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2021年6月30日 (水)

今日の音楽 6月30日 ドリゴのセレナーデ(再掲載)

1846年6月30日は、リッカルド・ドリゴの誕生日です。主にバレエ音楽を作曲したイタリアの作曲家で、ロシアのサンクト・ペテルブルクの国立バレエ団の音楽監督に長い期間就任していました。当時はバレエ音楽の作曲家として国際的な名声を得ていたそうですが、現在では殆ど知られざる作曲家になってしまいました。

42年間の長きにわたりロシアで暮らしていましたが、ロシア革命の勃発でイタリアへ帰国して故郷で没しています。

代表的な作品は「百万長者の道化師」。その中の「セレナーデ」がドリゴの作品で唯一耳なじみのある曲では無いでしょうか。この曲は、原曲よりもイージーリスニングにアレンジされたものを聞くほうが圧倒的に多いですが・・・

 

2021年6月29日 (火)

今日の音楽 6月29日 花(再掲載)

1903年6月29日は瀧廉太郎の命日です。
瀧廉太郎はわずか23歳で結核で亡くなった夭折の天才作曲家と言われています。
作品自体は、遺作となった「憾」(うらみ・・・若くして死ななければならない無念さを込めた作品)というピアノ小品以外は、歌曲しか残されていません。代表作である「荒城の月」「箱根八里」「花」の他に、幼稚園唱歌として「鳩ぽっぽ」「雪やこんこ」「お正月」「鯉のぼり」などを作曲しています。

「花」は組曲「四季」という4曲からなる歌曲集の「春」の部分ですが、他の3曲は殆ど歌われなくなってあまり知られていません。「春のうららの隅田川・・・」で始まるこの曲は武島羽衣の作詞ですが、個人的には3番の詩が好きです。「錦おりなす 長堤に 暮るれば昇る朧月 げに一刻も千金の眺めを何にたとうべき」・・・光景が目に浮かぶ歌詞です。
この曲は、ウチのオケがベルギーに行った時に現地の合唱団と共演した曲のひとつでした。3コーラスの曲ですが、各コーラスの詩に従って、ほんの少しずつメロディが変えてあるのもステキです。

瀧廉太郎は、ライプツィヒ音楽院に留学し、これから本格的な西洋音楽を学ぶという時に肺結核を発病し、1年で帰国。その後帰らぬ人となったわけです。もし、彼が早逝しなければ日本人による本格的な後期ロマン派か12音音楽の作品が聴けたかもしれませんね。

2021年6月28日 (月)

今日の音楽 6月28日 フランダースの犬(再掲載)

画家ピーテル・パウル・ルーベンスは1577年6月28日にドイツのジーゲンで生まれました。

フランドル絵画を代表する画家で、特に壮大な宗教画は、圧倒的な力感と大胆な筆致で他の追随を許さない感動的なものを多く残しています。

アントワープの聖母大聖堂の「キリストの昇架」と「キリストの降架」はイギリスの作家ヴィーダが創作した「フランダースの犬」のネロとパトラッシュの最期の場面で登場しひときわ有名になりました。

「フランダースの犬」はアニメ世界名作劇場の第一作として放映されました。(アルプスの少女などそれ以前のアニメは世界名作劇場では無いので)最終回には30.1%という名作劇場最高の視聴率を取りました。

オープニング・テーマはとても明るい曲で「よあけのみち」というタイトルで渡辺岳夫作曲です。

 

2021年6月27日 (日)

今日の音楽 6月27日 スナフキンのテーマ(再掲載)

フィンランドの作家トーベ・ヤンソンは2001年6月27日にヘルシンキで亡くなりました。

ヤンソンは1914年に、彫刻家の父と画家の母の娘として生まれて自然に絵を描くようになりました。15才の頃から挿絵を描き始め「ムーミン」はこの頃から登場しています。

1945年に小説ムーミン・シリーズを発表し1966年には国際アンデルセン賞を受賞しました。絵の才能も合わせて漫画としても発表し日本では1969年から数回にわたってアニメ化されました。

