3月9日 名曲100選 歌劇のアリア篇・25 君よ知るや南の国
歌劇「ミニョン」はフランスの作曲家トマが1866年に作曲したオペラです。ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」を基に脚色された作品。
ミニョンは旅芸人の一座の踊り子。座長に虐待されているところを学生のヴィルヘルムに助けられ引き取られます。
ミニョンはヴィルヘルムを愛するがヴィルヘルムは女優のフィリーヌに夢中。
吟遊詩人のロターリオは実は幼い頃にさらわれて行方不明になった娘を探す城主。ミニョンにフィリーヌへの嫉妬心を打ち明けられたロターリオはミニョンに同情してフィリーヌが出演する「真夏の夜の夢」の演奏会場に火を放ちます。そこにミニョンが取り残されている事を知ったヴィルヘルムは火の中に飛び込んでミニョンを救い出しお互いの愛に気づきます。そしてロターリオはミニョンこそが探している娘スペラータである事を知ります。
実は、この後は2つのバージョンがあります。1つは原作通りミニョンがヴィルヘルムへの感情を抑えきれなくなり激しい動悸にさいなまれながらヴィルヘルムの腕の中で天に召されるもの。
ところが、オペラ・コミークはハッピーエンドで幕が下りるという伝統に反しているという批判を受けて、別バージョンを作りました。最後にミニョンとヴィルヘルムは結ばれるものです。
この第1幕でミニョンによって歌われるのが「君よ知るや南の国」です。ヴィルヘルムに旅芸人一座から救われたミニョンが自分の身の上を語り、生まれた国で聴いた歌が「君や知る、レモンの花咲く国」で始まるアリアです。非常に美しい旋律の曲です。
「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」はゲーテが1796年に発表した教養小説で長編8巻という超大作です。圧倒的な人気作で、小説の中に書かれた詩にはシューベルト、シューマンなど非常に多くの作曲家が曲をつけています。
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