5月18日 名曲100選 歌劇のアリア篇・35 おお、パラダイス
19世紀前半のオペラの巨匠マイアベーアはユダヤ系ドイツ人でしたが、ドイツ時代は芽が出ず、サリエリの勧めでイタリアへ赴き成功を収め、フランスへ進出してオペラ作曲家としての地位を確実なものとしました。
代表作の殆どがフランス時代の作品という事もあって、マイアベーアはフランス・オペラの最初の大作曲家でありフランス・グランド・オペラ最大の作曲家と位置づけられています。
「アフリカの女」は5幕2場の上演時間4時間を超える長大な作品です。ポルトガルの航海士で喜望峰を発見したヴァスコ・ダ・ガマをモデルにして作られましたが、初演前にガマが亡くなってしまったため、タイトルを「アフリカの女」に変更して初演されました。
ヒロインのアフリカの奴隷セリカが実は女王だったというのは、ヴェルディのアイーダと良く似た設定ですが、セリカのヴァスコに対する深い愛とセリカを愛するアフリカ奴隷のネルスコ、ヴァスコを愛する艦隊の提督の娘イネスの複雑な関係の中で、愛の行方がどうなるか、というのがストーリーの骨子です。
「おお、パラダイス」は第4幕でヴァスコが歌うアリアで、アフリカ人に捕らえられたヴァスコが毒の香を放つマンスニールの木の下で幻惑されて歌う曲です。
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