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2022年9月28日 (水)

9月28日 名曲100選 歌劇のアリア篇・54 私は最高権力を握った

ムソルグスキーが作曲した歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」は1872年に作曲されました。
16世紀から17世紀初頭に実在したロシア皇帝ボリス・ゴドゥノフの生涯をオペラ化したものです。ボリスは下級貴族出身で雷帝と言われたイヴァン4世に仕え、新任を得てイヴァン4世の死後妹が嫁いだフョードルがフョードル一世として即位した時に摂政として政治に深く関わるようになりました。フョードルの息子ドミトリーが早逝(ボリスが暗殺したという説もあります)し1598年に後継者が無いままフョードル一世が死ぬとボリスは全国会議でツァーリ(皇帝)に選出されました。出自が卑しいボリスに対し貴族たちから反対運動が勃発しましたが、ボリスは粛清を行い圧政を敷きました。またこの治世には凶作、飢饉、疫病などの災害が頻発し暴動などの動乱の時代を迎える中ボリスは1605年に急死してしまいます。
この歴史的事実をオペラ化したものが当作品で、第2幕最後の場面でボリスが歌うモノローグが「私は最高権力を握った」です。
「自分は権力を手に入れ6年間国を無事に治めてきたが心に幸福は無い。許婚の急死、大貴族の裏切り、外国の陰謀、飢饉や疫病。全ての罪が自分にあると国中で怨嗟の声が上がっている」と歌います。

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