5月23日 名曲100選 交響曲篇・36 交響曲第2番(アイヴズ)
アイヴズの交響曲第2番は1897年から1901年にかけて作曲された曲です。
アイヴズの音楽はアメリカ現代音楽の先駆けとして認知されていますが、存命中は殆ど評価されることがありませんでした。アイヴズ自身も作曲は趣味と言ってもいい領域で、本業は保険会社の副社長まで務めたビジネスマンでした。それでも当時アメリカで受け入れられにくかった不協和音の多用など実験的な音楽によって新しい音楽の流れを模索し続けました。
交響曲第2番はアイヴズの特徴のひとつである、多くの楽曲からの引用に溢れた作品です。5つの楽章からできていて、
第1楽章はAndante Moderato ゆったりとしたロマン派音楽っぽいメロディから始まります。1つめの引用アメリカの愛唱歌「コロンビア 大洋の至宝」が金管によってゆったりと顔を出します。
第2楽章はAllegro テンポは早まりますが冒頭は後期ロマン派音楽の雰囲気を保持しますが後半は大胆な和声が使われて行きます。
第3楽章はAdagio cantabile チェロやヴァイオリンのソロを活用した緩徐楽章です。
第4楽章はLento maestoso マーラーっぽい音楽から始まる短い楽章。この楽章にも「コロンビア 大洋の至宝」が顔を出します。
第5楽章は第4楽章から切れ目なく演奏されます。この楽章は引用が滅茶苦茶多い楽章。フォスターの「草競馬」、「ロング・ロング・アゴー」などが引用され、最後は壮大な不協和音で閉じられます。
肩の凝らない楽しい曲です。
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