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2021年10月31日 (日)

10月31日 名曲100選 管弦楽曲篇・8 ペトルーシュカ

ストラヴィンスキーの三大バレエ音楽「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」の中から、2番目に作曲された「ペトルーシュカ」を取り上げます。
ストラヴィンスキーのバレエ音楽はそれぞれ複数の版が存在していて、楽器編成も曲も異なっているため、曲全体の話をすると、それぞれで話をしないとならないので、ピックアップしながら書いて行く事にします。

「ペトルーシュカ」と「春の祭典」には組曲版がないため、「火の鳥」に比べると版の数はぐっと少なくなっています。ペトルーシュカは2つの版があります。初演時の1911年版は4管編成の巨大な編成になっていますが意外に派手さがなく地味な印象を与えます。1947年の改訂版は3管編成ですが華やかな印象があるので、近年はこの版で演奏される事が多いようです。
ペトルーシュカは、命を吹き込まれて恋をするわら人形の物語で、ロシア版のピノキオと言える話です。
ペトルーシュカの中で最も有名な曲が、ロシアの踊り。管楽器やピアノの全奏によって激しく演奏される曲。のだめカンタービレでは、のだめが課題曲の「ペトルーシュカからの三楽章」を演奏する際に混乱して、NHKの「今日の料理」の音楽に飛んでいってしまう曲です。
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2021年10月30日 (土)

10月30日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・8 007は二度死ぬ

1962年(日本では1963年)から公開が始まったイーオン・プロダクションズ製作の007シリーズは2021年秋公開の「ノー・タイム・トゥ・ダイ」まで25作が製作されています。

第1作の「ドクター・ノオ」のオープニングで使われた「ジェームズ・ボンドのテーマ」はその後もそれぞれの映画の主題歌と併用して使われる、ジェームズ・ボンドを代表するインストゥルメンタルですが、第2作以降はシャーリー・バッシー、トム・ジョーンズ、ポール・マッカートニーなど様々な歌手によって主題歌が歌われています。

第5作の「007は二度死ぬ」は、メインの舞台が日本であり、若林映子と浜三枝がボンド・ガールに採用された作品です。
主題歌はナンシー・シナトラの「007は二度死ぬ」(You only live twice)。ナンシー・シナトラはフランク・シナトラの娘で1960年代前半はアイドル歌手として人気を博していましたが、この曲はアイドル歌手をすっかり脱皮して実力派歌手としての実力を発揮しています。

 

2021年10月29日 (金)

10月29日 名曲100選 室内楽曲篇・8 弦楽四重奏曲第8番(ショスタコーヴィチ)

ショスタコーヴィチは交響曲と同数の15曲の弦楽四重奏曲を作曲しています。その中でも代表作といえるのが、第8番ハ短調op.110です。5つの楽章が切れ目なく演奏されるような構成になっています。

この曲はDSCH音型というショスタコーヴィチ自身を象徴した(ドイツ語表記Dmitri Schostakowitschの頭文字D-SCH=D-S(Es)-C-H=レ・ミ♭・ド・シ)音型を使用した曲です。DSCH音型は他にヴァイオリン協奏曲第1番、交響曲第10番、チェロ協奏曲第1番、ピアノソナタ第2番など多くの作品に使われています。

また、1番、8番、10番の交響曲など自身の作品からの引用も見られ、ワーグナーのジークフリートの葬送行進曲、チャイコフスキーの悲愴など他の作曲家の作品も引用されています。

全体的には陰鬱な響きの曲ですが、ところどころに登場する強迫観念のような強奏の和音、第4楽章後半の美しい旋律など聴き所が多い曲で、約20分に凝縮されているのも成功の一因かもしれませんね。

 

2021年10月28日 (木)

10月28日 名曲100選 海外のロック篇・8 マイ・ラヴ

1971年、ビートルズの解散が法的にも認められ、4人は完全に別々の道を歩み始めました。
その後はそれぞれが自分の音楽活動を進んでいくことになりました。ポール・マッカートニーは1971年にはウィングスを結成し純粋なロック・ミュージックの道を進み、ウィングスは解散しましたが、活動は続けています。ジョン・レノンはオノ・ヨーコと共に反戦活動など政治的活動を行うと共に美しいメロディラインによって自由や愛を謳歌しましたが1980年にマーク・チャップマンによって銃殺されました。ジョージ・ハリソンはインド音楽に傾倒しバングラディッシュ・コンサートなどを催しましたが次第に音楽から遠ざかり2001年に肺癌で死去しました。リンゴ・スターは60年代のオールディズやロックン・ロールを中心に音楽活動をすると共に映画俳優としても活動しています。

「マイ・ラブ」はポール・マッカートニー&ウィングスとしての4枚目のシングルで、1973年に発売され初の全米ナンバーワンヒット曲となった曲です。アルバム「レッド・ローズ・スピードウェイ」の先行シングルとして発売された曲で、妻リンダへのラヴソングとして作られたバラードです。オーケストラを含めたアコースティックな伴奏と間奏の情感豊かなエレキギターのソロが美しい曲です。

2021年10月27日 (水)

10月27日 名曲100選 歌劇のアリア篇・8  ホフマンの舟歌

「ホフマン物語」はオッフェンバックが作曲した4幕のオペラ。ドイツ・ロマン派の詩人E.T.A.ホフマンの小説から3つの物語を用いて脚色した戯曲に基づくもので、1881年2月10日にパリのオペラ・コミック座で初演されました。

