます。第1変奏はト短調となり終始フォルテで演奏されます。第2変奏はト長調に戻って主題にフルートを中心とした木管楽器が絡み合います。第3主題は変ホ長調となり主題の前半のみが変奏されます。第4主題はト長調に戻り金管楽器を加えてクライマックスを形成します。
第3楽章はメヌエット。ハイドンの交響曲の中でも最も大きな規模の堂々とした楽章。中間部はフルートを中心に木管楽器によって歌われる比較的長く軽快な旋律になっています。
第4楽章は自由な形式のソナタ形式になっていて、最後には第1主題が戻ってきてコーダとなっています。
全体的にハイドンの交響曲の中でも最も大きな規模の聴き応えのある曲です。

2022年10月 9日 (日)

10月9日 名曲100選 管弦楽曲篇・55 エル・サロン・メヒコ

エル・サロン・メヒコはアーロン・コープランドが1936年に完成した管弦楽曲です。メキシコの民謡を素材にした曲で、タイトルはメキシコシティにあるダンスホール。13分程度の軽快な曲。ファンファーレから始まりジャズっぽい雰囲気やラテン音楽っぽい雰囲気を持つ曲です。
ブラシ、ギロ、テンプル・ブロック、ウッド・ブロックといった特殊打楽器が使用されています。

2022年10月 8日 (土)

10月8日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・55 オールマン・リバー

「ショウボート」は1927年に初演されたブロードウェイ・ミュージカルを1936年に映画化したものです。
作曲はジェローム・カーン、作詞はオスカー・ハマースタイン2世。
アメリカ南部・ミシシッピー川で芸人たちの夢を乗せたショウボートは毎晩絢爛豪華なショーを繰り広げていました。船長の純情な娘マグノリアが流れ者の賭博師ゲイロードと恋に落ち、周囲に心配されながらも結婚します。ゲイロードは借金が増えて結婚生活は長続きせず、マグノリアと幼い娘の許を去り、生活が苦しくなったマグノリアはミュージックホールで歌手になり、父親のアンディ船長と再会を果たします。
「オールマン・リバー」(Ol' Man River)は黒人荷役のジョーが歌う曲で、映画ではポール・ロブソンが歌っていました。
バスによる低音の魅力的な曲です。

2022年10月 7日 (金)

10月7日 名曲100選 室内楽曲篇・55 弦楽四重奏曲(ラヴェル)

数少ないラヴェルの室内楽曲のひとつ、弦楽四重奏曲ヘ長調は1903年に完成しています。
ドビュッシーの弦楽四重奏曲から10年後、先輩のその作品に少なからず啓発を受けた曲で、控えめながら循環形式を取り入れ全体の統一感を出した4つの楽章から構成される30分程度の曲です。
形式的には古典的な4つの楽章からできています。
第1楽章は やや速いテンポのソナタ形式で、第1主題は第3・4楽章、第2主題は4楽章に再現されます。比較的静かな楽章です。
第2楽章はスケルツォ。スケルツォ楽章ですが中間部は弱音器をつけて演奏されます。
第3楽章は緩徐楽章。主部では弱音器をつけて演奏される非常に穏やかな楽章です。
第4楽章は打って変わって活き活きとした激しい楽章。5拍子の激しい主題から始まり第1楽章の2つの主題も現れます。
1910年の出版に際し全体を改訂していますが、オリジナルを聴いたドビュッシーが熱狂的な賛辞を送り、終楽章は改訂しないように進言したそうです。

10月7日 名曲100選 室内楽曲篇・55 弦楽四重奏曲(ラヴェル)

数少ないラヴェルの室内楽曲のひとつ、弦楽四重奏曲ヘ長調は1903年に完成しています。
ドビュッシーの弦楽四重奏曲から10年後、先輩のその作品に少なからず啓発を受けた曲で、控えめながら循環形式を取り入れ全体の統一感を出した4つの楽章から構成される30分程度の曲です。
形式的には古典的な4つの楽章からできています。
第1楽章は やや速いテンポのソナタ形式で、第1主題は第3・4楽章、第2主題は4楽章に再現されます。比較的静かな楽章です。
第2楽章はスケルツォ。スケルツォ楽章ですが中間部は弱音器をつけて演奏されます。
第3楽章は緩徐楽章。主部では弱音器をつけて演奏される非常に穏やかな楽章です。
第4楽章は打って変わって活き活きとした激しい楽章。5拍子の激しい主題から始まり第1楽章の2つの主題も現れます。
1910年の出版に際し全体を改訂していますが、オリジナルを聴いたドビュッシーが熱狂的な賛辞を送り、終楽章は改訂しないように進言したそうです。

