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2021年11月30日 (火)

11月30日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・13 悲しくてやりきれない

1967年に解散したアマチュアのアングラグループ、ザ・フォーク・クルセダーズが解散を記念して300枚制作した自主制作アルバム「ハレンチ」はラジオなどで取り上げられて、それに目をつけたレコード会社から再結成、プロデビューを打診されました。加藤和彦は反対しましたが北山修が説得し1年限定という条件で再結成。プロデビューにあたって加藤和彦と北山修に加えてはしだのりひこをメンバーに加えて活動を開始しました。
「帰ってきたヨッパライ」が1968年に開始されたオリコンの初のミリオンヒットになり、爆発的な人気を獲得しました。

そのフォーク・クルセダーズが唯一レコーディングしたアルバムが「紀元貮阡年」から最初にシングル化されたのが「悲しくてやりきれない」でした。(帰ってきたヨッパライも収録されていますが、こちらはアルバム制作前のアマチュア時代に作られプロになってからシングル化されたものです)実は、このレコードこそ、私が自分の小遣いで買った始めてのレコードだった思い出の曲です。B面はコミカルな「コブのない駱駝」でした。

本来「帰ってきたヨッパライ」に続くシングルであった「イムジン河」が発売自粛になったため、急遽加藤和彦が缶詰にさせられて3時間で作った曲に作詞家のサトウハチローが詞をつけたもので、本当に悲しくてヤリキレナイ気持ちを歌ったものです。

フォーク・クルセダーズはこのほか「ゲ・ゲ・ゲの鬼太郎」「さすらいのヨッパライ」「青年は荒野をめざす」などのヒット曲を排出し、当初の約束通り1968年10月17日大阪でのさよならコンサートを最後に解散しました。

2021年11月29日 (月)

11月29日 名曲100選 交響曲篇・13 交響曲第5番(マーラー)

マーラーの交響曲第5番は、元々1888年交響詩として5部構成で作曲されました。1893年に一度改訂しましたが1896年に「花の章」を削除して4楽章の交響曲として完成しています。
歌曲の「さすらう若者の歌」と密接な関係のある曲で、歌曲集からそのままのメロディを使っています。
第1楽章 弦楽器のフラジオレットによるA音の持続音に乗ってオーボエ、ファゴットが全曲にわたって登場する4度下降の動機が演奏される神秘的な序奏から始まります。この動機は後にクラリネットによる「郭公」の鳴き声にも使われます。霧の森を連想させる音楽です。やがて遠くからファンファーレのような響きが聞こえ(実際にトランペットがバンダで演奏)ますが、このファンファーレはまた終楽章に登場します。
第1主題は4度動機を頭に置くチェロのメロディによって「さすらう若者の歌」の第2曲「朝の野原を歩けば」のメロディがそのまま演奏されます。
111_20211122193901第2主題は木管で提示されますが、あまり明確なものではありません。序奏の雰囲気が戻ってくる展開部から再現部に入りますが非常に短く、この楽章における序奏の重要性がわかる展開になっています。

第2楽章 力強いスケルツォ。低弦によって4度下降のオスティナートが奏され、木管によって主題が登場します。が、この楽章の聞き所は中間部。レントラー風の主題がトリオ主題です。優雅で妙に艶っぽい音楽がとっても魅力的。最後は1st violinからチェロまでの4種類の楽器を使って5オクターヴを駆け下りてスケルツォ主題に戻ります。

第3楽章 ティンパニの4度下降音に乗って、コントラバスが主題を演奏します。新版ではコントラバスのTuttiになっているようですが、今でもソロで演奏する事が多い(というのは8台のコントラバスがぴったり合うのはアマチュアでは超困難、ソロなら多少音程ずれてもあまり気にならないし)。
131このメロディは日本でも有名なフランス民謡「フレール・ジャック」(アメリカでは Are you sleeping?で知られる)を短調にしたもの。これがカノン風に次々と楽器を替えて出てきます。中間部は、「さすらう若者の歌」の第4曲「彼女の青い眼が」のメロディになります。

第4楽章 シンバルの一発を合図に激しい導入部が演奏され、激しい第1主題そのまま移行します。そしてこの曲で私が一番好きな第2主題(コントラバスは殆ど参加していませんが)が出ます。それは天国的に美しく、さらに情熱的な顔も見せるメロディです。
141再現部にはいると勝利の音楽のようなメロディが登場。このメロディがコーダでホルン全員が立ち上がって吹くように指定されている凱旋のメロディになります。
142最後は第1主題と4度動機に基づく勇壮なフィナーレ。2台のティンパニとトライアングルがトレモロで勢いをつけ最後には大太鼓まで登場してトレモロ・・・打楽器が妙に目立つコーダではあります。

 

2021年11月28日 (日)

11月28日 名曲100選 管弦楽曲篇・12 イタリア奇想曲

チャイコフスキーが1880年に作曲した曲。1877年に結婚したチャイコフスキーはわずか3ヶ月で離婚してしまい、その影響で精神が衰弱してしまいました。気分転換のために弟のモデストとイタリアからスイスにかけて旅行して、ローマ滞在中から構想を練り始め、帰国後に完成したのが、このイタリア奇想曲です。