E.T.A.ホフマンは自動人形やドッペルゲンガーなどのモチーフを使って現実と幻想が入り混じる独特の文学を作り出した作家で、数人の作曲家が彼の作品を取り上げています。
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」、ドリーブの「コッペリア」、ヒンデミットの「カルディヤック」とこの「ホフマン物語」です。

オッフェンバックはオペレッタを得意とした作曲家でしたが、「ホフマン物語」はオペラになります。ここで登場する自動人形オランピアはドリーブが「コッペリア」としてバレエ化したものの同じ原作になります。

「ホフマン物語」は実際は未完に終わった曲です。オッフェンバックは1880年に死去してしまい、その後ビゼーの「アルルの女」第2組曲の編曲で知られるギローによって完成され、この版で初演されました。しかし1887年にオペラ=コミック座が火災で初演時の楽譜が焼失。それ以降多くの人の手による楽譜で上演されてきました。今でも新しい手書き譜が発見されたりして版が改訂されています。最新版は2006年にマイケル・ケイとジャン=クリストフ・ケックによって作成されたものです。

このオペラの第4幕第1場ヴェネツィアの歓楽街の館で高級娼婦ジュリエッタとニクラウスが夢見る恋を歌うのが「舟歌」です。
いかにも舟歌という感じの曲で、舟歌のリズムと
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メロディのリズムがぴったりと合った名曲です。
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2021年10月26日 (火)

10月26日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・8 フラミンゴ

「フラミンゴ」は1982年4月に発売された大阪出身の石川優子の10枚目のシングル。アルバム「フルセイル」からのシングルカットです。「フルセイル」は6枚目のアルバムでシングル化されたのはこの1曲だけです。

前半はおさえた歌唱による短調のメロディで、後半のサビの部分は一転して長調になります。こういう傾向の曲は8枚目の「恋のトラブルメーカー」までは無かった構成で、9枚目の「真夜中のラブコール」(こちらの方は前半は調性がはっきりしませんが)もこの傾向があります。
石川優子はシンガー・ソングライターですが、シングル化された曲は他の作詞家・作曲家の手によるものが多かったです。これまで10曲のシングルで他人による作詞は6曲、作曲は7曲です。

「フラミンゴ」は作詞麻木かおる、作曲岡本一生です。

 

2021年10月25日 (月)

10月25日 名曲100選 交響曲篇・8 交響曲第100番「軍隊」

交響曲の父と呼ばれるハイドンは番号付きの交響曲だけで104曲作曲していますが、演奏会で取り上げられる事はそれ程多くは無いですね。
特にアマチュアオーケストラが取り上げることは滅多にありません。その理由は
①編成の問題 アマチュアオーケストラは管楽器奏者が多くて弦楽器奏者は足りないという所が多くて、できるだけ管楽器をたくさんステージに乗せてあげたい。ハイドンの交響曲は、クラリネットが完成されて間もなかったためクラリネットが無い事が多い、フルートやトランペットも使っていない曲がある。フルの2管編成の曲は99~101番と103番、104番だけ。
②その割りに技術的に簡単ではなくてサブの曲として扱うにはハードルが決して低くない。
③金管が少ない、勿論トロンボーンとチューバは無いので華やかさに欠ける
等々。

100番は第2楽章と終楽章にトルコ軍楽の打楽器、トライアングル、シンバル、バスドラムが使われているために付けられた愛称です。
第1楽章はアダージョの前奏の後軽快な主題が出てきます。
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この楽章は最後まで軽快なまんま、ちょっと単調に感じられるかも。
第2楽章は通常の交響曲では緩徐楽章なのですが、この曲はAllegrettoの表示で2分の2拍子の行進曲風の音楽になっています。
21_20211018225701その後はティンパニ、トライアングル、シンバル、大太鼓が大活躍します。古典派の交響曲でこのように複数の打楽器が活躍する曲は非常に珍しいです。
第3楽章はメヌエット。メヌエットといってもとても力強い曲で、トリオ部分も跳ねるようなリズムのメロディなので、全体的に元気な楽章になっています。
第4楽章は8分の6拍子の速度指定がPrestoという超速の曲。
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最後には再びトライアングル、シンバル、大太鼓が登場して賑やかに終わります。

このように全体的に明るく華やかな曲なのですが、落ち着いた部分があまり無いのでちょっとメリハリには欠ける気がします。

 

2021年10月24日 (日)

10月24日 名曲100選 管弦楽曲篇・7 交響詩「フィンランディア」

「フィンランディア」はシベリウスが1899年に作曲した交響詩。当時フィンランドはロシア帝国の統治下にありましたが、19世紀後半のナショナリズムの高まりがフィンランドにも波及したところで、ロシアがロシア語の強制などで締め付けを強化したため、独立運動が発生しました。

その独立運動の高まりの中、青年フィンランド党の新聞のための「新聞の日」祝賀会で上演された歴史劇の最終幕「フィンランドは目覚める」を改訂して作られたのが「フィンランディア」です。

2つの序奏を持つ三部形式の曲で、1つめの序奏は「ロシアの圧制」を表現した重苦しい旋律に支配されます。2つめの序奏は「ロシアの圧制への闘争」が表現されます。
この曲実は2つの序奏部で半分ぐらいの時間を要します。
続く主部は、闘争の勝利とフィンランディア讃歌からできています。Finlandiaこのフィンラディア讃歌は1941年に詩人コスケンニエミによって歌詞がつけられシベリウス自身が編曲して、今ではフィンランドの第2の国歌として歌われ続けています。