主人公のムーミン・トロールは北欧の民間伝承にある広い意味での妖精のこと。とても世俗的な雰囲気と、幻想的な雰囲気のミスマッチが、不思議な世界を表出したアニメでした。スナフキンは人間のような風貌ですが、指が4本だったり尻尾があったりと、明らかに人間とは異なるキャラでした。孤独を愛する放浪のキャラで、大変に人気がありました。スナフキンのテーマはギターの弾き語りによる「おさびし山」です。

 

2021年6月26日 (土)

今日の音楽 6月26日 ワルキューレ(再掲載)

ワーグナーの楽劇「ニーベルンクの指環」の第2作目「ワルキューレ」は1870年6月26日にバイエルン宮廷歌劇場で初演されました。

「ワルキューレ」は、指環4部作の中でも最も人気が高く上演回数も多い作品で上演時間は3時間40分程度。「ワルキューレ」は神々の長ヴォータンの9人の娘たちのことですが、ここで言っているのはブリュンヒルデの事。ジークムントがフンディングの館にたどり着く場面からブリュン

「ワルキューレ」には、第1幕のジークムントの「冬の嵐は過ぎ去り」、第3幕への前奏曲にあたる「ワルキューレの騎行」、第3幕のヴォータンの告別など単独でも取り上げられる音楽が満載されており、最後は、指環4部作の最大のクライマックスのひとつ「魔の炎の音楽」で締めくくります。

魔の炎の音楽です。

 

2021年6月25日 (金)

今日の音楽 6月25日 イタリアの印象(再掲載)

フランスの作曲家ギュスターヴ・シャルパンティエは1860年6月25日に生まれました。

シャルパンティエは1887年にローマ大賞を受賞して、ローマに留学しました。その間に、受賞者の義務として作曲した交響詩「ナポリ」をフランス学士院芸術アカデミーに送りましたが、それが高い評価を得ました。

シャルパンティエがこの作品を膨らませて5曲からなる組曲にしたものが、イタリアの印象です。セレナーデ、泉のほとりで、ロバに乗って、

マスネの組曲シリーズ同様、フランス音楽らしい肩の凝らない楽しい曲です。第5曲「ナポリ」です。

 

 

2021年6月24日 (木)

今日の音楽 6月24日 ピアノ五重奏曲(ブラームス)(再掲載)

ブラームスという作曲家は、クラシック界の最重要作曲家のひとりでありながら管弦楽の為の作品は非常に少ない作曲家です。ピアノ連弾から編曲したハンガリー舞曲(ブラームス自身の編曲は3曲だけ)を除くと、4つの交響曲、4つの協奏曲、2つの演奏会用序曲と2つのセレナード、ハイドンの主題による変奏曲だけです。その他歌劇も書いていないですし、これ程の作曲家がなぜ?という疑問も無いわけではありません。

それとは逆に室内楽作品を多く作曲しています。まず思い浮かべるのは弦楽六重奏曲第1番でしょうか。第2楽章のルイ・マル監督の「恋人たち」に使われてたロマンチックな旋律が特に知られています。

1868年6月24日に初演されたピアノ五重奏曲は、完成するまでに紆余曲折を経ています。最初は弦楽五重奏曲として作曲されましたが試演の評価が悪かったため破棄され2台のピアノのためのソナタに書き換えられています。このソナタはかなり良い評価だったのですが、友人の助言を受け入れてピアノ五重奏に再度書き直しました。これがピアノ五重奏曲が作られた経緯です。この曲はブラームスとしては半音階を多様したりとかなり冒険的な音楽になっています。

 

2021年6月23日 (水)

今日の音楽 6月23日 赤とんぼ(再掲載)

作詞家の三木露風は1889年6月23日に兵庫県龍野町(現 たつの市)で生まれました。

三木露風は、北原白秋と並んで近代日本を代表する詩人でした。1918年頃に赤い鳥運動に参加し、童謡を手がけるようになり1921年に童謡集「真珠島」を出版しました。

作曲家山田耕筰とのコンビで「かっこう」「秋の夜」など数々の名作を遺しましたが、その中でも「赤とんぼ」は日本の代表的な童謡として親しまれています。
「赤とんぼ」は三木が子供の頃過ごした龍野での郷愁を歌った詩と言われていて、子供の頃に自分を背負って赤とんぼを一緒に見た女中さんも15歳になってお嫁に行って便りも絶えてしまった、と昔を懐かしんだ歌詞です。