曲全体は大きく分けて5部の構成からできています。
第1部 チャイコフスキーが宿泊したホテルに隣接する騎兵隊の宿舎から夕方響き渡る信号ラッパの旋律からヒントを得た、トランペットとコルネットのファンファーレから始まります。その後、暗い雰囲気に変わり管楽器などの3連符のリズムに乗ってヴァイオリンからチェロまでが2オクターヴのユニゾンで、イタリアっぽくないメロディを演奏します。
1_20211120193001第2部 変ニ長調4拍子に変わって、フルートから始まりトランペットへと続く超絶技巧のメロディが楽しく演奏されます。(演奏する方は難しいので楽しく無いようですが)。その後弦楽器によって愛らしい旋律が続きます。
第3部 ナポリ民謡である、タランテラのリズムでくぐもったメロディが展開されます。
第4部 第2部の愛らしいメロディがいきなりTuttiで強奏されます。
第5部 第3部のタランテラのリズムが再び登場し、今まで出てきた旋律が次々と登場。次第に速度を速めながら熱狂的にエンディングを向かえます。

ところどころ、我々が抱いているイタリアのイメージとはちょっと違う部分もありますが、全体的にはロシアから明るいイタリアを見た雰囲気に満ち溢れている曲です。

 

2021年11月27日 (土)

11月27日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・12 大脱走

1963年に公開された「大脱走」は戦闘シーンのない集団脱走を描いた映画音楽です。
監督は「荒野の七人」や「OK牧場の決斗」などのジョン・スタージェス。
ドイツの捕虜収容所からの集団で脱出を企てる連合軍の兵士たちを、実際に捕虜になったポール・ブリックヒルの体験した脱走計画を書いた「The Great Escape」を元に製作した映画です。
スティーブ・マックイーン、リチャード・アッテンボロー、チャールズ・ブロンソン、ドナルド・プレザンス、ジェームズ・コバーンなどが出演しています。
脱出に成功したのは76名ですが、逃げ延びたのは3名という事でした。

音楽はエルマー・バーンスタインで、特に大脱走のマーチがヒットしました。

2021年11月26日 (金)

11月26日 名曲100選 室内楽曲篇・12 ピアノ五重奏曲(シューマン)

シューマンはご存知のとおり、ある特定のジャンルの曲を突然集中的に手がけるという作曲家でした。
1840年は歌曲の年と言われ、2つの「リーダークライス」「女の愛と生涯」「詩人の恋」「ミルテの花」「ロマンスとバラード」第1集~第3集というシューマンの歌曲主要作品の殆どが作曲されています。
その翌年1841年は交響曲の年と言われ、第1番「春」、第4番と小交響曲とも言われる「序曲、スケルツォとフィナーレ」が作曲されています。ピアノ協奏曲もこの年でした。
1842年が室内楽の年と言われ3曲の弦楽四重奏曲、ピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲が作曲されました。
ちなみに生涯を通して作曲されたピアノ曲も、代表作と言われる曲「幻想小曲集」「交響的練習曲」「子供の情景」「クライスレリアーナ」「幻想曲」「アラベスク」などは1837年から1839年にかけて集中しています。

何故このように1837年から1842年にかけて集中的に作曲ジャンルが偏ったのかは様々な説がありますが、クララとの結婚が大きな要因の一つだったことは間違えないでしょう。クララの父親であり、ピアノの師であったフリードリヒ・ヴィークが二人の結婚に反対し様々な妨害や法廷闘争の末、裁判所によって結婚許可されたのが1840年で、それまでのヴィークとの確執に取られていたものが解き放たれた事で、様々な創作への意欲が爆発したのでしょう。

前置きが長くなりましたが、ピアノ五重奏曲はピアノと弦楽四重奏のための作品で、構成もオーソドックスな4楽章になっています。
第1楽章はソナタ形式で、第2楽章は緩徐楽章で行進曲風となっている事から葬送行進曲のような雰囲気の楽章です。
第3楽章はスケルツォですが、トリオは2つ。これは交響曲第1番でも採用した手法です。
第4楽章は自由なソナタ形式でコーダ部分では終楽章の主題と第1楽章の主題が2重フーガになっているところが見物です。

2021年11月25日 (木)

11月25日 名曲100選 海外のロック篇・12 アメリカの祈り

エルヴィス・プレスリーは1960年代末あたりから、ロックン・ロール以外にゴスペルやスタンダード音楽を取り入れるようになっていました。
特に1970年代のコンサートでハイライト曲として取り上げ、シングルレコードも発売したのが「アメリカの祈り(An American trilogy)」です。

アメリカの伝統曲3曲をフィーチャーした曲で、南部の歌「デキシー」、北部の歌「リパブリック讃歌」、黒人霊歌「私の試練」の3曲が使われています。
「デキシー」は南北戦争の時にアメリカ連合軍(南軍)の行進曲として使われた曲で、ミーチャムの作曲したアメリカン・パトロールにも一部が使われています。
「リパブリック讃歌」は同様に南北戦争の北軍の行進曲として使われた曲です。新約聖書のヨハネ黙示録から採った神の勝利を讃える表現が「Glory, glory, hallelujah!」というサビの部分に使われています。この曲、合衆国にとっては非常にありがたい曲ですが、日本では「おたまじゃくしは蛙の子」や「権兵衛さんの赤ちゃんが風邪ひいた」などの替え歌が知られていて、アメリカ人が聴いたらびっくりするんでしょうねぇ。
「私の試練」は、ゴスペル歌手などが多く取り上げる曲です。

