5月8日 名曲100選 管弦楽曲篇・33 ジークフリート牧歌
ワーグナーのジークフリート牧歌は1870年に作曲されました。この曲、原題は「誕生日の交響的な祝賀として彼女のリヒャルトが彼のコジマに贈る、フィーディーの鳥の歌とオレンジ色の日の出をともなうトリプシェン牧歌」という長~いタイトル。
コジマは、リストの娘でハンス・フォン・ビューローの妻でしたが、ワーグナーと不倫の末同棲し長女イゾルデ、次女エーファを出産。1869年には長男ジークフリートを出産しました。
コジマの誕生日が12月25日だったので、ワーグナーはコジマの誕生祝いとクリスマス・プレゼントを兼ねて作曲したのが、このジークフリート牧歌です。またこの作品は長男ジークフリートを産んでくれたコジマへの労いもあったと言われています。
元々、ワーグナー邸のコジマの寝室脇の曲がり階段で演奏する事を想定していたので非常に小編成で弦楽器もひとりずつで演奏できるようになっています。
さらに、この曲には後に楽劇「ニーベルンクの指環」のジークフリートの動機が共通素材として使用されています。
早朝の目覚まし音楽のため、大きな盛り上がりは作っていませんので、演奏中若干眠くなりますが非常に美しい音楽ではあります。
最小編成は初演時の十三重奏ですが、小編成オーケストラで演奏する事も少なくありません。
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