 

2021年6月22日 (火)

今日の音楽 6月22日 虹の彼方に(再掲載)

1969年6月22日は、ミュージカルの女王ジュディ・ガーランドの命日です。子役時代にダイエットのために覚せい剤を常用し、そのままセックス、睡眠薬常用など破滅型の人生を歩んだ彼女の出世作が、ミュージカル映画「オズの魔法使い」でした。

竜巻によって、愛犬トトと共に魔法の国オズに飛ばされたドロシーが、知恵を欲しがるワラの案山子、心をほしがるブリキ男、勇気を欲しがるライオンと共に、故郷のカンザスに戻るためにオズの魔法使い(実はごく普通の人間)に会いに行く為に悪い魔女と戦う・・・というお話。
この続編が、WIZですね。

この映画のはじめのシーン、竜巻が来る前にカンザスでドロシー役のジュディによって歌われるのが「虹の彼方に」(Over the rainbow)でした。この曲は2004年に発表された米国映画協会の「歴代名歌曲ベスト100」のナンバーワンになっています。ちなみに、第2位は「カサブランカ」の"As time go by"、第3位は「雨に唄えば」(Singing in the rain)でした。

 

2021年6月21日 (月)

今日の音楽 6月21日 死と変容(再掲載)

R.シュトラウスの交響詩「死と変容」は1890年6月21日にアイゼナハ音楽祭で初演されました。

人間の死と来世における変容(浄化)を表わした交響詩で、生まれつき病弱で20歳を過ぎてからたびたび死に直面したシュトラウス自身の心の中を音楽にしたもので、25分程度の演奏時間です。

3管編成で、瀕死の病人、幸せだった頃の回想、死との戦いが繰り返され、やがて死に至り変容を遂げたことが表現されるという内容。R.シュトラウスの作品の中では比較的平易な曲なので、シュトラウス初心者にはお勧めの曲です。

 

2021年6月20日 (日)

今日の音楽 6月20日 パリの喜び(再掲載)

1819年6月20日はオッフェンバックの誕生日です。
オッフェンバックの名前は結構知られているのですが、曲は?というと「天国と地獄」の序曲と、未完で終わった「ホフマン物語」の舟歌ぐらいしか知らないですね。天国と地獄(地獄のオルフェ)は、モンテヴェルディやグルックなどがオペラ化しているギリシア神話の「オルフェオとエウリディーチェ」をパロディ化したもの(結末は全く異なりますが日本のイザナギとイザナミの神話に同じようなのがありますね)ですが、いまさら「天国と地獄」を聞いてみましょうという気も起きないので、ラヴェルの門下生であったロザンタールが、オッフェンバックの曲の数々をバレエに編曲した「パリの喜び」を聞いてみましょう。

勿論天国と地獄のメロディも出てきますし、オッフェンバックの20曲以上もあるオペラ、オペレッタの一端を知る事ができます。最後の第23曲はホフマンの舟歌です。録音は結構たくさん出てますね。プレヴィン、デュトワ、ショルティ・・・・

2021年6月19日 (土)

今日の音楽 6月19日 ロマンシング・ストーン(再掲載)

女優のキャスリン・ターナーは1954年6月19日にミズーリ州で生まれました。

キャスリン・ターナーは、ブロードウェイなどの舞台、映画、TVなど幅広く活躍する女優です。1984年には「ロマンシング・ストーン秘宝の谷」、1985年には「男と女の名誉」で2年連続ゴールデングローブ主演女優賞を獲得しています。

「白いドレスの女」、「ローズ家の戦争」、「シリアル・ママ」など主演作は多数ありますが、何と言っても「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」と「ナイルの宝石」での女流作家ジョーン・ワイルダー役です。知的で、滑稽で、ワイルドな女性を演じ切っていました。

音楽はアラン・シルヴェストリで、彼は、この作品以降のロバート・ゼメキス監督(バック・トゥ・ザ・フューチャーなど)作品の全てを担当しています。その他では「フォレスト・ガンプ一期一会」などヒット作が多いですね。

 

2021年6月18日 (金)