2022年10月 6日 (木)

10月6日 名曲100選 海外のロック篇・55 時への誓い 

1973年サンフランシスコで産声を上げたロック・バンド ジャーニーは1977年ボーカルにスティーヴ・ペリーが加入して全盛期を迎えました。
「時への誓い」(Falthfully)は1983年最高位全米12位に輝いた曲です。アルバム「フロンティアーズ」に収録されたピアノを中心としたバラード曲で、スティーヴのハスキーながら伸びやかなボーカルが際立つ曲になっています。
ミュージシャンである主人公が歌う愛の歌で、ミュージシャンとの恋は上手くいかないと言われるけれど、僕は永遠の愛を誓うよ、という内容の歌です。

2022年10月 5日 (水)

10月5日 名曲100選 歌劇のアリア篇・55 その日から

19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したフランスのオペラ作曲家シャルパンティエの代表作「ルイーズ」は1900年に初演されています。
パリが舞台で、労働者層が住む住宅の屋根裏部屋に住むお針子のルイーズとその恋人で詩人のジュリアンを中心とした物語。
屋根裏に住むお針子と芸術家という設定は、プッチーニのラ・ボエームと同じですね。ストーリーは全く違っていますが・・・
ルイーズの母親はルイーズがジュリアンと付き合う事には反対していますが、二人は駆け落ちをします。駆け落ちをした二人のところに母親がやって来て父親の具合が悪いから娘を一時返してくれと嘘をつき、ルイーズは連れ戻されますが、結局両親と意見があわずルイーズは家を飛び出す、というのがあらすじです。
第3幕でジュリアンとの甘い同棲生活を始めたルイーズが歌う愛の歌が「その日から」です。とっても甘く美しい歌です。

2022年10月 4日 (火)

10月4日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・55 忘れていた朝

フォーク・グループ赤い鳥が1971年に発売した6曲目のシングルが「忘れていた朝」です。赤い鳥の曲の中ではポップス調の路線を汲む作品です。山上路夫作詞、村井邦彦作曲で、メジャーセブンスコード(maj7と記載される和音)が多用されて物憂げな雰囲気を出した曲です。
メジャーセブンスコードは通常のメジャーコード(Cだったら ドミソ) に長7度を加えた(Cmaj7だったら ドミソシ)という4和音コードです。
実はこの曲を知ったのはオリジナルの赤い鳥の曲ではなくて、天地真理のデビューアルバム「水色の恋」に収められていたのを聞いて知ることになりました。「水色の恋」はヒット曲の「水色の恋」以外は全てカバー曲。2枚目、4枚目のアルバムでは全てオリジナル曲を収録していますし3枚目、5枚目はカバー曲中心という良くわからない作り方がされていました(笑)
赤い鳥のオリジナルは得意のコーラスを駆使した素敵な響きの曲になっています。

2022年10月 3日 (月)

10月3日 名曲100選 交響曲篇・55 交響曲第7番(マーラー)

