1月31日 名曲100選 交響曲篇・20 交響曲第1番(ビゼー)
ビゼーの交響曲第1番ハ長調は、1855年ビゼーがまだ17歳の時に作曲した交響曲です。ビゼーは3曲の交響曲を作曲したとされていますが残りの2曲は破棄されたり存在自体もわからないようです。
ビゼーは「カルメン」や「アルルの女」などを残して36歳で早逝したわけですが、17歳の時のこの作品を聴けば彼が天才だった事がわかります。35歳で亡くなったモーツァルトにも匹敵する才能だった可能性もありますが、当時のフランスは器楽曲は全く不人気で舞台音楽の作曲家しか認められなかったのがとても残念です。そのために初演されたのは、サン=サーンスらが1871年に国民音楽協会を設立し純器楽作品が認められるようになってからかなり後の1935年でした。
交響曲第1番はオーソドックスな2管編成と楽章構成をもっています。
第1楽章 ハ長調の分散和音を基にした溌剌とした第1主題から始まります。
第2主題はオーボエによって提示されるト長調の伸びやかなメロディです。
第2楽章 イ短調の緩徐楽章。短い序奏のあとオーボエによって哀愁を含んだ美しい主題が演奏されます。
この楽章では中間部では序奏のリズムを基にしたフーガが使われています。
第3楽章 スケルツォ楽章。主部はト長調、中間部はハ長調の分散和音を基にした主題で展開されます。
第4楽章 第1主題はヴァイオリンの細かな動きによるもの、第2主題は早いテンポの中でも優雅さを持つメロディによるもの。
本当にどの楽章をとっても瑞々しい音楽で、30分をリラックスした気分で聞くことができる名曲だと思います。