 

2021年10月23日 (土)

10月23日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・7 すべての山の登れ

「すべての山に登れ」は、私の最も好きな映画のひとつ「サウンド・オブ・ミュージック」の中の曲です。
すべての山というのは、人生におけるあらゆる壁の事。夢を見つけるまで全ての山に登り、全ての脇道、全ての小川をたどりなさいという内容で、マリアが修道女であるにもかかわらず家庭教師先の主人フォン・トラップ大佐を愛してしまい、修道院に逃げ帰った際に院長がマリアのために歌った励ましの曲です。
映画のエンディングの、オーストリアからアルプスを越えてスイスに亡命する場面ではコーラスで歌われています。
「サウンド・オブ・ミュージック」の中でも最も劇的な曲です。

 

 

2021年10月22日 (金)

10月22日 名曲100選 室内楽曲篇・7 夢のあとに

フォーレの「夢のあとに」は、原曲は「3つの歌」op.7という歌曲集の第1曲目ですが、その物憂げなメロディラインが親しまれ、様々な編曲がされています。

中でもピアノ伴奏によるチェロの演奏は、その雰囲気ピッタリの曲でチェロのリサイタルなどでもよく演奏される曲です。

 

2021年10月21日 (木)

10月21日 名曲100選 海外のロック篇・7 サタディ・イン・ザ・パーク

1960年代末から70年代にかけて、ロックミュージックは様々な変化をしてきました。
その中でユニークな存在として人気があったのがシカゴです。ブラスロックというジャンル分けをされている、トランペットやトロンボーンといった金管楽器をフィーチャーしたロックサウンドが独特のサウンドを産み出していました。

オリジナルメンバーはロバート・ラム(vo,key)、テリー・キャス(vo,G)、ジェイムズ・パンコウ(Tb)、ウォルター・パラゼイダー(木管)、リー・ロックネイン(tp)、ダニー・セラフィン(Drums)の6人で、さらにピーター・セテラ(Vo,Bs)が加わっています。

私が最初に聞いたシカゴの曲は、クエスチョンズ67/68ですが、初めて全米トップ3にランクインしたのが、1972年の「サタディ・イン・ザ・パーク」でした。アルバム「シカゴⅤ」に収録されていた曲で、ロバート・ラムがピアノとメイン・ボーカル、ピーター・セテラがベースとバック・コーラスを担当。当時シカゴはアメリカン・リベラルのバンドのひとつで、内容は反戦的な意味合いを持ったものです。

 

2021年10月20日 (水)

10月20日 名曲100選 歌劇のアリア篇・7 イゾルデの愛の死

ワーグナーは、従来の歌劇を更に発展させ楽劇という音楽と演劇が一体となった総合芸術を完成させました。
それまでの歌劇では、アリアや合唱などの間に、セリフやレシタティーヴォという語りのような曲を挟んで歌劇を信仰させていましたが、ワーグナーはアリアとアリアの間という概念を無くし、1つの幕や場は連続した1曲となるようなオペラを作るようになりました。

そのため、従来のアリアと呼ばれる曲は殆どありません。しかしながら、3時間から4時間を超える長い楽劇を上演する機会はそうそうありませんので、その中の曲を紹介したり、歌手たちが披露するために、一部を切り取って演奏するようになっています。それを一種のアリアとしてここで紹介したいと思います。

楽劇「トリスタンとイゾルデ」の「イゾルデの愛の死」は楽劇の最後に歌われる曲で、第1幕への前奏曲と合わせて管弦楽だけでも演奏される曲です。
「イゾルデの愛の死」は終幕でトリスタンの亡骸の前でイゾルデが歌う、大変に美しく劇的な曲です。

 

2021年10月19日 (火)

10月19日 名曲100選 日本のフォーク・ニューミュージック篇・7 翳りゆく部屋

「翳りゆく部屋」は、1976年3月にリリースされた荒井由実7枚目のシングル曲です。1972年に「返事はいらない」でデビューしましたが初めの内は殆ど売れず1975年の5枚目のシングル「ルージュの伝言」が初のオリコンチャート入りし、6枚目の「あの日に帰りたい」がテレビドラマの主題歌に採用されオリコン1位を獲得し第1期のユーミンブームが始まりました。
その直後に発売されたシングルが「翳りゆく部屋」で、この年の秋に松任谷正隆と結婚しているので独身最後の曲になりました。

それまでポップな曲ばかりでしたが、この曲はガラッと雰囲気を変えた厳かな雰囲気さえする曲です。冒頭からオルガンが響きますが、これはレコードではパイプオルガンで、目白にある東京カテドラル教会(関口教会)のものだそうです。演奏は松任谷正隆です。

 

 

2021年10月18日 (月)

10月18日 名曲100選 交響曲篇・7 交響曲第1番「冬の日の幻想」

   チャイコフスキーは6つの交響曲を作曲しています。チャイコフスキー自身、法律学校を卒業後法務省に入省し仕事をしながら作曲活動を続けていましたが知人の紹介でロシア音楽協会を知りアントン・ルビンシテインから本格的に作曲を学び始め、アントンがペテルブルク音楽院を設立すると1863年23歳の時に法務省を辞して音楽に専念するようになりました。ペテルブルク音楽院卒業後モスクワに転居したチャイコフスキーは、アントンの弟ニコライ・ルビンシテインがモスクワ音楽院を創設するとそこに講師として招かれました。
そしてはじめての交響曲は1866年26歳の時に作曲しています。

