2月2日 名曲100選 歌劇のアリア篇・20 うつろな心(もはや私の心には感じない)
パイジェッロは18世紀後半イタリアのセミセリア様式と呼ばれるオペラの代表的な作曲家です。生涯に94曲ものオペラを作曲しています。残念ながら現在は全曲を公演されることは少なくなりました。特に代表作のひとつ「セヴィリャの理髪師」は、半世紀後に活躍するロッシーニが同じ素材をオペラ化して人気を奪ってしまうと殆ど省みられる事が無くなってしまいました。
そんな中で、後世の作曲家が好んでその旋律を引用したのが、歌劇「美しい水車小屋の娘」の中のアリア「もはや私の心には感じない(うつろな心)」です。イタリア語の原題は"Nel cor piu non mi sento"で、「ネル・コル・ピウ」と略して愛される曲です。
フンメル、ボッテジーニ、ヴァンハルなどがこのメロディを使って変奏曲などを作曲していますが、特に知られているのがベートーヴェンのピアノ独奏曲「パイジェッロの歌劇「水車屋の娘」の「わが心はもはやうつろになりて」による6つの変奏曲ト長調WoO.70とパガニーニの無伴奏ヴァイオリン曲「虚ろな心」の主題による変奏曲ト長調です。
どちらかといえば抒情的な曲というよりは、とっても愛らしい曲です。
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