4月22日 名曲100選 室内楽曲篇・31 アルペジョーネ・ソナタ
シューベルトのアルペジョーネとピアノのためのソナタイ短調D821は1824年に作曲した曲です。
アルペジョーネという耳慣れない楽器は1823年から1824年にかけてギター製作者シュタウファーが発明したヴィオラ・ダ・ガンバに外見が似ている楽器です。大きさはチェロを小さくした楽器で、弓で演奏する擦弦楽器ですがギターの特徴も併せ持っています。弦が6本ある事とフレットがある事です。作曲したのが発明された直後という非常にタイムリーな時期だったのですが出版されたのが1871年と50年近く後だったため、その頃には、既にアルペジョーネという楽器は忘れ去られていました。
現在ではチェロやヴィオラで演奏される事が多いのですが、6本の弦を持つアルペジョーネに比べてチェロもヴィオラも4本弦なので音域が狭い事や、各弦の音程の間隔がヴァイオリン属の楽器が5度であるのに対し、アルペジョーネはギターと同じ4度のため、奏法の制約が出てくる事、6弦全部のピチカート(ギターのストロークのような重音)はヴァイオリン属の楽器では弾けない事、ヴァイオリン属の楽器はフレットが付いていないので高音域の演奏が難しいのですが、アルペジョーネは比較的容易など、原曲と全く同じ演奏はできないというネックがあります。
曲は、3つの楽章からできています。
シューベルトらしい情感たっぷりのメロディから始まる第1楽章、愛らしい緩徐楽章の第2楽章、情熱的な動きながらAllegrettoというそれ程速くないテンポ指定で抒情性も表現する第3楽章。とても魅力的な曲だからこそ、楽器は消滅しても曲は消滅しなかったのでしょうね。
最近ではアルペジョーネを復元して演奏する事もあるようです。
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