最後はリパブリック讃歌のサビが高らかに歌い上げられます。

2021年11月24日 (水)

11月24日 名曲100選 歌劇のアリア篇・12 歌に生き、恋に生き

プッチーニの代表作のひとつ、歌劇「トスカ」はナポレオン時代のローマを舞台にした3幕の恋愛劇です。

画家カヴァラドッシは脱獄した政治犯アンジェロッティの逃亡を助けたため死刑を宣告されます。歌姫トスカは恋人であるカヴァラドッシを救おうと警視総監スカルピオが提示した「銃殺用の銃に空砲を入れてカヴァラドッシを助けるかわりにトスカに身体を許す」という条件を呑むふりをしてスカルピオを殺害します。翌日処刑は行われますが、スカルピオの交換条件は嘘でカヴァラドッシは息絶えてしまいます。スカルピオを殺した罪で逮捕されるところを逃れたトスカは城の屋上から身を投げます。

第2幕でトスカが歌うアリアが「歌に生き、恋に生き」です。実際は「私は歌に生き、神へのamoreに生きてきた」という内容ですので「歌に生き、愛に生き」というのが正しい訳のようです。
プッチーニのオペラ・アリアの中でも非常に美しい上に最もドラマチックなアリアになっています。

 

2021年11月23日 (火)

11月23日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・12 出逢い

1993年安全地帯の2度目の活動休止の後、2002年に9年ぶりに発売した安全地帯24枚目のシングル。
「火曜サスペンス劇場」の主題歌に使用されてヒットしました。
その後安全地帯は2回目の活動再開をしましたが、1年で3度目の活動休止。3回目の活動再開は2010年で、その後は各メンバーともソロ活動と並行しながら活動を継続しています。
「出逢い」というタイトルは、6人目の安全地帯メンバーとも言われていた作詞家の松井五郎と久々に共同作業をしたことから「出逢い」というタイトルにしたそうです。

内容は、別れた恋人への今の想いを歌った美しいバラード曲です。

 

2021年11月22日 (月)

11月22日 名曲100選 交響曲篇・12 交響曲第6番(ショスタコーヴィチ)

ショスタコーヴィチの交響曲第6番は有名な第5番の2年後に完成しています。
第5番と対をなすものとしてとらえられる場合もあるようですが、長大で勇壮な第5番と比べると演奏時間も半分程度の35分になっています。編成は3管編成で打楽器も第5番同様多くの楽器を使っていますが、第5番で使われていたピアノは使われず鍵盤楽器はチェレスタのみとなっています。

3楽章構成になっていて、4楽章の交響曲から第1楽章を取り除いたような構成になっています。
第1楽章は、ソナタ形式をとらず長大な緩徐楽章になっています。苦悩を描いた重たいものになっていますが、時には神秘的な雰囲気を持っています。
第2楽章は、喜びに満ちた明快な楽章。
第3楽章は、ロンド形式の快速でリズミックな楽章でロ短調からはじまり、最後はロ長調で華やかに終結します。

2021年11月21日 (日)

11月21日 名曲100選 管弦楽曲篇・11 天体の音楽

ヨーゼフ・シュトラウスの代表作のひとつ、ワルツ「天体の音楽」op.235は1868年に初演されました。
古代ギリシャの「天球の音楽」と呼ばれる思想が当時流行しており、ウィーン大学医学生による「医学舞踏会」では、この流行の「天球の音楽」を舞踏会のテーマにする事に決定し、ヨーゼフに作品を求めたというのが、この曲の誕生した理由です。


1931年に公開された映画「会議は踊る」では「わが人生は愛と喜び」と共にテーマ音楽として使われ、広く知られるようになりました。


この曲は、5つのワルツから構成される典型的なウィナ・ワルツ形式の曲になっています。
幻想的な星空を思わせる前奏から始まります。第1ワルツのメロディを断片的に使いながら進んでいきます。
非常に優美な宇宙を表現するような美しいメロディの第1ワルツから始まります。第2ワルツはウィンナ・ワルツっぽい音程の動きが大きいワルツ。第3ワルツは動きのあるメロディ。第4ワルツは美しい旋律ながら第1ワルツとは異なる元気のよいワルツです。第5ワルツはトランペットのファンファーレの後壮麗なワルツになっています。
最後は第1ワルツが戻ってきて華麗に幕を閉じます。


2021年11月20日 (土)

11月20日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・11 サンライズ・サンセット

アレイヘムの小説「牛乳屋テヴィエ」を原作としたミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」は1971年に映画化されました。
内容は、帝政ロシアにおいてユダヤ人の迫害が次第にエスカレートする中で、次第に崩れていくユダヤの伝統を守ろうとしながら家族も守らなければならない貧しい牛乳屋のデヴィエの葛藤を描いたもの。
非常に重たいテーマを時には軽妙に描いたミュージカル作品です。