チャイコフスキーは6曲の交響曲を作曲していますが、3番までと4番以降では演奏頻度が極端に異なっていて1~3番が演奏される事は非常に少ないのが現状です。5番、6番は確かに卓越したメロディやオリジナリティ豊かな構成が人気の元だとは思いますが4番は第1楽章も暗く取っ付きにくいものだし終楽章こそ派手ですが、派手さでいえば2番も3番も結構派手な曲だと思うのですが演奏機会は格段の差があります。
第1番は比較的メロディックで、ロシアっぽい雰囲気を持ち終楽章の最後は派手なので2番、3番に比べると演奏される機会は少し多いような気がします。

第1楽章は「冬の旅の幻想」という標題がつけられたソナタ形式の楽章。ロシアの冬を思わせる第1主題からはじまります。

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第2主題も第1主題と雰囲気が似ていてちょっとわかりにくいかな。楽章内では勿論ダイナミクスの変化はありますが、雰囲気の変化はあまり無い楽章です。
第2楽章は「陰気な土地、霧の土地」という標題が付けられたロンド形式の緩徐楽章です。陰鬱な序奏の後主題旋律はオーボエによって奏でられます。この楽章も目立った旋律はこの主題旋律だけという気がします。
21第3楽章はスケルツォ。ハ短調の暗いスケルツォで、中間部はヴァイオリンの旋律から始まるワルツ風な曲です。
第4楽章は長い序奏の後活発な第1主題がいきなりTuttiで登場します。
41第2主題は序奏部を行進曲風にしたものです。コーダははっきりとこれからコーダですよ、というのがわかる展開。チャイコフスキーっぽい勇壮で派手なコーダです。

ざっと紹介しましたが、やはり構成の点で後期の3作品よりは、かなり見劣りする曲です。ただ、聴く人の殆どが構成力などという観点で音楽聴いてはいないので、途中の暗さから最後の開放的な展開まで持って行かれると感動する曲だと想います。

 

 

2021年10月17日 (日)

10月17日 名曲100選 管弦楽曲篇・6 幻想序曲「ロミオとジュリエット」

シェイクスピアの戯曲は後世の作曲家に多大な影響をもたらしています。
代表的なものでは
「ハムレット」 オペラ:スカルラッティ、トマ 劇音楽:チャイコフスキー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ  管弦楽作品:リスト、チャイコフスキー
「オセロ」 オペラ:ヴェルディ、ロッシーニ  管弦楽作品:ドヴォルザーク
「マクベス」 オペラ:ヴェルディ 管弦楽作品:リヒャルト・シュトラウス
「夏の夜の夢」 劇音楽:メンデルスゾーン、ブリテン 管弦楽作品:ランナー、ヨハン・シュトラウス一世
「ウィンザーの陽気な女房たち」 オペラ:ニコライ、ヴェルディ(フォルスタッフ)
「テンペスト」 劇音楽:シベリウス 管弦楽作品:チャイコフスキー
などですが、「ロミオとジュリエット」も多くの作曲家が取り上げています。

ベッリーニ、グノーなどがオペラ化していますし、プロコフィエフはバレエ音楽を作曲しています。
ベルリオーズは劇的交響曲を作曲しています。中でも最も親しまれているのが、チャイコフスキーの劇的序曲でしょう。

チャイコフスキーはこの曲を2回改訂していて現在演奏されるのは殆どが第3稿(決定稿)です。
この曲は、いくつかの登場人物の動機を中心に構成されています。
最初に序奏として修道僧ロレンスの動機がコラール風に奏でられます。主部に入ると第1主題はモンタギュー家とキャピュレット家のいさかいを激しく表現する争いの動機、次の第2主題はロミオとジュリエットの愛の動機。これが交錯しながら進んでいきます。
最後は、ロミオの死を暗示するティンパニによる一打があり、終結部はティンパニによる心臓の音に愛の動機が穏やかに重なって天に召される2人を象徴。最後は緊迫した和音で物語を閉じます。
わずか20分程度の曲ですが、ストーリーが浮かび上がる曲になっています。

 

2021年10月16日 (土)

10月16日 名曲100選 映画音楽(洋画)・6 エデンの東

「エデンの東」は、24歳で自動車事故で亡くなった伝説的俳優ジェームズ・ディーンの初主演作品として知られています。
旧約聖書のカインとアベルをモチーフにした青春映画。ジェームズ・ディーン扮するキャルがカイン、兄のアーロンがアベルに匹敵します。
アーロンは父親のアダムに従順で礼儀正しく、アダムの期待を一身に受けている良い子キャラの兄。逆にキャルは粗暴でアダムから愛されていない弟。
 粗暴に見えるキャルが実は非常にナイーブで、父親に愛されたくて良かれと思ってやる事が全て父親の怒りを買ってしまうという役回り。アーロンの婚約者アブラ(ジュリー・ハリス)は、そんなキャルの苦悩を理解し次第にキャルに魅かれていきます。
 何をやっても認めてもらえないキャルの父親への憎しみはやがて兄のアーロンに向かってしまい、アーロンを酒場に連れて行き、そこで働く崩れた女が母親である事を初めて教えます。ショックを受けたアーロンは即日出兵してしまい、そのショックでアダムは脳出血で倒れてしまいます。

最後にはアダムはキャルと和解するのですが、その間の、父親に愛されたいのにそれがうまく表現できず、逆に怒りを買ってしまうという複雑な気持ちと苦悩をジェームズ・ディーンは実に魅力的に表現していました。

