5月9日 名曲100選 交響曲篇・34 交響曲第2番「アンタール」(リムスキー=コルサコフ)
「アンタール」op.9は、リムスキー=コルサコフが1868年に作曲した交響曲です。この曲1875年と1897年に改訂されていて1897年の第3版は交響組曲とされました。現在演奏されるのは第3版ですが、交響曲第2番として扱われることが多いようです。
4つの楽章からできていますが、「シェエラザード」同様東洋趣味に溢れた曲で、実際には交響曲の形式を踏襲していません。
もしかして、「シェエラザード」と同じく交響組曲として発表すれば、もっと人気出たかもしれませんね。
「アンタール」は6世紀アラビアの詩人。現世をはかなんでパルミラの廃墟に隠遁していたアンタールはある日、一頭のカモシカを襲う巨大な鳥から助けました。カモシカの正体はパルミラの妖精の女王キュル・ナザールで、彼は夢の中で女王の宮殿に招待され、お礼として「人生の3つの喜び」を贈ると約束されます。
第1楽章は、廃墟の描写からはじまり、鳥を撃退して女王を助け、夢の中で宮殿に招待されるストーリーを表現しています。
第2楽章は復讐の喜び。Allegroの激しい楽章です。
第3楽章は権力の喜び。行進曲風のAllegroの楽章です。
第4楽章は愛の喜び。Allegrettoの愛の喜びから、やがてテンポを落とし、人生に再度疲れ果てたアンタールが女王との愛の喜びの中で死んでいってしまいます。
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