10月4日 名曲100選 交響曲篇・5 交響曲第1番(マーラー)
マーラーの交響曲は、編成が巨大、特殊な楽器が登場、合唱団やソリストが必要、演奏が非常に難しい等の理由でアマチュア・オーケストラがプログラムに載せるには、かなり敷居が高いです。
①編成が巨大 全ての曲が4管編成
②合唱団やソリスト 第1番、第5番~第7番の4曲のみ声楽なし
③特殊楽器 打楽器、鍵盤楽器以外で特殊なのは7番、8番のマンドリン
そんな中ですが、一番金銭的な負担が少ないのが第1番ニ短調「巨人」です。それでもバンダがあるためホルンは7本トランペットは5本必要、ティンパニは2組、シンバル付きのバスドラム、ハープという楽器が必要で簡単には演奏できません。
第1番は元々交響詩として作曲された2部構成の曲でした。第1部が3つの楽章、第2部が2つの楽章でした。初演は成功しなかったため改訂をして第2稿は5楽章の交響曲様式による音詩「巨人」となりました。その後「花の章」を削除して4楽章の交響曲とした第3稿が決定稿となり現在も演奏されます。
4管編成ですが、ホルンは7本、ティンパニ2組、第1楽章にはバンダもあります。
第1楽章は弦楽器のフレジオレットの持続音の上に動機が現れ自然を象徴する鳥の鳴き声を模したメロディなどで牧歌的な雰囲気の長い序奏があります。第1主題は歌曲「さすらう若者の歌」の第2曲「朝の野原を歩けば」に基づくものですが、意外にあっさりとした楽章でトランペットのファンファーレでクライマックスを迎え短い再現部でコーダに突入します。
第2楽章はスケルツォ。中間部にレントラー風の優雅な旋律を持ってきています。
第3楽章は複合三部形式の緩徐楽章。コントラバスが童謡「フレール・ジャック」を短調にしたメロディを奏しカノンのように各楽器に受け渡されて行きます。中間部に「さすらう若者の歌」の第4曲「彼女の青い眼が」からの旋律が登場します。
第4楽章は、シンバルの強烈な一撃で開始される激しい楽章です。この楽章だけで20分程度を要します。第2主題は打って変わってヴァイオリンによる非常に美しく息の長い旋律が出てきます。再現部からそのままコーダに流れ込みホルンの大合奏を経て高らかな勝利を歌って終わります。
今でも時々「花の章つき」で演奏される事がありますが、はっきり言って「花の章」はトランペットの独奏が殆どの部分を占めており、わざわざ聴く価値があるとは思えません。
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