原作はスタイベックで、監督はエリア・カザン。音楽はレナード・ローゼンマンが担当。主題曲は映画史上に残る名曲のひとつです。

 

2021年10月15日 (金)

10月15日 名曲100選 室内楽曲篇・6 弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」(シューベルト)

シューベルトという作曲家は、新しい曲を書き出しては途中で投げ出すという事が非常に多い作曲家でした。「飽きっぽい性格」とか「金銭的に苦しく1つの曲に没頭できる環境では無かった」とか様々な原因が考えられていますが、安定的なスポンサーが無く、そのスポンサーに依頼された締め切りのある作曲活動では無かった事も原因のひとつと考えられます。勿論宮廷楽団から雇われて演奏会のために新曲を書くという必要も無かったのでしょう。そんな理由から未完成や途中で破棄された膨大な作品があります。

弦楽四重奏曲も番号付きの曲は15曲ありますが、断片や未完のものを合わせると25曲ぐらいが確認されています。
15曲の弦楽四重奏の中で2曲だけ標題が付けられたものがあります。そのひとつが14番の「死と乙女」、もう1曲がこの「ロザムンデ」です。両方ともシューベルトが名づけたわけではありませんが、14番は歌曲「死と乙女」を引用していることから名づけられたもので、13番はシューベルト自身の作曲した劇音楽「ロザムンデ」を引用しているので、そう名づけられています。

13番の弦楽四重奏曲は1824年に作曲され、同年シューベルトの存命中に唯一出版された弦楽四重奏曲です。
第1楽章は歌曲「糸を紡ぐグレートヒェン」に基づく抒情的な主題を持つ楽章です。
第2楽章は「ロザムンデ」の間奏曲を元にした変奏曲。
第3楽章のメヌエット主題は歌曲「ギリシャの神々」に基づくものといわれています。

シューベルトはメロディの使いまわしが多い作曲家ですが、特に「ロザムンデ」は他の曲との関わることが非常に多い作品です。
まず、「ロザムンデ」序曲として現在も演奏されている作品は、元々は劇音楽「魔法の竪琴」の序曲をそのまま転用したものです。劇音楽「ロザムンデ」を作曲した際に、上演までに序曲が間に合わず、初演時にはその前年に完成していた歌劇「アルフォンソとエストレッラ」の序曲をそのまま演奏したため、専用の序曲が作曲されることはありませんでした。その後「魔法の竪琴」の序曲を使うようになりそのまま定着したようです。
さらに第1幕の間奏曲やバレエ音楽第1番を元々「未完成交響曲」の終楽章と第3楽章のトリオとして考えられていたものとの指摘もあるようです。

そして「第3幕の間奏曲」はシューベルトも気に入っていたメロディだったようで、この弦楽四重奏曲の第2楽章の変奏主題に使用され、さらに即興曲変ロ長調にも流用されています。メロディは終始静かで特に主部主題はシンプルで愛らしい旋律です。

 

2021年10月14日 (木)

10月14日 名曲100選 海外のロック篇・6 キラー・クイーン

クイーンは、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、フレディ・、アーキュリーとジョン・ディーコンによって正式に結成されたロック・バンドです。幅広い作風で知られますが、ギターの多重録音やコーラスの多重録音などハードなサウンドの中でもきちんとしたハーモニーを奏でる事が大きな特徴のひとつでしょうか。

「キラー・クイーン」はクイーンの初めてのヒット曲で全英では2位、全米では12位にチャートインしました。この前のシングル「輝ける7つの海」はほぼプログレッシブなロックだったので、コーラスをメインとしたこの曲を聴いた時には、同じバンドか?と感じました。
クイーンにとってもひとつのターニングポイントとなった曲でした。

 

2021年10月13日 (水)

10月13日 名曲100選 歌劇のアリア・6  今の歌声は

先週取り上げた「フィガロの結婚」の前編としてボーマルシェによって書かれた戯曲はパイジェッロによってオペラ化され、その後ロッシーニが作曲し大成功を収めたのでパイジェッロのオペラは完全に忘れ去られてしまいました。

そのロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」は1782年に初演されました。悲劇的なものが好まれるイタリア・オペラの中でドニゼッティの「愛の妙薬」と並んでオペラ・ブッファの傑作とされています。

アルマヴィーヴァ伯爵とロジーナの純愛に対し、ロジーナの叔父であり後見人でありロジーナの財産を狙って結婚を目論むバルトロが邪魔をするがフィガロの策略で2人は無事結婚するというストーリー。
このオペラには有名なアリアが数多く登場しますが、中でもロジーナが第1幕第2場で歌うカヴァティーナ「今の歌声は」(una voce poco fa)はコロラトゥーラ・ソプラノ(テンポの速い中で多くの装飾で華やかに歌う)の傑作としてモーツァルトの「魔笛」の夜の女王のアリアと並ぶ難曲とされています。

 

2021年10月12日 (火)

10月12日 名曲100選 フォーク・ニューミュージック篇・6 風になれ~みどりのために~

1983年に発売された谷山浩子14枚目のシングルです。
この曲は、メロディの美しさも良いのですが、歌詞が素晴らしい。

自然と、その自然が紡ぎだす音楽の世界を表現しています。胃腸薬「サクロン」のCMソングとして使われていたので馴染みの深い曲です。

 

2021年10月11日 (月)

10月11日 名曲100選 交響曲篇・6 交響曲第1番(ブラームス)