今日の音楽 6月18日 ハイ・ハイ・ハイ

ミュージシャンのポール・マッカートニーは1942年6月18日にリヴァプールで生まれました。

「ビートルズ」のメンバーとして活躍し1970年に脱退後ソロ活動を経て、1971年ウィングスを結成、1972年に「アイルランドに平和を」を発売した後3曲目のシングルとして発売したのが「ハイ・ハイ・ハイ」です。歌詞の一部に性的で猥褻な表現があるとしてBBCから放送禁止処分を受けましたがイギリスでは5位、アメリカでは10位のヒット曲となりました。

 

2021年6月17日 (木)

今日の音楽 6月17日 アヴェ・マリア(グノー)

作曲家シャルル・グノーは1818年6月17日にパリで生まれました。

歌劇「ファウスト」などで知られる作曲家ですが、1859年にバッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻」の「前奏曲第1番ハ長調」を伴奏にして、「アヴェ・マリア」の歌詞を用いて作曲した「グノーのアヴェ・マリア」はグノーの曲の中で最も愛されている曲でしょう。

それだけでなく、シューベルトのものと並ぶ「アヴェ・マリア」の代表作です。

2021年6月16日 (水)

今日の音楽 6月16日 事件記者(再掲載)

作家の島田一男は1996年6月16日に亡くなりました。

1907年に京都で生まれた島田一男は1931年に「満州日報」の新聞記者になり15年ほど従軍記者として活動し、終戦後は在満邦人の帰還に尽力しながら執筆活動を続けました。

1946年に短編「殺人演出」が「宝石」の懸賞を受賞して、デビューしその後暫くは本格推理小説を書いていましたが、その後自らの記者としての経験を生かして新聞記者ものの推理小説を書くようになりました。
1951年に「社会部記者」で第4回探偵推理作家クラブ賞を受賞、代表作のひとつ刑事弁護士の南郷弁護士シリーズの「上を見るな」や「鉄道公安官」シリーズ、「部長刑事」シリーズなど、警察小説の第一人者として活躍しました。

1958年から8年間NHKの「事件記者」の脚本を担当しています。「事件記者」の音楽は小倉朗が担当しました。

 

2021年6月15日 (火)

今日の音楽 6月15日 うわさの男

シンガー・ソングライターのハリー・ニルソンは1941年6月15日にニューヨークのブルックリンで生まれています。

1964年にレコード・デビューし、1969年に映画「真夜中のカーボーイ」の主題歌として起用された「うわさの男」が大ヒットして人気歌手となりました。「うわさの男」は1966年にフレッド・ニールが作詞作曲しアルバムに収録したものをカバーした曲。あまり抑揚のない曲で淡々と歌われる曲が、映画に妙に合っていました。

2021年6月14日 (月)

今日の音楽 6月14日 アルビノーニのアダージョ(再掲載)

1671年6月14日は、トマゾ・アルビノーニの誕生日です。
アルビノーニといえば、現在はオーボエ協奏曲などの器楽曲で知られていますが、実はオペラ作曲家だったようです。記録によれば52曲程のオペラを作曲しているそうですが、現在はそのほとんどが失われてしまっており、アルビノーニの本当の功績は伝えられていないようです。

 

現在、最も有名な曲は、アルビノーニのアダージョと呼ばれる「オルガンと弦楽のためのアダージョ」ですが、実はこれは最近の研究では真っ赤な偽物である事がわかっています。
従来は第二次大戦によって破壊されたザクセン図書館の廃墟で見つかったアルビノーニのソナタ ト短調の断片を元に、ジャゾットが編曲したものと言われて来ましたが、現在ではジャゾットによる完全なオリジナルという事が判明されています。

 

まあ、そうは言ってもこの曲、映画やTVなどでも多く使われていますが、「ローラー・ボール」が最も印象的でした。

2021年6月13日 (日)

今日の音楽 6月13日 ペトルーシュカからの3楽章(再掲載)

ストラヴィンスキーのバレエ「ペトルーシュカ」が初演されたのが1911年6月13日、パリのシャトレ座です。初演は概ね成功でしたが、聴衆は時にグロテスクなこの曲に面食らうこともあった・・・と書かれています。
今聴くと非常に溌剌としていて旋律もわかり易くて、「春の祭典」に比べれば大人しい(笑)曲ですけどね。。

