12月6日 名曲100選 交響曲篇・14 トゥーランガリラ交響曲
「トゥランガリラ交響曲」は、1949年に初演されたスイスの作曲家オリヴィエ・メシアンの最初の大規模管弦楽作品です。
ボストン交響楽団の音楽監督を務めていたクーセヴィツキーの委嘱によって作曲された曲で、タイトルの「トゥーランガリラ」はサンスクリット語「トゥーランガ」(時、天候、リズムなどの意味)と「リラ」(遊び、演奏、愛などの意味)からつけた造語で「愛の歌」や「時間」「生命」「死」などの意味がありますが、本作は連作歌曲「ハラウィ-愛と死の歌」や中世の「トリスタンとイゾルデ」からインスピレーションを得た事から「愛と死」の意味合いが強い曲のようです。
全10楽章から構成されていて、第1楽章 序章、第2楽章 愛の歌、第3楽章 トゥーランガリラ1、第4楽章 愛の歌2、第5楽章 星たちの血の喜悦、第6楽章 愛のまどろみの庭、第7楽章 トゥーランガリラ2、第8楽章 愛の敷衍、第9楽章 トゥーランガリラ3、第10楽章 終曲からできています。演奏時間は1時間20分程度かかります。
全体的には同じ動機と主題が繰り返し使われています。
しかしながら、何と言っても最大の特徴は1928年に発明された電子楽器オンド・マルトノを使っている事でしょう。特に口笛のように聞こえる音が一番明確にわかるオンド・マルトノの音です。
その他には独奏ピアノや8人の打楽器奏者による13種類の打楽器と鍵盤式グロッケン、チェレスタ、ヴィヴラフォン、チューブラベルといった鍵盤楽器も使われる大編成のオーケストラ曲になっています。
核となる楽章は第5楽章で、時間の都合で抜粋する場合は、第3、第4、第5楽章を抜粋するのが最も良いというメシアンの意向があります。
現代音楽なので、勿論不協和音も多いのですが、非常に美しい旋律もあり、勇壮なメロディもあり楽しい曲です。
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