尊敬するベートーヴェンの交響曲への強い意識のあまり着想から完成まで21年間費やしたというエピソードがあるブラームスの交響曲第1番ハ短調ですが、今回はこういうエピソードはあまり語らず、曲そのものの話題で行きます。

楽器の編成は、ベートーヴェンの交響曲第5番にそっくりです。基本2管編成であり(運命との違いはピッコロの有無)、トロンボーンは終楽章のみで特殊な打楽器なしという点が同じで、異なっているのはホルンが4本になっている点が大きい相違点といえます。

構成はソナタ形式の第1楽章、緩徐楽章の第2楽章、ソナタ形式の第4楽章は古典的な交響曲ですが、メヌエットかスケルツォが置かれる第3楽章は舞踏系の3拍子を避けて2拍子の緩徐楽章を置いてブラームス色を出しています。

第1楽章は、ティンパニのC音連打(実はコントラバスとコントラファゴットも同じ事やってます)に乗っかった序奏主題(1st violinと2nd violinとチェロが3オクターブで弾いている)と木管とヴィオラの対旋律による重厚な序奏から始まります。

主部は第1主題、第2主題ともに緊張感の高いメロディを使っていて緊迫した楽章を形づくっています。
最後はホルンとティンパニで序奏のC音連打が帰ってきますが、そこに乗っかるメロディは冒頭と異なるゆったりとした音型からやがて長調に転調されてハ長調に帰結して終わります。

第2楽章はホ長調の緩徐楽章。終盤ではヴァイオリンノソロにメロディのメインが移っていきます。
第3楽章は三部形式の優雅な曲。3拍子系の音楽を避けてブラームスらしさを出しています。
第4楽章はハ短調の重苦しい序奏から始まり頂点に達したところで突然それを断ち切るようにティンパニのロールが奏され、ホルンによるアルペン風のメロディが吹かれ、フルートに受け継がれ、最後はトロンボーンとファゴットによるコラールが出てきます。
その後は第九の歓喜の歌との類似性を指摘される第1主題に入ってきます。
この楽章は勝利の音楽とも言われていて、最後はファンファーレが高らかに演奏されると壮麗に全曲を閉じます。

ブラームスの4つの交響曲は全て凝縮された音楽で余分な音が無いと言われていますが、その分演奏時の緊張感は一段と高いので、演奏時間に比べて非常に精神的にも体力的にも疲れる曲ですが、この第1番は特に、長い年月をかけて作曲したブラームスの思いが詰まっていて最も疲れる曲です。

 

 

2021年10月10日 (日)

10月10日 名曲100選 管弦楽曲篇・5 そりすべり

アメリカのセミ・クラシックの作曲家ルロイ・アンダーソンの代表作のひとつ。クリスマス・ミュージックとして使われる事が多いのですが元々はクリスマス用に作られたものではありません。

楽器編成は2管編成ですが、打楽器が特殊で、ティンパニなし、スレイベル、ウッドブロック、むち、シロフォン、グロッケンが使われています。
複合三部形式で、スレイベルは終始鳴り続け、再現部は主題がジャズ風に変奏されます。曲の最後は馬の嘶きが出てきますが、これはトランペットによる特殊奏法になっています。

セミ・クラシックの有名曲という事でオリジナル以外に様々な編成のアレンジが存在しています。また、「スターダスト」や「ムーンライト・セレナーデ」などで知られる作詞家ミッチェル・パリッシュによって歌詞も付けられていて、アンドリュー・シスターズ、ビング・クロスビー、カーペンターズなどが歌っています。

 

2021年10月 9日 (土)

10月9日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・5 グッバイ・ガール

20世紀を代表するアメリカの劇作家のひとり、ニール・サイモンの脚本を、「チップス先生さようなら」「愛と喝采の日々」などを手がけたハーバート・ロス監督で1977年に映画化した喜劇。主演はマーシャ・メイソン(ポーラ)とリチャード・ドレイファス(エリオット)で、リチャード・ドレイファスはアカデミー主演男優賞を受賞しています。

30代半ばのダンサー、ポーラは娘ルーシーを持つシングル・マザー。男と付き合っては捨てられ続ける「グッバイ・ガール」。今回も役者のトニーと同棲していたが逃げられ、トニーから部屋を譲り受けたという役者エリオットが訪ねてきて、様々な障害を経て、ポーラとトニーは結ばれていくという話。

主題歌はソフト・ロック・バンド ブレッドのリーダーだったデヴィッド・ゲイツの「グッバイ・ガール」。日本でも南沙織が英語版と日本語訳版をカバーしていました。

 

2021年10月 8日 (金)

10月8日 名曲100選 室内楽篇・5 フルート四重奏曲第1番(モーツァルト)

モーツァルトの数多い室内楽曲の中でもクラリネット五重奏曲と双璧の人気曲がフルート四重奏曲第1番です。

21歳の時に長期滞在したマンハイムの名フルート奏者ヴェンドリングと親交を結び、その際裕福な医師ドゥジャンを紹介されました。ドゥジャンは音楽愛好家で自身もフルートを吹いたためモーツァルトに短めの協奏曲3曲と四重奏曲を数曲作曲してくれるように依頼しました。

モーツァルトがこれに応じて作曲したのが2曲のフルート協奏曲と3曲のフルート四重奏曲でした。モーツァルトはフルートが嫌いだったので(当時のフルートはベーム式が出る前だったので音程が不安定だったためとう説もあり)約束の曲数を満たすことができなかったという事です。

