5月2日 名曲100選 交響曲篇・33 交響曲第1番(シベリウス)
シベリウスの交響曲第1番ホ短調op.39は、1899年に作曲されました。シベリウスはこの曲以前に民俗叙事詩「カレワラ」に基づく声楽つきにクレルヴォ交響曲を作曲していますが、純器楽の交響曲としては初めての作品となります。
まだ、この第1番と有名な第2番はチャイコフスキーなどロマン派の影響が大きく、また交響詩風な雰囲気を持っています。
形式的には従来の交響曲の形を持った4楽章の構成になっています。
第1楽章は、ティンパニのロールに乗っかったクラリネットの暗い旋律の序奏から始まります。この序奏の旋律は第4楽章の序奏にも、今度はコントラバス以外の弦楽器のユニゾンで出てきます。主部に入ると突然第2ヴァイオリンが刻みを始め第1ヴァイオリン、ヴィオラとチェロが、メロディの断片のような第1主題を奏でます。第2主題はオーボエによって、これもメロディっぽくない旋律で提示されます。幻想的な展開部の後、再現部を経てコーダは金管が重々しく和音を響かせた後、中高弦楽器のピツィカートの強打で楽章を終えます。
第2楽章は弱音器をつけたヴァイオリンとチェロの穏やかなメロディから始まる緩徐楽章です。第2主題は少しテンポを速めてファゴットによって演奏されます。後半は副主題によってクライマックスを迎え中間部はホルンのソロが朗々と歌うメロディからはじまるフィンランドの森を想わせる部分です。
第3楽章はスケルツォ。ティンパニがスケルツォ主題を叩き、弦楽器、木管とホルンの掛け合いによって荒々しく提示されます。トリオは打って変わって牧歌的なメロディになります。
第4楽章は、幻想曲風にという指示がある楽章。第1楽章の序奏主題を使った序奏の後、これも短い第1主題が提示されますが、第2主題はシベリウスらしい美しいメロディがヴァイオリンによって提示されます。この主題は長いメロディになっていて、やがてそのままクライマックスを迎えます。やがて第1主題の展開部から再現部に入り、今度は第2主題で本当のクライマックスを築きますが、最後は弦のピツィカートで静かに終わります。
あまり演奏会で取り上げられる曲ではありませんが、私は大学の時に演奏しました。それまでの曲ではダントツに難しかった・・・
« 5月1日 名曲100選 管弦楽曲篇・32 交響管絃楽のための音楽 | トップページ | 5月3日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・33 風を見たよ »
« 5月1日 名曲100選 管弦楽曲篇・32 交響管絃楽のための音楽 | トップページ | 5月3日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・33 風を見たよ »
コメント