マーラーの交響曲第7番ホ短調は1905年に作曲された全5楽章からなる交響曲です。
過去はマーラーの交響曲の中では人気の薄い作品とされていましたが、近年ではマーラーの作品の中では転換点のひとつとして再評価されている作品です。声楽から離れた純器楽の交響曲では第5番が「アダージェット」の映画使用などで親しみやすいものであり、第6番は緻密な構成の中で極めてドラマティックな曲として高い評価を得ていましたが、第7番は構成的に難があると見られていました。しかしながら時折調性があいまいになり無調性への曙光が見られるなど近代音楽への方向性が垣間見られる作品になっています。第2楽章と第4楽章に「夜曲(Nachatmusik)」という記載がある事から、「夜の歌」という標題で呼ばれることもあります。
楽器編成は特大の編成となり、4管編成となっています。また、テナー・ホルンの使用や、むち、カウベル、ギター、マンドリンと言った特殊な楽器も組み入れています。
第1楽章は テナーホルンが活躍するAdagioの序奏からはじまり、行進曲風な経過を経てテンポを早め序奏の中で示された動機が主題となって現れてきます。最後もこの動機を元にしたコーダが華々しく奏せられます。
第2楽章は 夜曲Ⅰと名づけられたちょっと速めのテンポの楽章です。コーダの直前には鳥の声のような自然描写も出てきます。
第3楽章はスケルツォ。ちょっと不気味な曲です。
第4楽章は 夜曲Ⅱと名づけられた緩徐楽章。ギターやマンドリンが活躍するセレナーデ風の楽章。
第5楽章は 自由なロンド形式の速いテンポの曲。ティンパニの連打から始まる如何にもマーラーという感じの楽章です。この主要部はマーラーの曲の中でも最もカッコいい部分のひとつだと思います。特にコーダ部分は感動的な最後は「復活」だと思いますが、カッコいい最後はこの7番と第3番が双璧だと独断と偏見で思っています。

2022年10月 2日 (日)

10月2日 名曲100選 管弦楽曲篇・54 雷鳴と電光

「雷鳴と電光(稲妻)」op.324は、ヨハン・シュトラウス2世が1868年に芸術家協会「ヘルペルス」のために作曲したポルカ・シュネルです。
題名のとおり、雷と稲妻が表現されているわけですが、クラシック音楽では、雷や嵐などを音楽で表現しているものが少なくありません。
ウィンドマシーンを使っているR.シュトラウスの「アルプス交響曲」やグローフェの「グランド・キャニオン」は特別ですが、ベートーヴェンの田園の第4楽章やワーグナーの「さまよえるオランダ人」序曲などのように低弦のゴチャゴチャした半音階の動きで嵐を表現したり、ベルリオーズの幻想交響曲のように、2台のティンパニを使って遠くの雷鳴が近づき、そして遠ざかる様子を表現したりという工夫が見られます。
これらの嵐の表現は全て不気味な感じを持って表現されているのは共通です。
この「雷鳴と電光」では主部では大太鼓のトレモロが遠雷を表現し、中間部ではシンバルの稲妻と大太鼓の雷鳴が交錯しながら主部へ戻っていきます。ただ、この曲は終始超高速で演奏されますが、他の作品の雷雨や嵐などのような不気味さは一切なく、明るくユーモラスな展開となっています。

2022年10月 1日 (土)

10月1日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・54 トゥモロウ

1977年ブロードウェイで初演されたミュージカル「アニー」は、1982年をはじめ3回映画化されています。
その第1作目がアイリーン・クイン主演の作品です。1933年世界大恐慌直後のニューヨークを舞台にしたもので、どんな時も夢と希望を忘れない赤毛の孤児アニーが夢をつかむ話です。
ニューヨークの市立孤児院に住む11歳のアニーは、いつか本当の両親が来ると信じて暮らしていましたが、大富豪ウォーバックスが孤児を招いてクリスマス休暇を過ごすという企画のために孤児を探していたウォーバックスの秘書グレースの目に止まったアニーはウォーバックス邸に招かれることになります。最初は宣伝のためと割り切っていたウォーバックスも、前向きなアニーに惹かれていき養女に迎えようと考えるようになりました。しかしアニーは本当の両親と暮らしたいという夢を持っていて、唯一の手がかりであるロケットを頼りにウォーバックスは報奨金をかけて両親探しを始めます。それに目をつけた孤児院の院長ハニガンとその弟ルースターらは報奨金を騙し取ろうと画策。結局アニーの両親は火事で亡くなっていることがわかり、アニーは助け出されウォーバックスの養女に迎えられるというストーリーです。
この中で、ウォーバックスと訪れたホワイトハウスでフランクリン・ルーズベルト大統領の前で希望を失わないことを歌った曲が「トゥモロウ」です。

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