第1番の四重奏曲はこの時に作曲されたもので3楽章によるもの。第1楽章のアレグロは非常に煌びやかなソナタ形式、第2楽章は弦のピツィカートの上でフルートが抒情たっぷりのエレジー、第3楽章は活発なロンド形式の音楽になっています。
さすがモーツァルト、嫌いな?フルートの音色や機動力を十分に引き出しだ曲です。

 

2021年10月 7日 (木)

10月7日 名曲100選 海外のロック篇・5 ランブリン・マン

オールマン・ブラザーズ・バンドは1969年にデュアン・オールマンとグレッグ・オールマンの兄弟を中心にフロリダ州ジャクソンビルで結成されました。その後ジョージア州メイコンに拠点を移しアルバム・デビューしましたが、ブレイクしたのは1971年の「At Fillmore East」の大ヒットでした。
成功も束の間、71年の秋にはデュアンが交通事故で急逝してしまい、翌年にはベースのベリー・オークリーも事故死という度重なる不幸に見舞われましたが、新たなメンバーを加えて1973年には「Brothers And Sisters」が全米アルバムチャートの1位になりアメリカを代表するバンドの仲間入りをしました。

このアルバムからシングルカットされ全米2位になったのが「ランブリン・マン」です。
オールマン・ブラザーズ・バンドは南部の土着サウンド、サザンロックの代表的なバンドといわれブルースとカントリー・ミュージックを融合した大らかなスタイルを展開したバンドです。「ランブリン・マン」は、このバンドの特徴を一言で言い表すようなサウンドになっています。

 

2021年10月 6日 (水)

10月6日 名曲100選 歌劇のアリア篇・5 もう飛ぶまいぞこの蝶々

天才モーツァルトはオペラでも数々の名曲を残しました。その中でも人気の高いのが「フィガロの結婚」と「魔笛」です。

「フィガロの結婚」はフランスの劇作家ボーマルシェが書いた風刺的な戯曲を元に作曲されたもので、後にロッシーニなどが作曲した「セヴィリアの理髪師」の続編に当たるものです。
「セヴィリアの理髪師」では、フィガロの機転によって叔父のバルトロの妨害を排除して無事結婚できたアルマヴィーヴァ伯爵とロジーナは、「フィガロの結婚」では倦怠期を迎えています。「フィガロの結婚」ではフィガロのフィアンセのスザンナに対して伯爵が初夜権復活を目論んで言い寄り、ロジーナは伯爵の心が自分から離れてしまったと思い悩みます。ここでもフィガロは機転によって伯爵とロジーナの仲を取り持ち、無事スザンナと結婚するというのがストーリーです。

「もう飛ぶまいぞこの蝶々」は、フィガロが出征する事になった伯爵の小姓で思春期の少年ケルビーノに、浮ついた行動をたしなめ、一人前の男として行って来るように励ます第1幕のエンディングで歌われる有名なアリアです。

 

2021年10月 5日 (火)

10月5日 名曲100選 フォーク・ニューミュージック篇・5 銀の龍の背に乗って

そう言えば、ニュー・ミュージックという音楽ジャンル名が、どこからどこまでかというのはとっても曖昧で、いろいろな分け方の説があります。分ける必要も無いのでしょうが、やっぱりアイドル歌手の音楽と、シンガー・ソングライターの音楽を同じ土俵で語るのも妙な話なので、ここでは日本のフォーク、ロック、シンガー&ソングライター系の音楽をフォーク・ニューミュージックとして取り上げる事にしています。

日本の女性シンガー・ソングライターの双璧といえば松任谷由実と中島みゆきと思います。なので、100選の中でもこの2名の曲は数多く取り上げる事になると思いますが、その第1弾は、中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」を取り上げました。

2003年に3年ぶりにリリースされた中島みゆき38作目のシングルです。実は、37作目のシングル「地上の星」が2000年7月に発売されオリコンで初登場15位になって以降174週連続でオリコン100位内というとてつもないロングヒットになったことも影響しているのかもしれません。
「銀の龍の背に乗って」はテレビドラマ「Dr.コトー診療所」のために作られた曲です。
銀の龍は、いくつかの説があるようですが、八重山列島の架空の島にある診療所のイメージからすると、海の白波を表しているというのが有力かもしれません。

 

2021年10月 4日 (月)

10月4日 名曲100選 交響曲篇・5 交響曲第1番(マーラー)

マーラーの交響曲は、編成が巨大、特殊な楽器が登場、合唱団やソリストが必要、演奏が非常に難しい等の理由でアマチュア・オーケストラがプログラムに載せるには、かなり敷居が高いです。
①編成が巨大 全ての曲が4管編成
②合唱団やソリスト 第1番、第5番~第7番の4曲のみ声楽なし
③特殊楽器 打楽器、鍵盤楽器以外で特殊なのは7番、8番のマンドリン

そんな中ですが、一番金銭的な負担が少ないのが第1番ニ短調「巨人」です。それでもバンダがあるためホルンは7本トランペットは5本必要、ティンパニは2組、シンバル付きのバスドラム、ハープという楽器が必要で簡単には演奏できません。

第1番は元々交響詩として作曲された2部構成の曲でした。第1部が3つの楽章、第2部が2つの楽章でした。初演は成功しなかったため改訂をして第2稿は5楽章の交響曲様式による音詩「巨人」となりました。その後「花の章」を削除して4楽章の交響曲とした第3稿が決定稿となり現在も演奏されます。

