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2021年12月31日 (金)

12月31日 名曲100選 室内楽曲篇・15 ガヴォット(ゴセック)

ゴセックは18世紀半ばから19世紀初めにフランスで活躍したベルギー出身の作曲家です。交響曲の大家として30曲近くの交響曲を作曲し、パリ音楽院創立に際して作曲の教授として招かれています。
残念ながら今では彼の作品は殆ど聞くことができませんが、唯一聞くことができるのが、ガヴォットです。
「ガヴォット」はフランス地方のフォークダンスとそれに由来する舞曲の事で、中庸のテンポで4分の4拍子または2分の2拍子の曲です。リュリが宮廷作曲家として活躍したルイ14世の宮廷でもてはやされた舞曲で、その後古典派の組曲などに組み入れられました。代表的なものがバッハの管弦楽組曲第1番、第3番、第4番などがあります。

ゴセックのガヴォットは歌劇「ロジーヌ」の中の旋律を元にヴァイオリンと管弦楽のために作曲された曲ですが、今ではヴァイオリンとピアノだけの編成で演奏される事が殆どです。

2021年12月30日 (木)

12月30日 名曲100選 海外のロック篇・15 フール・オン・ザ・ヒル

名曲100選では2曲目となるビートルズの曲は「フール・オン・ザ・ヒル」です。
3967年放送のテレビ映画「マジカル・ミステリー・ツアー」の挿入歌として使われ、シングルでは発売されなかった曲ですが、1968年にセルジオ・メンデス&ブラジル’66がカバーして全米トップ10入りをした曲です。
「フール・オン・ザ・ヒル」は文字通り訳せば「丘の上の馬鹿」ですが、大衆には理解されないけれども実際は賢く孤独な人物を題材にした曲です。モデルとなったのはヒンドゥー教の超越的瞑想を普及させる団体を設立したマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーという人物だそうです。
間奏のリコーダーはポール・マッカートニーが吹いたもので、ジョンとジョージの吹くハーモニカが加わって素朴な響きを醸し出しています。
その他に外部奏者によるフルートもMixされているという事です。

2021年12月29日 (水)

12月29日 名曲100選 歌劇のアリア篇・15 ムゼッタのワルツ「私が街を歩けば」

 1896年に初演されたプッチーニの「ラ・ボエーム」は、ミュルジェールの戯曲「ボヘミアン生活の情景」をベースにしたオペラです。
 パリに住む貧しいボヘミアンの男女の愛を描いたもので、非常に人気の高いオペラです。
 詩人のロドルフォとお針子のミミのカップルと、画家マルチェッロと歌手ムゼッタのカップルのそれぞれの愛を描いたもので、主役はロドルフォとミミでマルチェッロとムゼッタは脇役です。
 ロドルフォとミミについては別の機会に語るので、今日はマルチェッロとムゼッタについて。
 幕が開いた時点では、ムゼッタはマルチェッロの元カレで今は金持ちのパトロン アルチンドロと交際中。第2幕で、クリスマスを祝うためにロドルフォ、ミミ、マルチェッロたちがカフェで食事をしているところにパトロンを連れたムゼッタがやって来ます。
 ムゼッタも実はまだマルチェッロに未練があって、彼の気を引こうとして歌うのが「私が街を歩けば」です。私が街を歩けば男たちがみんな注目して寄ってくるというような、カルメンのハバネラのような歌です。
 この後ムゼッタは靴が合わず足が痛いと言ってアルチンドロに靴屋に修理に行かせている間にふたりは縒りを戻して、ちゃっかりと代金をアルチンドロに付けて出て行くというのが第2幕です。
軽やかでとても美しい歌です。

2021年12月28日 (火)

10月28日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・15 愛は勝つ

「愛は勝つ」はシンガー・ソングライターのKANが1990年に発売した8枚目のシングルです。フジテレビの「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」の挿入歌に起用された事で大ヒットし、オリコンチャートでは8週連続1位を記録しました。
KANが敬愛するビリー・ジョエルの「アップタウン・ガール」を意識した楽曲構成と歌詞により、「必ず最後に愛は勝つ」というシンプルでストレートなメッセージとメロディがウケたと思います。

2021年12月27日 (月)

