4月3日 名曲100選 管弦楽曲篇・28 動物の謝肉祭
サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」は(動物学的大幻想曲)の副題を持つ小編成の管弦楽曲です。
他の作曲家の作品や音楽家などを風刺している内容もあって、サン=サーンス自身は生前に出版を許さなかった曲です。全部で短い14曲からできています。
第1曲「序奏と獅子王の行進曲」 ピアノの激しいトレモロから弦楽器のユニゾンによる上行和音で始まる序奏から、勇壮な百獣の王ライオンの行進曲へと繋がっていきます。
第2曲「雌鶏と雄鶏」ピアノと高音域の弦楽器が鶏の鳴き声を模倣し合う曲。
第3曲「騾馬」2台のピアノによる音階によって表現されます。
第4曲「亀」弦楽器がオッフェンバックの「天国と地獄」の旋律をわざわざゆっくり演奏することで鈍い歩みの亀を表現。
第5曲「象」ピアノ伴奏で、コントラバスがワルツを演奏します。ベルリオーズの「ファウストの劫罰」の「妖精のワルツ」とメンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の「スケルツォ」が組み入れられています。
第6曲「カンガルー」ピアノ2台による装飾のついた和音が飛び回ってカンガルーを描写する曲。
第7曲「水族館」グラスハーモニカを加えた幻想的な曲。「のだめカンタービレ」では、のだめが千秋に「飛行機に乗れる」という暗示をかけるために催眠術をかける場面で流れた曲でした。
第8曲「耳の長い登場人物」驢馬の事。驢馬の鳴き声をヴァイオリン2本が模した曲で、サン=サーンスの音楽に嫌味な評価を下していた音楽評論家への皮肉とも言われています。
第9曲「森深く住むカッコウ」クラリネットがカッコウの鳴き声を模倣。
第10曲「大きな鳥かご」弦楽器のトレモロ伴奏上を、フルートが飛び回ります
第11曲「ピアニスト」ピアニストがわざとへたくそにピアノの練習曲(音階)を弾く曲です。
第12曲「化石」古臭い曲=化石。自作の「死の舞踏」の「骸骨の踊り」やロッシーニの「セヴィリアの理髪師」の「ロジーナのアリア」、「きらきら星」などが組み合わされています。
第13曲「白鳥」ピアノ伴奏とチェロによる有名な曲。生前に唯一出版されたのがこの曲でした。後に「瀕死の白鳥」というタイトルでバレエとして振付を施されてもいます。
第14曲「終曲」第1曲の序奏からはじまり、これまでの各曲の旋律が登場して華やかに終わります。
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