ストラヴィンスキー自身がアルトゥール・ルービンシュタインのためにピアノ独奏に編曲したのが「ペトルーシュカからの三楽章」。第1場の「ロシアの踊り」、第2場の「ペトルーシュカの部屋」、第4場の「謝肉祭の夕方」を編曲した「謝肉祭の日」の3つの楽章で出来ています。ルービンシュタインからの依頼は「過去のどの曲よりも難しいものを」という条件だったそうで、その通り超難曲になっているみたいです(ピアノ弾けないからわからん)

譜面も3段が基本で4段のになっている場所もあるとか・・・
そんな難曲にもかかわらず、結構録音はいっぱいありますね。ルービンシュタイン自身は曲の出来(演奏の出来?)に満足できなかったのでレパートリーにはしたが録音は残していません。

ベスト盤は、やっぱりポリーニでしょうかね。結構弾くので精一杯という曲なので、表現力云々というのは難しいのでしょうけどね

この曲、「のだめカンタービレ」で重要な役割を果たして知られるところとなりました。

のだめが参加したマラドーナピアノコンクールの最終本選の曲。高熱による練習不足で、会場へ向かう時に耳についてしまった「きょうの料理」のテーマが途中で入ってしまう・・・という妙な「ペトルーシュカ」でした。

 

2021年6月12日 (土)

今日の音楽 6月12日 弦楽四重奏曲(フォーレ)(再掲載)

1925年6月12日、フォーレの死後約半年後に最後の作品弦楽四重奏曲が初演されました。

フォーレの音楽は、ダイナミクスやアンジュレーションによる劇的効果を狙う音楽では無かったため、ドビュッシーなどによって「サロン音楽」などと批判されたりもしましたが、とても耳障りの良い心地よさを持っています。劇的効果を狙わないため、編成も大規模なものは必要とせず、特に室内楽の分野では多くの傑作を残しています。
フォーレは、ピアノ五重奏、ピアノ四重奏を各2曲、ピアノ三重奏を1曲作曲していますが、唯一ピアノを含まないのが、この弦楽四重奏です。フォーレは、弟子に「君がよく見て、おかしなところが無ければ発表してくれ」と言ったというエピソードがあります。先ほど述べたように、心地よい音楽なのですが、それゆえに輪郭がはっきりした作風ではないためピアノがそれを補っていたと思われますので、ピアノを欠く室内楽には自信が無かったのでしょうか。

最晩年作品ですので、調性はかなり12音に近づいてはいます。また、フォーレはベートーヴェン、スメタナ同様耳の病に悩まされており、特に高音域、低音域が中音域に寄って聴こえるという難聴だったため、この曲は中音域に音が寄っています。したがって、ヴィオラが大活躍する曲で、第1楽章冒頭もヴィオラで開始されます。第1楽章は教会旋法(フリギア旋法)を用いています。
第2主題も教会旋法(ロクリアン)で作られています。3つの主題によって構成されていますが、その内、第2主題と第3主題の提示は、やはりヴィオラです。
実は、この曲フォーレ自身1楽章と2楽章の間に4つ目の楽章を考えていたようですが、結局それは完成されずに亡くなっています。一応、3つの楽章で完成した形になっているので、未完成作品とはなっていませんが・・・

 

この曲は、冒頭が聞き取れるボリュームで聞き始めれば最後まで聞こえなくなったり、突然大音量で驚かされたりという事はありませんので夜中でも安心して聴く事ができる曲です(笑)

2021年6月11日 (金)

今日の音楽 6月11日 駅馬車(再掲載)

俳優のジョン・ウェインは1979年6月11日に胃癌で亡くなりました。

 

西部劇といえばジョン・ウェインとジョン・フォード。という程のアメリカを代表する俳優ジョン・ウェインは、端役の時代から仲の良かったジョン・フォードの出世作「駅馬車」に主演し成功を収めました。その後は「黄色いリボン」「静かなる男」「リバティ・バランスを撃った男」などジョン・フォードの映画に20作以上も登場しています。

1964年に肺癌になり、片肺で出演した1969年の「勇気ある追跡」で初のアカデミー主演男優賞を獲得しました。主題歌の「駅馬車」は元々イギリス民謡を編曲したものです。

 

2021年6月10日 (木)

