5月15日 名曲100選 管弦楽曲篇・34 狂詩曲「スペイン」
フランスの作曲家シャブリエは、フォーレと同じくサン=サーンスらの国民音楽協会の時代とドビュッシーらの印象派の時代の架け橋となった作曲家のひとりです。シャブリエは幼少の頃から音楽の才能を見出されていましたが、父親の強い勧めで法律を学び役人としてのキャリアを開始しました。その間フォーレ、ダンディなどの音楽家やマネ、モネ、セザンヌらの画家と親交を深めていきました。
1880年にミュンヘンで観たワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」に刺激を受けて音楽の道に専念することを決意しました。その時は既に39歳。また、晩年は麻痺に苦しんで53歳の若さで病没していますので、作曲家としては実働14年という短さでしたが、その間に数は少ないもののオペラを含めて傑作を世に出しています。
その中でもナンバーワンの人気を誇るのが「スペイン」です。1882年に妻とともに4ヶ月間滞在したスペインの印象を作曲した7分程度の短い曲ですが、沸き立つようなリズムや歌のようなメロディ、色彩感豊かなオーケストレーション、全ての「明るさ」を兼ね備えた名曲です。
最初は弦のピッツィカートから始まる躊躇ったようなリズムから始まりますが、直ぐにミュートつきのトランペットなどによる軽妙な主題が始まります。
この主題は曲全体を支配しながら、数々の美しかったり、楽しかったり、ダイナミックだったりというメロディを導き出しています。
最後はトライアングルの連打の中で華々しく曲を終えます。
この曲を元にワルトトイフェルがワルツ「スペイン」という曲を作曲していますので、そちらも聞いてみると面白いです。
こちらはワルトトイフェルのワルツ「スペイン」です。
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