4月18日 名曲100選 交響曲篇・31 交響曲第38番「プラハ」
1986年プラハでの「フィガロの結婚」の上演が大成功を収め、モーツァルトが招待を受けて1987年にプラハを訪問した際に、「フィガロの結婚」に先立って初演されたため「プラハ」の標題で呼ばれているのが交響曲第38番ニ長調K.504です。
この交響曲はメヌエット楽章を欠く3楽章構成ですが、その理由ははっきりしていません。また、第1楽章の主題の対旋律に「フィガロの結婚」の有名なアリア「もう飛ぶまいぞこの蝶々」が引用されるなど、このオペラを意識した作品になっています。
第1楽章は、アダージョの長大な導入部(モーツァルトの交響曲では最長)から始まります。主部は1st Violinがシンコペーションでニ長調和音の根音であるレの音を弾いている上に2nd Violin、Violaとチェロ、バスが旋律を弾くという珍しいパターンからフルート、オーボエにメロディが繋がります。この対旋律でファゴットとホルンが演奏するのが「もう飛ぶまいぞこの蝶々」の伴奏のつなぎの音楽です。
第2楽章は8分の6拍子Andanteの緩徐楽章。半音階を駆使した冒頭から全体的には憂いを含んだモーツァルトの大人の緩徐楽章です。(36番「リンツ」、35番「ハフナー」では愛らしい緩徐楽章、40番は大人の緩徐楽章と勝手に命名してます)
第3楽章の第1主題は「フィガロの結婚」のスザンナとケルビーノの二重唱「早く開けて」に似た旋律で、シンコペーションを含んだ動きのある旋律です。
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