デヴィエには5人の娘がいます。ユダヤの伝統では婚姻は仲人によってもたらされた相手と結婚します。長女ツァイテルには気の弱い仕立て屋のモーテルという恋人がいますが、仲人のイェンティが持って来た結婚相手はラザール・ウォルフという金持ちで結婚暦のある肉屋。デヴィエはラザールとは仲が悪かったが、金持ちということで承諾しますがツァイテルはモーテルとの結婚を強く望みます。テヴィエは娘の幸せを想い、「伝統」を破って結婚を赦すことになります。その結婚式で歌われた曲が「サンライズ・サンセット」です。
歌詞の内容は、「自分が抱っこしていた女の子、遊びまわっていた男の子、いつの間に成長したのか思い出せない。いつ彼女はこんなに綺麗になったのか、いつ彼はこんなに背が高くなったのか。昨日は二人とも小さかったのに。」「日は昇り、日は沈む。月日は流れ、蕾は大きなひまわりとなって咲く。日は昇り、日は沈む。月日は流れ、季節ごとに人は成長していく」
という内容です。夕暮れの幻想的な中で歌われる非常に印象的な曲です。

結局デヴィエがこのささいな伝統を破った事が引き金になり、次女・三女とも自分の道を歩くことになります。
この時代遅れだがユダヤ人のアイデンティティとして重要な「伝統を守って生きていく事」が屋根の上でヴァイオリンを弾くようにバランスを取りながら何とか音を奏でるという意味がこのミュージカルのタイトルのわけです。

2021年11月19日 (金)

11月19日 名曲100選 室内楽曲篇・11 ヴァイオリン・ソナタ(フランク)

フランス系のヴァイオリン・ソナタの最高傑作とも言われる、フランク作曲のヴァイオリン・ソナタイ長調は1886年に作曲されました。

4つの楽章からなる曲で、フランク得意の循環形式が用いられた曲になっています。

第1楽章は、属九の和音からはじまる序奏が冒頭に置かれています。この和音によって不安な始まりになっていて第1主題もうねるようなメロディになっているため落ち着くまでに時間を要する印象的な構成になっています。第2主題は延々とピアノ独奏が続きます。
第2楽章もソナタ形式の軽快なテンポの楽章。ピアノ独奏の後のヴァイオリンによる主題は明らかに第1楽章の主題を用いています。
第3楽章は緩徐楽章。「幻想的な叙唱」と題された自由な形式の楽章で、第1楽章の序奏の動機からの派生が見られます。
第4楽章は一転して輝かしい明るい楽章になっています。ピアノとヴァイオリンがカノン風に主題を競い合います。
Photo_20211112094201この曲は、ヴァイオリンソナタという曲名がふさわしくない程、ピアノがヴァイオリンと対等に扱われています。実質的にはピアノとヴァイオリンのデュエットと考えるのが正解でしょう。

 

2021年11月18日 (木)

11月18日 名曲100選 海外のロック篇・11 美しき人生

ビートルズのジョージ・ハリソンが1970年に発売した初のスタジオ・レコーディング・アルバム「オール・シングス・マスト・パス」からの「マイ・スイート・ロード」に続く2枚目のシングルが「美しき人生」です。
「オール・シング・マスト・パス」はLPレコード3枚組にもかかわらず全米で7週連続1位となるなど大ヒットを記録したアルバムでした。
その中からのシングルカットになる「美しき人生」はイギリスでは「マイ・スイート・ロード」のB面だったためシングル化されなかったものの、全米では10位になるなど世界的にヒット。1972年にはオリビア・ニュートン=ジョンがカバーして全英チャートで16位になっています。

ジョージは、ビートルズ最年少という事もあり、ビートルズ時代はポール・マッカートニーとジョン・レノンの陰に隠れてしまいビートルズのアルバムの中では1~2曲程度しか自作曲を採用されませんでしたが、ソロ活動が始まってからはメロディ・メーカーとしての実力を遺憾なく発揮しました。この曲も冒頭からファズを利かせたギターが大活躍しています。レコーディングにはエリック・クラプトン、ピート・ハムなど錚々たるメンバーが加わっています。

 

2021年11月17日 (水)

11月17日 名曲100選 歌劇のアリア篇・11 もう道化師じゃない!

マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」と並ぶヴェリズモ・オペラの最高傑作「道化師」はレオンカヴァッロによって1892年に作曲されました。

旅回りの一座を舞台に、一座の座長であり道化師役のカニオが劇中劇と現実の区別が付かなくなって、女優であり妻であるネッダと浮気相手の村の青年シルヴィオを舞台で殺してしまうという悲劇です。

第2幕終盤で、錯乱したカニオが、ネッダに「情夫の名を言え、もう俺は道化師じゃない」と歌うテノールのアリアです。

 

2021年11月16日 (火)

11月16日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・11 遠くで汽笛を聞きながら 

1971年に谷村新司、堀内孝雄、矢沢透の3人で結成されたアリスは1972年にデビューしましたが、あまり売れず、暫くは地方のライブ活動を中心に活動していました。1975年の「今はもうだれも」から徐々に売れ始め、1977年には「冬の稲妻」が大ヒットしてブレイクしました。

「遠くで汽笛を聞きながら」は1976年に発売された9枚目のシングル。まだブレイク前でオリコンの最高順位は51位でしたが、アリスにとっては大切な曲と谷村新司も公言している曲で、谷村も堀内もそれぞれソロで歌い続けている曲です。

 

2021年11月15日 (月)

11月15日 名曲100選 交響曲篇・11 交響曲第7番(ドヴォルザーク)

ドヴォルザークは9曲の交響曲を遺しましたが、今日よく演奏されるのは第7番以降です。第8番と第9番は大きな交響曲の中でも比較的演奏がしやすい曲ですが、この第7番はブラームスの交響曲の中でも最も難しいと言われている第3番の影響を受けているせいもあって、少々演奏が難しい曲になっています。
この曲、3回の本番経験がありますが、演奏するたびに難しさを感じるようになったという珍しい曲です(あくまでも個人の感想ですが)

第1楽章は、ティンパニとコントラバスのD音のトレモロとホルンの超低域のD音の持続音に乗ってヴィオラとヴァイオリンで暗い感じの第1主題の提示ではじまります。
711 第2主題はフルートとクラリネットが提示するやや明るいメロディですが、この楽章では第2主題が先にクライマックスを形成し、最後に第1主題がクライマックスを作って、最後はホルンによって静かに第1主題が奏でられた後、一部が切り取られブレーキをかけながら終わります。
第2楽章は、導入部が主題を暗示しながら始まり、オーボエとフルートの主題へと導かれる美しい楽章です。
72 中間部は、ホルンの牧歌的な旋律です。
第3楽章は4分の6拍子のスケルツォ。チェコの民俗舞曲フリアントの独特のリズムが出てきます。
第4楽章はいきなりクラリネットとファゴットによる暗い第1主題からはじまります。
 第2主題はチェロによって導かれる明るく短い主題です。
74これがやがて全奏で演奏されるのですが、これが実に爽やかで、好きなところです。
最後は第1主題が壮大に演奏されて終わります。

2021年11月14日 (日)

11月14日 名曲100選 管弦楽曲篇・10 ローマの謝肉祭

「ローマの謝肉祭」op.9は、ベルリオーズが1844年に作曲した演奏会用の序曲です。
一部を自作のオペラ「ベンヴェヌート・チェッリーニ」のアリアと「ローマの謝肉祭」の主題から引用したため、作品全体も「ローマの謝肉祭」というタイトルとしたそうです。

序奏は「ローマの謝肉祭」のメロディで、主題部はコール・アングレで演奏されるアリアから始まります。

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その後序奏で断片的に演奏された「ローマの謝肉祭」の主題が帰ってきます。
2_20211107163901この2つの主題を中心に展開されクライマックスを迎えるという、構造的にはシンプルな曲です。




2021年11月13日 (土)

11月13日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・10 遥かなる山の呼び声

シェーンは、アメリカにおける西部劇の金字塔的な作品。ジャック・シェーファーの原作を映画化したもので、アラン・ラッド主演、監督は「ジャイアンツ」などのジョージ・スティーヴンス、音楽はヴィクター・ヤングが担当しました。

南北戦争後のワイオミング州の片田舎を舞台にし、牧畜業者ライカー一家と開拓者たちの対立を描いた作品。流れ者のシェーンは開拓者ジョーの家にたどり着き夕食をご馳走になる。そのお礼に開拓作業を手伝う事になったシェーンはジョーの息子ジョーイと親しくなる。やがてライカー一家との争いに巻き込まれ、ライカー一家の雇った殺し屋ウィルソンと戦う事になる。
シェーンは0.5秒の早撃ちでウィルソンを撃ち殺し「人を殺してしまえば元には戻れない」という言葉を残してジョーイの元を去っていく。
この別れのシーンでジョーイがシェーンに向かって叫ぶのが「シェーン、カムバック」という映画史上最も有名なエンディング・シーンのひとつというわけ。

主題曲が「遥かなる山の呼び声」(The call of Far-away Hills)です。

 

2021年11月12日 (金)

11月12日 名曲100選 室内楽曲篇・10 弦楽四重奏曲67番「ひばり」

番号付きだけで104曲の交響曲を作曲したハイドンは、室内楽の分野でも多くの作品を遺しました。弦楽四重奏曲は68曲以上、ピアノ三重奏曲は41曲以上、あまり知られていませんがバリトン三重奏曲は126曲も作曲しています。

弦楽四重奏曲第67番ニ長調op.64-5,Hob.Ⅲ:63は1790年にエステルハージ侯爵家の宮廷楽団のヴァイオリニスト ヨハン・トストからの依頼で作曲された曲です。