今日の音楽 6月10日 2つのノヴェレッテ

プーランクの2つのノヴェレッテは1928年6月10日にパリで初演されました。

ノヴェレッテは、短編小説という意味で、シューマンのピアノ曲集「8つのノヴェレッテ」に倣ったもの。プーランクは「ノヴェレッテ」を3曲作曲しましたが、最初の2曲を「2つのノヴェレッテ」として表記しています。1曲目はプーランクがおばと呼んで親しんでいたリエナール夫人、2曲目は友人の音楽評論家ルイ・ラロワに捧げられています。

2021年6月 9日 (水)

今日の音楽 6月9日 交響的組曲「ユーカラ」(再掲載)

早坂文雄の交響的組曲「ユーカラ」は1955年6月9日に上田仁指揮東京交響楽団の演奏で日比谷公会堂で初演されました。

 

「七人の侍」など黒澤明の映画の音楽を数多く作曲した作曲家としても知られている早坂文雄が作曲した最後の大作が、交響的組曲「ユーカラ」です。

 

金田一京助が訳したアイヌの叙事詩「ユーカラ」を題材にした6曲からなる組曲です。それぞれの曲のタイトルは
1.プロローグ
2.ハンロッカ・・・ハンロッカは「砂むぐり燕」の神
3.サンタトリバイナ・・・月中の童子説話
4.ハンチキキー・・・雀神酒神の説話
5.ノーベー・・・ピポクの嶽の女神嫉妬の説話
6.ケネベツイツイ・・・荒熊を懲らしめる話

 

2021年6月 8日 (火)

今日の音楽 6月8日 ヒーロー(再掲載)

歌手のボニー・タイラーは1951年6月8日にウェールズで生まれました。

オペラ好きの母親から音楽的な影響を受けたボニー・タイラーは、ジャニス・ジョプリンやティナ・ターナーに感化され10代の頃からバンドを組んで歌っていました。

1975年に最初のシングルを発売し、パワフルな歌は徐々に人気を獲得していき1978年の"It's a heartache"でスターダムにのし上がりました。

1984年に公開された映画「フットルース」の挿入歌「ヒーロー」は、彼女の最後の大ヒット曲となりましたが、日本では麻倉美稀がテレビドラマ「スクール☆ウォーズ」のテーマとしてカバーしてヒットしました。

 

2021年6月 7日 (月)

今日の音楽 6月7日 4つの海の間奏曲(再掲載)

1945年6月7日はブリテンの代表的オペラ「ピーター・グライムス」が初演された日です。

ピーター・グライムスはイングランドの海辺の寒村の漁師ピーターの徒弟や憧れの女性に対する歪んだ愛情を描く悲劇作品です。
オペラ全体を聴くのは若干重たいので、演奏会でも時々取り上げられる「4つの海の間奏曲」にしましょう。
この曲は、オペラの中の海に関する4曲を声楽部分を除いて編集されたもので、夜明け、日曜の朝、月光、嵐の4曲からなります。4曲全部で15分程度の曲なので是非どうぞ。

それぞれ特徴のある曲なのですが、特に3曲めがイギリスっぽい音楽かな。ディリアスの風味も感じられます。海の嵐を扱った曲はいっぱいありますが、この4曲目の嵐はマーラーっぽい旋律が出てきたりでドイツ音楽っぽいですかね。

もちろん、ブリテン自身の録音も残されていますので、とりあえずはそれを聴いてみるのが良いでしょう。

 

2021年6月 6日 (日)

今日の音楽 6月6日 ナッシング・フロム・ナッシング(再掲載)

1946年9月2日は、アメリカのキーボード奏者ビリー・プレストンの誕生日です。

あまり名前は知られていないかもしれませんが、1960年代から70年代にかけてのアメリカの代表的なキーボード奏者です。ビートルズのレット・イット・ビーのアルバム録音に参加し5番目のビートルズと呼ばれる時期もありました。その後ソロミュージシャンとして活躍、最もヒットしたのが「ナッシング・フロム・ナッシング」という軽快な曲。歌も上手いですよ。

その後、エリック・クラプトンやエルトン・ジョンのコンサートなどにも参加し活躍しましたが、2006年6月6日に腎臓の病で亡くなっています。享年59歳。

2021年6月 5日 (土)