12月27日 名曲100選 交響曲篇・15 交響曲第4番「イタリア」

メンデルスゾーンは12曲の弦楽のための交響曲を除くと、5曲の交響曲を作曲しています。
メンデルスゾーンの交響曲、特に3番と4番は有名な割りにアマチュア・オーケストラではプログラムに組まれることは決して多くありません。
原因は、5番の「宗教改革」と歌付きの第2番以外はシンプルな2管編成でトロンボーンも使われていないのでメイン曲とすると金管楽器軍団から睨まれる(それは嘘ですが)という原因もあるのですが、最大の要因は「超難しい」こと。メンデルスゾーンの成熟してからの管弦楽作品はホントに難しくって、わずか10分程度の「フィンガルの洞窟」でさえ、もう二度と譜面を見たくないという程難しかった・・・
でも、やって見たいと思わせるほど名曲揃いです。
交響曲第4番イ長調「イタリア」はメンデルスゾーンがイタリア演奏旅行中の1831年から1833年にかけて作曲された曲です。終楽章にイタリアの舞曲サルタレロが使われている以外は直接的なイタリア音楽の使用などはありませんが、長調と短調の明暗、抒情的と熱狂的の静動などコントラストに優れた作風がイタリアを彷彿とさせる感じがします。

編成自体はベートーヴェン以前を思わせる、ホルンも2本しかない小さな編成です。
第1楽章はホ長調、2小節の木管の刻み(これだけでもハードです)の後、ヴァイオリンによって活き活きとした主題が演奏されます。
11_20211220205401第2主題も含めて、この楽章は非常に躍動感豊かな楽章になっています。
第2楽章は打って変わってニ短調の抒情的な楽章になっています。中間部は長調になって優雅なメロディを奏でます。
第3楽章はスケルツォを採用せず、中間的な速度のメヌエットのような楽章です。中間部ではホルンの信号音が奏でられる終始穏やかな楽章です。
第4楽章はそれまでの全ての楽章と性格が全く異なる熱狂的な楽章です。サルタレロ、タランテラといったイタリアの舞曲が情熱的に演奏され激しいまま終わりを迎えます。

2021年12月26日 (日)

12月26日 名曲100選 管弦楽曲篇・14 管弦楽のためのラプソディ 

海外で最も有名な日本人作曲家といえば武満徹なのでしょうが、海外で演奏して最も好評な日本人作品といえば、外山雄三の「管弦楽のためのラプソディ」のようです。

元々、NHK交響楽団が1960年に行った海外演奏旅行のために作曲されたもので、人気の要因は、日本の伝統的なお祭りの雰囲気の中で日本の民謡が次々登場する事。楽器も通常のオーケストラで使用する楽器以外に拍子木、鐘(と言っても大きなカリヨンではなくて掌サイズの鐘です)、うちわ太鼓、締太鼓、チャンチキ、長太鼓などが、西洋の打楽器ティンパニ、ウッドブロック、大太鼓、ボンゴ、鈴などと共に使われています。

冒頭は打楽器の連打の後「あんたがたどこさ」から始まり、「ソーラン節」が絡んできて、その後「炭坑節」「串本節」が盛り上げ、中間部では横笛を模したフルートによる「信濃追分」が静かに奏でられます。
静寂の中、突如拍子木が連打されると「八木節」の登場。これに多数の打楽器が出て来てクライマックスを迎えたまま曲を終えます。
民謡がベースですので、ヨナヌキ音階が主体になっているので、この日本っぽさが人気の要因でしょうが、「お祭り」という要素がこれに加わらなければここまで人気の高い曲にはならなかったでしょうね。
ちなみに、拍子木は金管楽器奏者が数人で叩くのですが、打楽器奏者ほど合わないのがお祭りっぽくて良いそうです。

2021年12月25日 (土)

12月25日 名曲100選 映画音楽篇(洋画)・14 グレムリン

本日から名曲100選は通常のプログラムに戻ります。土曜 映画音楽、日曜 管弦楽曲、月曜 交響曲、火曜 日本のフォーク・ニューミュージック、水曜 歌劇のアリア、木曜 海外のロック、金曜 室内楽曲です。

