8月12日 名曲100選 室内楽曲篇・47 弦楽四重奏曲第9番(ベートーヴェン)
ベートーヴェンは16曲の番号付きの弦楽四重奏曲を作曲しています。この第9番は中期の傑作として知られている曲です。
ラズモフスキー伯爵の以来を受けて3曲の弦楽四重奏曲op.59を作曲しました。この第9番はその3曲目になるため「ラズモフスキー第3番」とも呼称されています。
「ラズモフスキー弦楽四重奏曲」はそれ以前の四重奏曲とは作風、スケール等大きな隔たりを持っています。規模的には交響曲のような規模を持つ作品になっています。特に第3番は、前2曲の締めくくりとなる堂々とした構成になっています。
第1楽章はハ長調の減七の和音の強奏からはじまり緩やかな序奏を持っています。この序奏にはメロディらしいものは無く時折出てくる和音に主和音が現れず混沌とした雰囲気を持っています。主部に入ると躍動感あふれる主題が現れます。第2主題はメロディックなものではなく展開部も主に第1主題を扱っています。
第2楽章はチェロのピチカート伴奏に乗って物憂げなメロディがヴァイオリンによって歌われます。この楽章でも展開部は第1主題が変奏されていきますが第2主題は再現されていません。
第3楽章はこの厳しい雰囲気の曲の中で、唯一安らぎを感じられるメヌエットになっています。コーダに続いてアタッカで第4楽章へ続いていきます。
第4楽章はフーガ風に構築された主部になっています。この楽章でも第2主題は断片的なものになっています。大変に情熱的で力強い楽章になっていて、3曲のラズモフスキー弦楽四重奏曲を閉めるに相応しい堂々としたコーダを迎えます。
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