第1楽章の第1主題の旋律がひばりの鳴き声を連想させるため「ひばり」という愛称で親しまれている非常に明るい曲です。
第1楽章は1st violin以外の楽器で簡単な前奏が演奏されますが、この簡単な前奏だけでも曲になっているのが素晴らしいです。
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続いて、この前奏に乗って1st violinで「ひばりの声」が演奏されます。
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第2楽章は、1st violinのソリスティックな緩徐楽章です。
第3楽章はメヌエット。この頃のメヌエットは主部とトリオの雰囲気が同じの場合が多いのですが、この曲も長調と短調の違いはあっても変化は乏しいかな。
第4楽章は高速のVivace楽章。ヴァイオリンがけたたましく細かい音を引き続ける曲です。
この弦楽四重奏曲はヴァイオリニストからの依頼だった事も影響してか、弦楽四重奏によるヴァイオリン協奏曲風の曲になっています。

2021年11月11日 (木)

11月11日 名曲100選 海外のロック篇・10 対自核

イギリスのハードロック草創期から活動したハード・ロック・バンド ユーライア・ヒープの最大のヒット曲が「対自核 Look at yourself」です。

ユーライア・ヒープはチャールズ・ディケンズの小説「デヴィッド・コパーフィールド」に登場する悪人の名前から取ったバンド名です。
「対自核」は1971年に発売された同名のアルバムのタイトル曲で、アルバムは日本でもオリコンアルバムチャートで最高位5位を記録する大ヒットとなりました。


ユーライア・ヒープはコーラスを特徴とするロックバンドで、「対自核」はこれぞハードロックというサウンドを聴かせてくれる曲です。

 

2021年11月10日 (水)

11月10日 名曲100選 歌劇のアリア篇・10 人知れぬ涙

ロッシーニ、ベッリーニと共に19世紀前半のイタリアを代表するオペラ作曲家ドニゼッティの代表作のひとつが「愛の妙薬」です。
スペイン バスク地方の小さな村。純粋で少々間の抜けた貧しい農夫ネモリーナは、美人で頭もよいけれど高慢ちきな富農の娘アディーナに愛の告白をしますが、アディーナはすげなくあしらいます。ネモリーナはインチキ薬売りから愛の秘薬を高額で買い、早速試飲。気が大きくなるもののアディーナが軍人と結婚するという話が持ち上がり大慌て。さらに秘薬を購入しようとするが金が無く、軍人の部隊へ一兵卒として入隊するかわりにお金を前借し秘薬を購入。
ところが、ネモリーノは伯父が亡くなって巨額の遺産を相続する事になり、村の娘たちに急にもてるようになりますが、ネモリーノはこれが秘薬の効果と大喜び。アディーナも娘たちに囲まれるネモリーノを見て焦る。されにネモリーノが秘薬を手に入れるために命を顧みず軍隊に入った事を知ったアディーナは涙を流します。その涙を見てネモリーノが自分がアディーナに愛されている事を知って歌うのが「人知れぬ涙」です。
この後、二人はめでたく結ばれ、インチキ秘薬を売りつけた薬屋も賞賛されつつ幕が下りるという楽しい話です。

 

2021年11月 9日 (火)

11月9日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・10 ダスティン・ホフマンになれなかったよ

1972年に大塚たけしの名前でデビューしましたが鳴かず飛ばずで、1976年本名の大塚博堂(おおつかはくどう、本名はおおつかひろたか と読みます)で再デビューした1曲目が「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」でした。この時すでに32歳でした。

「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」は、藤公之介の詩集に自分自身がメロディをつけた曲で、歌詞の中にはダスティン・ホフマンが主演の映画のストーリーを自身に置き換えた内容になっています。
1コーラス目は、ダスティン・ホフマンとミア・ファローが共演した「ジョンとメリー」。ニューヨークを舞台に、ジョンとメリーという2人の若い男女の行きずりの恋を描いた作品。映画では、1日の関係が終わって去っていったメリーをジョンはあてもなく探したが見つからず、疲れ果てて帰ってきた部屋にはメリーが戻ってきていたというストーリーですが、歌では、恋人とは別々の道を歩み、恋人にはすでに2人も子供がいるという設定になっています。
2コーラス目は、ダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスが共演した「卒業」。映画では、互いに惹かれ逢うベンジャミンとエレーンだが、ベンジャミンはエレーンの母親の誘惑に負けて情事を繰り返し、エレーンと無理矢理引き離されてしまいます。エレーンは別の男性と結婚する事になりますが、ベンジャミンは結婚式を行っている教会まで行ってエレーンを略奪するというお話。曲の中では、恋人の結婚式を遠くからながめているだけだったというストーリー。
僕はダスティン・ホフマンにはなれなかったという歌です。

大塚博堂は「めぐり逢い紡いで」などをヒットさせ活発に活動していましたが1981年に脳内出血で37歳の若さで急逝。わずか5年間の活躍でした。

この曲には藤公之介とたちはらるいのコンビでアンサーソングが作られ、たちはらるいが歌っています。タイトルは「ダスティン・ホフマンになれたじゃないか」。バスのシートに座ったまま息を引き取ったラッツォをダスティン・ホフマンが演じた「真夜中のカウボーイ」が歌われています。

 

2021年11月 8日 (月)