今日の映画音楽は、クリスマスと関わりある映画「グレムリン」です。
発明家のランダル・ペルツァーは、訪れた街のチャイナタウンの骨董屋で見つけた珍しい生き物モグワイを息子ビリーのクリスマスプレゼントとして購入(店主は売らないと言ったが孫が売ってくれた)、ギズモと名づけました。骨董屋で言われた3つの約束「光に当ててはいけない」「水をかけたり濡らしたりしてはいけない」「真夜中過ぎに食べ物を与えてはいけない」が偶然破られた時にギズモから複数のモグワイが増殖し、やがてグレムリン(小鬼)となって町中を荒らしパニックに落とし入れます。ビリー、恋人のケイトとギズモの奮闘で何とかグレムリン軍団を葬ります。
そこへチャイナタウンの老人がギズモを引き取りに来て、約束の大切さを語り、「いつか君たちにもモグワイを飼う資格を得る時が来る」と去って行きます。
この中で、フィービー・ケイツ演じるケイトは映画の最初からクリスマスが大嫌いと言っていましたが、後半語られたクリスマス嫌いの原因が、9歳の頃父親がサンタの格好をして自宅の煙突から現れようとして誤って煙突の中に転落し首の骨を折って死んだことだとわかります。
音楽は映画音楽の巨匠ジェリー・ゴールドスミス。

2021年12月24日 (金)

12月24日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・10 きよしこの夜

クリスマス・ソングの番外編を始めた時に「ホワイト・クリスマス」や「ジングル・ベル」、「クリスマス・イブ」といった超有名曲は扱わないと宣言しましたが、「きよしこの夜」はちょっとはずせないと思って、トリをとってもらう事にしました。
「きよしこの夜」はヨゼフ・モールによってドイツ語の詞が書かれ、フランツ・グルーバーが作曲して1818年のクリスマス・イブに初演されたクリスマス・キャロルとしては比較的出自のはっきりしている曲です。
日本では由木康が詩をつけて1909年の讃美歌集に収録され、1961年には小学校の教科書にも採用されました。
静かで聖なる夜、処女の母から生まれた神の子は静かに安らかに眠るという内容の曲です。
やっぱり、この曲は This is the"Christmas song"だと思います。

 

2021年12月23日 (木)

12月23日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・13  サイレント・イヴ

「サイレント・イヴ」はシンガー・ソングライター辛島美登里が1990年に発売した9枚目のシングルです。
TBS系のドラマ「クリスマス・イブ」の主題歌となって、彼女自身の最大のヒット曲となり、その後J-popのクリスマスソングの定番となりました。
歌詞自体は、クリスマスの夜に、別れた恋人を想う女性の気持ちを歌った切ない歌です。
代表的な日本のクリスマスソングなので多くの歌手にカバーされています。

2021年12月22日 (水)

12月22日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・12 メリー・リトル・クリスマス(Have yourself a Merry Little Christmas)

私がこの曲を知ったのは、カーペンターズが1978年に発売した「クリスマス・ポートレート」というクリスマスソングを集めたアルバムでした。
元々はジュディ・ガーランドが1944年の映画「若草の頃 (Meet me in St.Louis)」の中で歌った曲。この時の歌詞は父親の仕事の都合で住み慣れたセント・ルイスからニューヨークへ引越しをしなければならなくなって動揺する妹たちをジュディ・ガーランドが励ます内容の歌詞になっていますが、後にちょっと暗い歌詞だということで後にフランク・シナトラが歌う時に幸せなクリスマスを迎える内容に書き換えて歌いました。よく歌われるのはこのバージョンが多いようです。
静かなジャズナンバーで、ホッとする音楽です。

2021年12月21日 (火)

12月21日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・11 あわてんぼうのサンタクロース

J-popなどでは国産のクリスマス・ソングが多数存在していますが、子供向けの曲は以外に少ないものです。私が子供の頃クリスマスで歌われたのも「ジングルベル」「きよしこの夜」「赤鼻のトナカイ」「サンタが町にやってくる」「もみの木」「わらの中の七面鳥」など全て元々は外国曲でした。
やっと国産の子供向けのクリスマスソングが誕生したのが1967年。吉岡治作詞、小林亜星作曲の「あわてんぼうのサンタクロース」でした。

クリスマス前にやって来ちゃったり、煙突覗いてて落っこっちゃったりという歌詞とリンリンリンとかドンドンドンなどの擬音から出来ている、楽しい曲です。

2021年12月20日 (月)

12月20日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・10 神の御子は今宵しも

「神の御子は今宵しも」(O Come, All Ye Faithful)はイングランドのウェードが作曲したとされる讃美歌ですが、はっきりした作者はわかっていないようです。歌詞も誰の手によるのかはっきりしていませんが、現在はイングランドカトリック教会の聖職者フレデリック・オークリーの英語詩が広く歌われています。

クリスマスらしい、イエスの誕生を歌った歌でクリスマスの聖歌としては最もポピュラーな曲のひとつですね。

2021年12月19日 (日)