4管編成ですが、ホルンは7本、ティンパニ2組、第1楽章にはバンダもあります。
第1楽章は弦楽器のフレジオレットの持続音の上に動機が現れ自然を象徴する鳥の鳴き声を模したメロディなどで牧歌的な雰囲気の長い序奏があります。第1主題は歌曲「さすらう若者の歌」の第2曲「朝の野原を歩けば」に基づくものですが、意外にあっさりとした楽章でトランペットのファンファーレでクライマックスを迎え短い再現部でコーダに突入します。

第2楽章はスケルツォ。中間部にレントラー風の優雅な旋律を持ってきています。

第3楽章は複合三部形式の緩徐楽章。コントラバスが童謡「フレール・ジャック」を短調にしたメロディを奏しカノンのように各楽器に受け渡されて行きます。中間部に「さすらう若者の歌」の第4曲「彼女の青い眼が」からの旋律が登場します。
第4楽章は、シンバルの強烈な一撃で開始される激しい楽章です。この楽章だけで20分程度を要します。第2主題は打って変わってヴァイオリンによる非常に美しく息の長い旋律が出てきます。再現部からそのままコーダに流れ込みホルンの大合奏を経て高らかな勝利を歌って終わります。

今でも時々「花の章つき」で演奏される事がありますが、はっきり言って「花の章」はトランペットの独奏が殆どの部分を占めており、わざわざ聴く価値があるとは思えません。

 

2021年10月 3日 (日)

10月3日 名曲100選 管弦楽曲篇・4 序曲「コケイン」

イギリスの作曲家エルガーが1901年に作曲した演奏会用序曲。ロイヤル・フィルハーモニック協会の委嘱作品で、1901年6月20日にロンドンのクイーンズ・ホールで初演されました。

「コケイン」は正式には「コケイン(ロンドンの町で)」というタイトルで、20世紀初頭のエドワード7世時代のロンドンの活き活きとした生活や喧騒など街角の様子を描写した活気溢れる音楽です。19世紀末から20世紀初めというと、ちょうどシャーロック・ホームズが活躍した時代。

今、NHK-BS1で「シャーロック・ホームズ」シリーズの再放送をやっていますが、ここに出てくる町の喧騒とぴったりくる感じで、とっても良くできた曲だと思います。

タイトルの「コケイン」は理想郷を意味する中世のフランス語pais de cocaigneに由来する言葉でロンドンの特に下町を表す言葉に使われるようになった事に由来します。

 

2021年10月 2日 (土)

10月2日 名曲100選 映画音楽(洋画)篇・4 バラキ

「バラキ」は1972年制作のイタリア・フランス・アメリカの合作映画。監督は初期の007シリーズ「ドクター・ノオ」「ロシアより愛をこめて」「サンダーボール作戦」や「暗くなるまで待って」「夜の訪問者」などのテレンス・ヤング。


血の掟を破り、現役マフィア構成員で始めてマフィアやコーサ・ノストラの実態をアメリカ議会で証言した、ジョゼフ・ヴァラキの証言を基にしたピーター・マーズのベストセラー「マフィア/恐怖の犯罪シンジケート」の映画化。
この映画化権をテレンス・ヤングが買い取ったが、当時はまだヴァラキもヴィト・ジェノヴェーゼ(ゴッド・ファザーのモデルの一人、監獄内からも殺人を指示できるほどの権力を持っていた)も監獄で存命していたため1969年のジェノヴェーゼ、1971年のヴァラキの死去を待って1972年にクランクインしました。ニューヨークでの撮影はニューヨーク・マフィアからの脅迫を受けて数日で撤収し、イタリアで完成されました。


ヴァラキはマンハッタンのイースト・ハーレムでナポリ移民の極貧の家に生まれ10代から窃盗団などで活動し、やがてマフィアへと入って行きます。ヒットマンや賭博などで稼いだ金で合法的なビジネスにも参入しますが、やがて倒産などで資金が底をつき麻薬などにも手を出すようになります。ボスはこの間にルチアーノ、フランク・コステロ、ジョノヴェーゼと変わっていきますが、やがて裏切り者の濡れ衣を着せられジョノヴェーゼから殺しの標的にされます。ジェノヴェーゼの刺客と間違えて無関係のサウップという男を殺してしまい無期懲役の判決を受け、その際に司法取引で組織情報をリークするかわりに証人保護プログラムの保護を受けることになりました。


映画ではバラキを演じたのは、チャールズ・ブロンソン、ジェノヴェーゼはリノ・ヴァンチュラが演じています。


音楽は「世界残酷物語(モア)」「ブラザー・サン・シスター・ムーン」などのリズ・オルトラーニ。凄惨な映画とは全く雰囲気の異なる、メロディラインの美しい、しかも淡々とした主題歌が印象的でした。


 

2021年10月 1日 (金)

10月1日 名曲100選 室内楽曲・4 ベートーヴェンの主題によるロンディーノ

20世紀を代表するヴァイオリン奏者であり、作曲家だったクライスラーは、「愛の喜び」や「美しきロスマリン」などの他、大作曲家の作品のアレンジとして発表された(実はクライスラー作曲のものだった)「ボッケリーニの様式によるアレグレット」などの多くのヴァイオリンとピアノ伴奏のための曲を残しました。

この「ベートーヴェンの主題によるロンディーノ」は偽作ではなく、本当にベートーヴェンの作品をアレンジしたものです。ベートーヴェンが1970年頃に作曲したヴァイオリンとピアノのための「ロンド ト長調」WoO41という小品をアレンジしたものです。
曲自体はベートーヴェンのイメージとは違って、とても愛らしい親しみやすいメロディの音楽です。

 

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