9月13日 名曲100選 交響曲篇・2 交響曲第1番(ベートーヴェン)
名曲100選 交響曲篇の第2曲目は、ベートーヴェンの交響曲第1番ハ長調op.21です。
ハイドンが形式を整え、モーツァルトが発展させた交響曲の分野を、クラシック音楽のひとつの完成形として確立させたのがベートーヴェンです。その初めての作品が第1番です。形式的には第1楽章ソナタ形式の速い楽章、第2楽章は緩徐楽章、第3楽章メヌエット、第4楽章速い楽章というハイドンから続く形式を踏襲していますが、そこはベートーヴェンらしい革新的な事にトライしています。
第1楽章では、序奏部の始まりの部分で属7の和音(終止形として使われる終止音の主和音の直前の和音)からいきなり始まるという奇抜さ、続く序奏も主調であるハ長調に行き着くまでの不安定な調性という従来の古典を逸脱したもので始まります。
第1主題の、ド-ソシ-ドという動機が全楽章にわたって用いられ、全曲の統一感をもたらしています。
第2楽章は、緩徐楽章ではありますがフーガ風に開始されます。
第3楽章はメヌエットですが、急速なテンポが指定され(Allegro molto e vivace)、スケルツォの性格が強く出ています。
第4楽章も序奏がつき、なにやらもどかしい上行のフレーズがヴァイオリンによって形を変えながら繰り返され、たどりついて先は弦楽器の刻み音に乗って演奏される軽快な主題。
で、私のイチオシの場所は、終楽章のコーダが始まる直後。フェルマータの後、第1主題の断片から第1主題へとpで静かに演奏されたと思ったらいきなり f の大音量になるところ。結構カッコ良いと思いませんか?下の映像の部分です。
という事で、ベートーヴェンの中でも地味に見られるこの第1番ですが、結構好きな曲です。
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