12月19日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・9 恋人たちのクリスマス

「恋人たちのクリスマス(All I Want for Christmas Is You)」はマライア・キャリーが1994年に発表したクリスマス・ソングです。
ここで取り上げるクリスマス・ソングの中では最も新しい曲です。マライア・キャリーとウォルター・アファナシェフの共作によるアップテンポのラブソングで「ザ・ニューヨーカー」誌では「ホリデーソングの名曲集に加える価値のある数少ない現代曲のひとつ」と評され、その後も多くのアーティストにカバーされています。
内容は原題「クリスマスに欲しいものはあなただけ」のとおり、プレゼントはいらないからクリスマスには最愛の人と一緒に過ごしたいという気持ちが歌われています。

 

2021年12月18日 (土)

12月18日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・8 さやかに星はきらめき(O Holy Night)

「O Holy Night(さやかに星はきらめき)」は、バレエ音楽「ジゼル」で知られるフランスの作曲家アドルフ・アダンが作曲したクリスマス・キャロルです。原題は「クリスマスの賛美歌」でカポーによるものですが、英語圏ではドワイトが自由に英訳したものが「O Holy Night, the stars are brightly shininng」として知られています。このドワイトの詩を由木康が翻訳したものが日本の賛美歌として収録されています。

 

2021年12月17日 (金)

12月17日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・7 牧人ひつじを

「牧人ひつじを」(The first noel)はイギリスのクリスマス・キャロルです。
旋律はイングランド西部地方に17世紀以前から伝わる旋律。歌詞は新約聖書ルカの福音書第2章にある、羊飼いたちが羊の群れの番をしていた夜に、空から神の使いが現れるシーンを描いたものです。

2021年12月16日 (木)

12月16日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・6 シルバー・ベルズ

「シルバー・ベルズ」は、「ボタンとリボン」(腰抜け二挺拳銃)、「モナ・リザ」(別働隊)、「ケ・セラ・セラ」(知りすぎていた男)などの作詞作曲で知られるレイ・エバンスとレイモンド・バーナード・エバンズのコンビが1951年に作ったクリスマス・ソングです。コメディ映画「レモン・ドロップ・キッド」の挿入歌として使われ、その後ビング・クロスビー、オリヴィア・ニュートン=ジョン、ダイアナ・ロス、スティーヴィー・ワンダー、バリー・マニロウなど多くのアーティストによってカバーされています。

ワルツ調のゆったりとしたメロディで都会の忙しく人々が行きかう通りのクリスマスの雰囲気を歌った曲です。

2021年12月15日 (水)

12月15日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・5 荒野(あらの)の果てに

「荒野の果てに」(Angels We Have Heard on High)は16世紀フランスの伝統的なキャロルが下になっているクリスマス・キャロルです。
現在よく知られている旋律はエドワード・シッペン・バーンズが編曲したもので曲の最後に「Gloria in excelsis Deo」(いと高きところに神の栄光あれ)という歌詞がつけられています。
日本ではカトリック教会の「カトリック聖歌集(1966年版)」では「天(あめ)のみつかい」という日本語に訳されています。プロテスタント系の日本基督教団の「讃美歌集(1954年版)」などでは「荒野の果てに」というタイトルになっています。

大きな特徴としては、最後のGloriaのところで 「o」の音を長く伸ばして音程を変えながら、合唱の際には対旋律なども加えながら歌うのが特徴になっています。

2021年12月14日 (火)

12月14日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・4 クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)

サザンオールスターズや桑田佳祐はかなり多くのクリスマス関連曲を作っていますが、クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)を取り上げます。
1993年11月に発売された34作目のシングルで1998年、2005年に再発売されています。丸井のクリスマスキャンペーンのCMソングとしても使われました。
涙のあとには白い雪が降るというサブタイトル通り、クリスマスなのに恋も語れない悲しい自分を歌った曲です。

2021年12月13日 (月)

12月13日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・3 ザ・クリスマス・ソング

「ザ・クリスマス・ソング」は1944年にジャズ歌手で作曲家のメル・トーメと作曲家ボブ・ウェルズが作った曲です。
ナット・キング・コール率いるザ・キング・コール・トリオが1946年6月に初録音し8月行われた2回目の録音が最初の発売になりました。その後数回再録音されています。