11月8日 名曲100選 交響曲篇・10 交響曲第4番「ロマンチック」

19世紀後半の交響曲の巨匠と言われるブルックナーとマーラーの作風には大きな違いがあります。マーラーは標題をつけた作品も多く、声楽入りや自身の声楽曲との密接な関連がある曲が多いのですが、ブルックナーは標題らしきものがついた曲は2曲(しかも本人が付けたものかどうか不明)で絶対音楽を作風としている点が大きな違いです。

そんなブルックナーの交響曲の中で唯一本人が付けたかもしれない標題を持つのが第4番「ロマンチック」です。
編成は2管で、構成も従来の交響曲同様の4楽章構成になっています。

第1楽章は、ブルックナーが得意とする弦のトレモロ(原始霧)に乗っかってホルンのソロで奏でられる主題から始まります。
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この主題の後半には、これまたブルックナーが得意とする 2+3連符のリズムによるメロディが続きます。
413非常に雄大で豪快な楽章になっています。
第2楽章はロンド形式の緩徐楽章。第1楽章とはうって変わった陰鬱な楽章になっています。
第3楽章はスケルツォ。ここでも2+3連符のリズムでメロディが刻まれます。
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第4楽章は規模の大きい長大な楽章です。ここでもブルックナー・リズムが大活躍。序奏は版によってだいぶ異なっています。
最後は次第に音程を上げながらクライマックスを形成していきます。コーダは第1楽章の冒頭主題が戻ってきますが、これは第1稿の方がわかりやすいかな。

 

 

2021年11月 7日 (日)

11月7日 名曲100選 管弦楽曲篇・9 エグモント序曲

「エグモント」はゲーテの戯曲のための劇付随音楽ですが、現在は序曲のみが演奏される事が多いです。
エグモントはフランドルの軍人でオランダ独立戦争初期の英雄で圧政に対し叛旗を翻し処刑された人物です。ゲーテの戯曲の題材はこの英雄的行為です。

「エグモント序曲」は、弦楽器の重厚な全奏から木管の掛け合いによるメロディの繰り返しから派生して、次第にテンポを早め主部に入ります。
主部は短調による下降音階を主題にして展開されます。ソナタ形式で書かれていて、コーダは長調に変わって激しく終わります。

ベートーヴェンの残した序曲は、歌劇「フィデリオ」に関連した4曲の序曲(レオノーレ第1~第3、フィデリオ)の他にバレエの序曲(プロメテウスの創造物)、それに演奏会用序曲(コリオラン、命名祝日、献堂式)と、この「エグモント」「シュテファン王」と「アテネの廃墟」3作の劇音楽の序曲がありますが、その中でも最も劇的な曲だと思います。

 

2021年11月 6日 (土)

11月6日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・9 勝利への讃歌(死刑台のメロディ)

「死刑台のメロディ」は1971年に公開されたイタリア・フランス合作映画。アメリカ合衆国のマサチューセッツ州で実際にあった冤罪事件サッコ・ヴァンゼッティ事件を正面から描いたドラマでした。

マサチューセッツ州の製靴工場が5人組のギャングに襲撃され2名が射殺され16,000ドルが強奪されたという1920年4月15日に起きた強盗事件で逮捕され、死刑を受けたニコラ・サッコとバルトロメオ・ヴァンゼッティの実話を映画化したものです。サッコ、ヴァンゼッティの2人はイタリア移民でアナーキストであり第一次大戦の徴兵も拒否しているという事で、さしたる証拠もなく逮捕され裁判で死刑判決を受けました。ギャングは5人だったにも拘わらず残りの3人は特定されないなど杜撰な思い込みによる捜査と裁判に対し、ボストンを初めニューヨークなどアメリカ各地で抗議の暴動が起こり、ヨーロッパなどにも飛び火し、弁護士からの再審請求、国際的な助命嘆願がありましたが、アメリカの司法はこれを無視し1927年死刑が執行されました。

この裁判については1977年に当時のマサチューセッツ州知事によってこの事件は誤認逮捕の冤罪事件と確定されています。

音楽はエンニオ・モリコーネ。主題歌はジョーン・バエズが歌った「勝利への讃歌(原題 Here's to You)」でした。
短い歌詞を何回も繰り返す曲になっていて、最初はピアノとオルガンからはじまり次第に高まっていくという構成になっています。

 

2021年11月 5日 (金)

11月5日 名曲100選 室内楽曲篇・9 弦楽四重奏曲第2番(ボロディン)

ボロディンはロシア五人組の作曲家のひとりとして19世紀半ばに活躍した作曲家でした。
化学者や医師としても活躍し、ボロディン反応に名を残すなど有機化学の分野でも校正に名を残しています。

そういう事で、非常に多忙だったボロディンは完成した作品は決して多くありません。
そんな中で、完成させることができた数少ない作品のひとつに弦楽四重奏曲第2番ニ長調があります。

4つの楽章からなる、ごく普通の構成による作品ですが、19世紀のロシアにおける室内楽の中では代表的なものです。
第1楽章は、チェロから1stヴァイオリンへ受け渡される魅力的なメロディの第1楽章から始まります。
第2楽章のスケルツォは下降音階を主としたメロディになっています。
第3楽章はノットゥルノ(夜想曲)で、この楽章だけ様々な編曲で演奏されるほど有名な曲です。

