4月4日 名曲100選 交響曲篇・29 家庭交響曲
リヒャルト・シュトラウスが作曲した標題交響曲2曲の1曲目。シュトラウスは他に絶対音楽としての交響曲を2曲作曲していますが、2曲とも青年時代の作品で習作の域を出ていないという事もあって殆ど演奏されませんが、2曲の標題交響曲は人気が高い曲になっています。
家庭交響曲op.53は1903年に作曲されたもので、シュトラウスの家庭の様子を曲にしたものと言われています。人気が高い、と書きましたが実際に演奏される事は非常に少なく、特にアマチュアではまず取り上げられることは無いようです。原因は1つは編成の大きさと特殊楽器の多さ。特殊楽器と言っても打楽器であれば、殆どの楽器はレンタルできますし、打楽器奏者であれば演奏は可能ですが、問題は特殊な管楽器。レンタルが可能なものもありますが、奏者がいないなどの問題があるので現実的には難しいのが実情です。
家庭交響曲には特殊な打楽器は不要ですが、オーボエ・ダモーレと4本のサックスが必要です。サックスはブラスバンドなどにお願いすれば可能ですがオーボエ・ダモーレは敷居が高い。その上ハープ2本、ホルンも8本必要・・・もう1曲のアルプス交響曲は更に大編成ですが・・・
家庭交響曲は連続して演奏されますが4つのパートに分けられます。家庭の主人、妻、子供、叔父、叔母という登場人物にそれぞれの主題があって全曲を通して使われています。
第1部は家族の紹介のようなもの、第2部は子供を中心とした遊びと母が子供を寝かしつける様子、第3部は主人の仕事、愛の営み、妻の気遣いが表現されています。
第4部は子供が起きてから、子供の教育方針をめぐる夫婦喧嘩、子供のこの様子を見て泣きじゃくるがやがて落ち着きを取り戻しクライマックスに達する、というのが全体のストーリーです。
交響曲と言っても、肩の凝らない楽しい曲です。
この後、シュトラウスは左手のためのピアノ協奏曲「家庭交響曲余禄」という作品があります。腸チフスによって重体に陥った息子フランツをめぐる体験がテーマになっていますので、こちらも合わせて聞いてみると良いでしょう。子供の主題が引用されています。
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