歌詞は、聖歌隊がキャロルを歌い、人々はエスキモーのようにドレスアップ、子供たちは目をいっぱい輝かせて今夜は眠りにつくのはむずかしそう、というクリスマスの様子を歌った曲です。
有名なクリスマス・ソングですので多くの歌手がカバーしています。
You Tubeはホイットニー・ヒューストンのカバー版です。

2021年12月12日 (日)

12月12日 名曲100選番外編 クリスマス・ソング・2 天には栄え

クリスマス・キャロルの中には、大作曲家が作曲したものがいくつかあります。その代表的なもののひとつが、「天には栄え」です。
作曲は、メンデルスゾーン。作詞は数千ものクリスマス・キャロルを作詞したチャールズ・ウェスレー。元々は1840年に印刷術発明400年記念祝典のために作曲された男声合唱と管弦楽のためのカンタータ「祝典歌」(グーテンベルク・カンタータ)の第2曲でした。
原題はHark!The Herald Angels Sing(聴け!天の使いの紡ぐ御歌)で、新たな王キリストの誕生を讃える歌です。

2021年12月11日 (土)

12月11日 名曲100選番外編 クリスマスソング・1 雪のクリスマス/Winter song

子供の頃、家にクリスマス・ソングのEP盤(33rpmのシングル盤サイズのレコード)がありました。そこには「サンタが街にやって来る」「もみの木」「きよしこの夜」「わらの中の七面鳥」が収録されていました。この4曲がクリスマス・ソングとの出会い。
さらにカーペンターズが1978年に発売した「クリスマス・ポートレート」でより多くのクリスマス・ソングを知る事になりました。
以前DTMをやっていた時には、トラディショナルなクリスマスソングのメドレーを作成してアップしたりもしていました。
現在、自分にとって「クリスマス」は特別なものでは無くなりましたが、「クリスマス・ソング」または「クリスマスを扱った音楽」は1つのジャンルになっています。
というわけで、24日まで2週間名曲100選番外編として「クリスマスソング」を扱ってみようと思います。あんまりにも有名な曲は特段の事情を除いて取り上げません。伝統曲の「サンタが街に・・」「もみの木」「わらの中の七面鳥」「おめでとうクリスマス」「赤鼻のトナカイ」、洋楽では「ホワイト・クリスマス」と「ラスト・クリスマス」、邦楽では「クリスマス・イヴ」「恋人がサンタクロース」、クラシックの「ハレルヤ」「そりすべり」「アヴェ・マリア」といった曲は登場しませんので、悪しからず。

能書が長くなりましたが、まずは1曲目。Dreams Come Trueの「雪のクリスマス」/「Winter Song」です。
1990年11月にリリースされたドリカム8枚目のシングルが「雪のクリスマス」です。作詞が吉田美和、作曲が吉田美和と中村正人。クリスマスに降る雪と雪が積もって白くなっていく世界を大好きなあなたにも見せたい、というとても詞が素敵な曲です。
1994年に英語詞版の「Winter song」が発売され洋楽オリコンチャートの1位になっています。
※雪のクリスマスは貼り付けられるYou Tubeが無かったので、Winter Songだけです。

2021年12月10日 (金)

12月10日 名曲100選 室内楽篇・14 弦楽四重奏曲第1番 アイヴズ

アメリカ現代音楽のパイオニア的存在チャールズ・アイヴズがエール大学在学中に作曲した作品のひとつが弦楽四重奏曲第1番です。
アイヴズというと、様々なアメリカの曲を引用したり不必要なほど不協和音を使ったり実験的な作品を多く残した作曲家ですが、さすがにまだ大学2年だったアイヴズは大胆な不協和音を使うことはありませんでしたが、引用は行っています。
この曲は、賛美歌が多く引用された曲です。
第1楽章冒頭から「Missionary  hymm(北のはてなる)」という賛美歌の旋律がフーガ風に扱われる美しい楽章です。
第2楽章は「Beulah Land」という賛美歌をアレンジしています。
第3楽章は「Nettleton」という賛美歌をベースとし、第4楽章は「Coronation」「Stand up for Jesus」を用いています。しかも最後はアーメン終止(一旦主和音で終止した後、四度の和音から主和音という「アーメン」を付け加えるような形の終止形)を使っています。
この第1番から17年後に完成した第2番の弦楽四重奏曲は不協和音の嵐ですし、引用もアメリカ音楽「コロンビア・大洋の宝」だったりベートーヴェンの第九だったりチャイコフスキーの悲愴だったりとアメリカとヨーロッパの芸術の討論という賑やかな曲なので、同じ作曲家とは思えない変化が見られます。