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第4楽章はヴァイオリンとヴィオラ・チェロの掛け合いの序奏から始まる曲になっています。

2021年11月 4日 (木)

11月4日 名曲100選 海外のロック篇・9 はるかなる想い

イギリスのロック・シンガー レオ・セイヤーは1973年にデビュー。デビュー・シングルのショウ・マスト・ゴー・オンが大ヒットしました。
「はるかなる想い(原題 When I Need You」は1977年にリリースされた曲。アルバート・ハモンドが作曲しているバラード調の曲です。
ロッド・スチュワートやセリーヌ・ディオンなどもカバーしています。

この年はレオ・セイヤーのピークとなった年で、「恋の魔法使い」も大ヒットしています。

 

2021年11月 3日 (水)

11月3日 名曲100選 歌劇のアリア篇・9 ふるさとのしらべよ

ヨハン・シュトラウス2世はワルツ王と呼ばれるほど膨大なワルツ、ポルカなどを作曲しましたが、もうひとつ歴史的功績を残した分野にオペレッタがあります。

シュトラウスは1844年18歳で作曲・および楽団の指揮者としてデビューし、売れっ子の舞踏音楽の音楽家として宮廷からも産業界からも引く手あまたであり他のジャンルの作曲をする暇もなかったのだと思います。
1870年に母のアンナと弟のヨーゼフが亡くなってしまったシュトラウスは死に対して異常なまでの恐怖心をいだき精神的に参ってしまい作曲意欲を失ってしまいました。そんなシュトラウスに対して周囲の人々がオペレッタの作曲を勧め、40代半ば宮廷舞踏会の音楽監督の地位を弟のエドゥアルトに譲って、オペレッタの分野での創作を初め最初のオペレッタ「インディゴと40人の盗賊」を1871年に完成し成功を収めました。
その後シュトラウスは舞踏音楽に並行して多くのオペレッタを残しました。

その中で最も知られるのが「こうもり」と「ジプシー男爵」です。
「こうもり」は1874年作曲のオペレッタ。ファルケ博士が3年前に仮面舞踏会の際に酔いつぶれて、友人のアイゼンシュタインに帰途置き去りにされ「こうもり」の扮装のまま帰宅したため、近所の子供たちから「こうもり博士」と言われるようになった事に対する、アイゼンシュタインへの愉快な復讐を軸にした喜劇。
アイゼンシュタインの妻ロザリンデが第2幕、夫が自分に黙って仮面舞踏会に行った腹いせで夫をとっちめようとして、自分も秘密で舞踏会へ行き、それとは知らずアイゼンシュタインが妻ロザリンデを口説きにかかった際、正体を聞かれたロザリンデが「私はハンガリー人」と言って歌うのがチャルダッシュ「ふるさとのしらべよ」です。

本来の粘っこい前半+快速な後半というチャルダッシュとはちょっと違うものですが、後半は快速なテンポになります。

 

2021年11月 2日 (火)

11月2日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・9 風は旅人

「風は旅人」は、1974年にめざす音楽の違いで解散したフォーク・グループ 赤い鳥の14枚目(最後のひとつ前)のシングルで、1973年のNHKの朝の連続テレビ小説「北の家族」のテーマ曲。

「北の家族」は高橋洋子と清水章吾演じる兄妹の成長と、下元勉、左幸子演じる両親を交えた家族のあり方などを描いた作品でした。作詞は脚本を書いた楠田芳子、作曲は三枝成章。

音楽的には、解散後の「ハイファイセット」が進んだポップス路線の曲。前紹介したチューインガムの「風と落葉と旅人と」同様、風を旅する人にたとえた歌詞です。風=旅人というイメージは、他にも はしだのりひことシューベルツの「風」などでも歌われています。

朝のテレビ小説のテーマ曲やイメージソングの中でも、私の好みでは5本の指に入る曲です。

2021年11月 1日 (月)

11月1日 名曲100選 交響曲篇・9 交響曲第5番(シューベルト)

シューベルトは現在の研究では14曲もの交響曲を手がけたという事になっています。完成したのは7曲だけ(未完成交響曲は未完成として)で、しかも公開の初演は全て死後。

第5番の交響曲は1816年10月3日に完成されました。楽器編成は非常に小さくフルートは1本だけ、クラリネット、トランペット、ティンパニも登場しないという、おそらく私的な演奏会のために、そのオーケストラの編成に合わせて書かれたものではないかと推察されます。
曲自体は、ロマン派の香りがする古典派音楽という感じですかね。

第1楽章は、4楽章という短い序奏のあと明るく軽快な主題が出てきます。
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第2主題も明るく可愛らしいメロディです。
513展開部はシンプルなものでコーダは力強さを増して終結しています。
第2楽章はロンド形式。第1主題は明るく美しいメロディ。第2主題になって、この曲ではじめて短調の厳しめのメロディが現れます。
第3楽章はスケルツォ風メヌエット。ト短調の主部で、トリオはト長調の流れるようなメロディになっています。
第4楽章はそれまでの楽章と打って変わった、威勢のよい第1主題と、明るい第2主題からなるソナタ形式の楽章になっています。



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