今日の音楽 6月5日 自動記述法

サティのピアノ曲「自動記述法」は1913年6月5日にパリで初演されました。

全3曲からなるピアノ曲集。譜面には小節線がなく、それぞれの曲にはところどころに作曲者による書き込みがあります。第1曲「船について」には「波のまにまに」、「船長が言う:すばらしい航海だ」といった海の描写、第2曲「ランプについて」には「まだ灯をつけないで 時間はあるのだから」や「あなたの前を少し明るく」、第3曲「ヘルメットについて」は「何と大勢の人たち」「大佐だ、ひとりでいるあの美男子」というもの。

まあ、曲とは一切関係ないのもサティらしいですが。

2021年6月 4日 (金)

今日の音楽 6月4日 波の娘(再掲載)

シベリウスの交響詩「波の娘」op.73は1914年6月4日にアメリカのノーフォーク音楽祭で初演されました。

「波の娘」はシベリウスにしては珍しくフィンランドに直接関係しないギリシア神話に基づく題材による曲です。アメリカの実業家によって委嘱された作品で当初は3曲からなる組曲として計画されましたが、最終的には三部形式の交響詩として発表されました。

冒頭ヴァイオリンによって波のうねりが演奏され、その上を飛び跳ねる波の娘たちがフルートによって表現されます。

 

 

2021年6月 3日 (木)

今日の音楽 6月3日 ワイルド・ワン(再掲載)

アメリカの女性ロックの先駆的存在のスージー・クアトロは1960年6月3日にデトロイトで生まれました。

アメリカではなかなか売れず、受け入れられなかったスージー・クワトロでしたが、イギリスや日本ではヒット曲を連発し大規模な日本ツアーも行われました。

「ワイルド・ワン」は6枚目のシングルで、後のアルバムでは若干テンポを落としたバージョンも録音されています。

 

 

2021年6月 2日 (水)

今日の音楽 6月2日 ハネケンのフックト・オン(再掲載)

今日は羽田健太郎の命日。59歳の死は本当に惜しかったなあ。

ハネケンは、桐朋のピアノ科を卒業しましたが、クラシックのピアニストで食べて行く難しさから、父親に死別した1歳以降自分を育ててくれた母親に一刻も早く恩返しがしたいという思いで軽音楽の道を選んだわけです。スタジオミュージシャンとして非常に高いレベルであったために重宝され、当時のサラリーマンの月給分を2日で稼げるほどになっていました。

その後、クラシックの演奏会にもしばしば登場するようになり、ポップスの世界と並行してクラシックをより親しみ易くといった試みをしていったわけです。
アニメ、TV番組、映画のアレンジや演奏を多く手がけていますが、彼のCDにフックト・オンシリーズがあります。フックト・オンといえば、その昔のディスコブームの時にクラシック音楽をビートに乗っけて繋げるというのが流行しましたが、ハネケンのそれは、ディスコ狙いではなくて、クラシック音楽を楽しく、より多くの人に聴いてもらいたいという事で生まれたわけです。1作目がフックト・オン・モーツァルト、つづいてフックト・オン・チャイコフスキー、そしてフックト・オン・スペイン。モーツァルトやチャイコフスキーは過去のフックト・オン・ブームの時にいろいろな人が取り上げましたが、フックト・オン・スペインは先例がありません。ビゼーのカルメンを柱に、スペイン奇想曲やスペイン交響曲などスペインの名がつく音楽や、ファリャ、ロドリーゴなどのスペイン作曲家の曲、さらに自作曲も取り上げたメドレーです。

2021年6月 1日 (火)

今日の音楽 6月1日 ハンガリー幻想曲(再掲載)

リストのハンガリー幻想曲は1853年6月1日、ブダペストでビューローのピアノ独奏で初演されました。

 

ハンガリー幻想曲は、正式名を「ハンガリー民謡の旋律にもとづく幻想曲」といい、ピアノ独奏と管弦楽のための曲です。原曲は、ピアノ独奏のためのハンガリー狂詩曲第14番です。ハンガリー狂詩曲第14番は、弟子のドップラーによって管弦楽曲にも編曲され、管弦楽版のハンガリー狂詩曲第1番としても知られている曲です。

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