 

2021年12月 9日 (木)

12月9日 名曲100選 海外のロック篇・14 ナット・ロッカー

「ナット・ロッカー」はイギリスのプログレッシブ・ロック・バンド エマーソン・レイク&パーマー(以下ELP)が1971年に発売したライブ・アルバム「展覧会の絵」に収録されていたインスト曲です。
ELPはキーボードのキース・エマーソンを中心に、ギターの元キング・クリムゾンのグレッグ・レイク、ドラムスの元アトミック・ルースターのカール・パーマーの3人が1970年に結成したバンドです。
クラシック音楽のロックアレンジを得意の分野のひとつとして。バルトークの「アレグロ・バルバロ」や代表作の「展覧会の絵」などを発表しています。
エマーソンはオーケストラの導入を考えていましたが、レイクがモーグ・シンセサイザーの導入を提案しイベントで開発者のロバート・モーグにエマーソンを会わせて、そのサウンドの魅力に魅せられたエマーソンが導入に同意し、ELPの目玉となりました。
「ナット・ロッカー」はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の行進曲をアレンジしたもの。
中学時代の同級生が下校の道すがら、このアルバムについて熱く語った影響で私もELPに興味を持つようになったのですが、彼はギターとドラムが出来る仲間を誘って、文化祭で、この演奏をコピーして(キーボードのミスタッチまでコピーしてた。但し高価なシンセは使えなかったのでオルガンを使用)演奏して大喝采を浴びてました。

2021年12月 8日 (水)

12月8日 名曲100選 歌劇のアリア篇・14 夏の名残のバラ

歌劇「マルタ」はドイツのオペラ作曲家フロトーが作曲し1847年11月に初演されたフロトーの代表作です。
1710年頃アン女王時代のイギリスを舞台にした女官のいたずら心から起きる騒動と恋の顛末を描いたコミカルでロマンティックな作品。
アン女王の女官ハリエットは宮廷生活に退屈し侍女のナンシーや従兄弟のトリスタン卿とともに田舎娘マルタとユリア、農夫ボブに変奏し町の奉公人市場に出かけます。そこに女中を探しに来ていた若い農場主ブランケットと義弟ライオネルがマルタとユリアを見染め女中に雇います。農作業も何もできない二人でしたがライオネルはマルタに魅せられて結婚を申し込みますが惹かれるものを感じつつもそれを拒絶。こっそりと宮廷に戻ります。
その後女王の狩りに同行して村を訪れたハリエットたちを見つけたライオネルは、彼女の身分を知り自分たちはからかわれたのかと嘆きます。ところがライオネルが持っていた指輪によって彼が無実の罪で追放されたダービー伯爵の遺児であり爵位継承者である事がわかり、二人は目出度く愛を確かめ合うというお話です。

第2幕でハリエット(マルタ)によって歌われるのが「夏の名残のバラ」です。
この曲はもともとは、アイルランドの詩人ムーアが1805年に「ブラーニーの木立」というアイルランド民謡に詩をつけたもの。日本では「庭の千草」として知られています。
この曲は、19世紀を中心に様々な作曲家が取り上げています。中でもメンデルスゾーンのピアノ曲「夏の名残のバラ」による幻想曲、タールベルクのピアノ曲「夏の名残のバラ」による変奏曲、エルンストの無伴奏ヴァイオリンのための6つの練習曲の第6曲「夏の名残のバラ」による変奏曲などが知られています。
このオペラで歌われるのは、マルタが劇中で歌って、それを聴いたライオネルが惚れこんでしまうという場面です。

2021年12月 7日 (火)

12月7日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・13 少年時代 

「少年時代」は、井上陽水が1990年にリリースした29枚目のシングルです。発売当初はオリコンの最高位も20位程度でしたが、翌年にソニーのハンディカムのCMに使用されて、4位まで上り詰めました。その後もロングヒットとなりミリオンセラーに認定されました。

元々は荻野目洋子に提供したシングル「ギャラリー」のB面の予定でしたが、出来が良かったことと同名映画の主題歌の話が来たため、井上陽水自らが歌ってシングル化する事になった経緯があります。
「少年時代」というタイトルですが、歌詞はかなり難しい表現で秋から始まり冬、盛夏と変化し最後に秋に戻っていきます。「風あざみ」は造語で実際にそういう植物は無いそうです。

 

2021年12月 6日 (月)

12月6日 名曲100選 交響曲篇・14 トゥーランガリラ交響曲

「トゥランガリラ交響曲」は、1949年に初演されたスイスの作曲家オリヴィエ・メシアンの最初の大規模管弦楽作品です。
ボストン交響楽団の音楽監督を務めていたクーセヴィツキーの委嘱によって作曲された曲で、タイトルの「トゥーランガリラ」はサンスクリット語「トゥーランガ」(時、天候、リズムなどの意味)と「リラ」(遊び、演奏、愛などの意味)からつけた造語で「愛の歌」や「時間」「生命」「死」などの意味がありますが、本作は連作歌曲「ハラウィ-愛と死の歌」や中世の「トリスタンとイゾルデ」からインスピレーションを得た事から「愛と死」の意味合いが強い曲のようです。

全10楽章から構成されていて、第1楽章 序章、第2楽章 愛の歌、第3楽章 トゥーランガリラ1、第4楽章 愛の歌2、第5楽章 星たちの血の喜悦、第6楽章 愛のまどろみの庭、第7楽章 トゥーランガリラ2、第8楽章 愛の敷衍、第9楽章 トゥーランガリラ3、第10楽章 終曲からできています。演奏時間は1時間20分程度かかります。
全体的には同じ動機と主題が繰り返し使われています。
しかしながら、何と言っても最大の特徴は1928年に発明された電子楽器オンド・マルトノを使っている事でしょう。特に口笛のように聞こえる音が一番明確にわかるオンド・マルトノの音です。
その他には独奏ピアノや8人の打楽器奏者による13種類の打楽器と鍵盤式グロッケン、チェレスタ、ヴィヴラフォン、チューブラベルといった鍵盤楽器も使われる大編成のオーケストラ曲になっています。
核となる楽章は第5楽章で、時間の都合で抜粋する場合は、第3、第4、第5楽章を抜粋するのが最も良いというメシアンの意向があります。
現代音楽なので、勿論不協和音も多いのですが、非常に美しい旋律もあり、勇壮なメロディもあり楽しい曲です。

2021年12月 5日 (日)

12月5日 名曲100選 管弦楽曲篇・13 交響組曲「シェエラザード」

「シェエラザード」はリムスキー=コルサコフが作曲した交響組曲です。千夜一夜物語の語り手であるシェエラザードの物語がベースとなっています。交響曲と同じ4楽章の構成になっていますが、様々な動機が各楽章を通じて使われており物語性の強い音楽になっています。
また全楽章を通じて独奏ヴァイオリンが活躍するのも特徴です。

第1楽章<海とシンドバッドの船>は、シャリアール王の主題のユニゾンで始まります。
11_20211127203801続いて独奏ヴァイオリンがシェエラザードの主題を演奏します。
12_20211127204201これらの物語のプロローグとなる序奏が終わって主部に入ります。海のうねりを表現する伴奏にのって豪壮な海の主題と大海原の中のちっぽけな船を連想させる船の主題が登場。その後シャリアール王の主題とシェエラザードの主題が絡み合いながら進みます。
第2楽章<カランダール王子の物語>。カランダールとは諸国行脚の修行僧の事。冒頭のヴァイオリンソロによるシェエラザードの主題に続いてファゴットによって王子の主題が演奏されます。
21_20211127205301中間部は管楽器のソロやTuttiによるメロディが繰り返されます。
第3楽章<若い王子と王女>はヴァイオリンによって歌われるメロディックな主題から始まります。
31中間部はクラリネットによって提示される舞曲風の王女の主題です。
32第4楽章<バグダッドの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲>は変化の激しい楽章です。
シャリアール王の主題が速いデンポでTuttiで演奏され、それをシェエラザードの主題が受ける展開が2回繰り返された後、祭りの音楽がタランテラのリズムで激しく演奏されます。各楽章の音楽が回想されながら徐々に盛り上がり荒れ狂う波に呑まれる難破船の場面まで駆け上がり、海の主題が出てきて静けさを取り戻します。最後はヴァイオリン独奏でシェエラザードの主題が消え入るように演奏されて終結します。

この曲は管楽器も弦楽器も技巧的な要求がされる曲の上、ヴァイオリン独奏が協奏曲のような技巧的なものでは無いものの簡単ではないという中途半端な難しさという事で、プロのソリストを呼ぶのは勿体ないけど、通常のアマオケのコンサートマスターなどが弾くには高めのハードルという感じな上、編成が大きい事もあってなかなかアマチュアでは取り上げる機会が多くありません。
ただ、ストーリーが分かり易くドラマティックなので、楽しい音楽です。

2021年12月 4日 (土)

12月4日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・13 華麗なるヒコーキ野郎 

「華麗なるヒコーキ野郎」は1975年公開(日本では1976年)のアメリカ映画です。
監督のジョージ・ロイ・ヒルと主演のロバート・レッドフォードが「明日に向かって撃て!」「スティング」に続いてコンビを組んだ作品。

第一次大戦後、飛行機と空に魅せられた元空軍パイロットたちが複葉機での曲芸飛行など空のパフォーマンスに命をかけて挑む姿を描いた作品。レッドフォードはそんな男のひとりペッパーを演じました。
音楽はヘンリー・マンシーニが担当し、主題曲は「華麗なるヒコーキ野郎のマーチ」という軽快な行進曲になっています。

 

2021年12月 3日 (金)

12月3日 名曲100選 室内楽曲篇・13 妖精の踊り

19世紀後半から20世紀初頭に活躍したチェリストであり作曲家であったダーヴィト・ポッパーはチェコで生まれ、チェロ協奏曲など多くのジャンルの曲を作曲しましたが、現在演奏されるのは数曲のサロン音楽のみです。
中でもよく知られるのは「妖精の踊り」です。本来はオーケストラ伴奏で作曲されましたが、演奏されるのは殆どピアノ伴奏です。
「妖精」というと愛らしい感じを受けるタイトルなのですが、これが実はとんでもない超絶技巧の曲。
速度記号はPrestoでチェロは最初から239小節間(4小節目に1小節だけ休みあり)全て十六分音符。十六分音符以外は、コーダの3つの音(内2つは和音のピツィカート)だけ。しかも通常使われるヘ音記号は少なくて、半分以上はト音記号、その他はテナー記号での記譜という高音域が多い曲。オクターヴの重音もあります。
というように、妖精の羽音を表現しているのか、何人もの妖精たちが騒いでいるのか、とにかく騒がしく忙しい曲です。

2021年12月 2日 (木)

12月2日 名曲100選 海外のロック篇・13 悪魔の呪文

1969年にタイス・ファン・レールを中心に結成されたオランダのプログレッシブ・ロック・グループ フォーカスの最大のヒット曲が、「悪魔の呪文(Hocus Pokus)」です。

1970年にギタリスト ヤン・アッカーマンが加入して絶頂期を迎え、1973年発売の曲で、アッカーマンのギター・リフとレールの多才さを活かした曲で歌詞は無く、ヨーデルとインストだけの音楽です。
この曲はアッカーマンのパワフルなギターと共に、レールのボーカルとオルガンから始まりフルート、口笛と様々なソロで構成されていて、全てをレールひとりでやるという多才さを十分に発揮しています。ヴォーカルもヨーデルとスキャット、しかもかなり低い音から高い音まで駆け上がる忙しくも楽しい曲です。全米チャートでは8位にまで上っています。

 

2021年12月 1日 (水)

12月1日 名曲100選 歌劇のアリア篇・13 ああ、そはかの人か~花から花へ

ヴェルディの代表作だけでなく、三大オペラのひとつ(他は、ビゼーのカルメン、プッチーニの蝶々夫人)とも言われるのが、歌劇「椿姫」です。
小デュマが書いた小説「椿姫」をデュマ自身が戯曲化したものをベースにして作曲したものです。
オペラの原題は「La Traviata」で直訳すれば「道を踏み外した女」ですが、日本では原作の小説の原題「La Dame aux camelias」(椿の花の貴婦人)を意訳した「椿姫」が使われています。
「椿姫」は、高級娼婦マルグリットが、月の25日間は白い椿を見につけ、生理期間の5日間だけ赤い椿を身につけたという話からつけられたタイトルです。オペラでは主人公はヴィオレッタという名前に変えられています。

第1幕で、青年貴族アルフレードが高級娼婦ヴィオレッタに愛を告白しますが、ヴィオレッタは「彼こそは私の待ち望んだ真の恋の相手ではないか」という愛を受け入れる気持ち(ああ、そはかの人か)と、「自分は今の享楽的な生活から抜け出すことは出来ない」という現実的な気持ち(花から花へ)の間で揺れ動く気持ちを歌ったのが「ああ、そはかの人か~花から花へ」というヴィオレッタのアリアです。特に「花から花へ」はコロラトゥーラを駆使した華やかな歌です。

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