今日の音楽 4月30日 室内音楽第3番
ヒンデミットの室内音楽第3番は1925年4月30日に初演されました。
チェロと室内オーケストラのための作品。1管の管楽器と弦楽合奏と独奏チェロからなります。室内音楽シリーズはヒンデミットの音楽の集大成なので、これらを聴くことでヒンデミットの世界がわかると言われています。
デュトワ指揮 モントリオール・シンフォニエッタ: ストラヴィンスキー:バレエ《ミューズの神を率いるアポロ》、協奏曲《ダンバートン・オークス》、協奏的舞曲、《バーゼル協奏曲》
カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団: グリーグ:《ペール・ギュント》第1組曲&第2組曲/シベリウス:交響詩《フィンランディア》 他 (SHM-CD)
ロストロポーヴィチ(vc)小澤征爾指揮ロンドン交響楽団: ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番/プロコフィエフ:交響的協奏曲
アルゲリッチ(p)シャイー指揮ベルリン放送交響楽団: チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 (SHM-CD)
ブルガーゴーズマン(S)ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管弦楽団: ワーグナー:管弦楽曲集、ヴェーゼンドンクの5つの詩
アルゲリッチ(p)アバド指揮ロンドン交響楽団: ショパン: ピアノ協奏曲第1番/リスト: ピアノ協奏曲第1番 (生産限定盤)(UHQCD)(特典:なし)
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ヒンデミットの室内音楽第3番は1925年4月30日に初演されました。
チェロと室内オーケストラのための作品。1管の管楽器と弦楽合奏と独奏チェロからなります。室内音楽シリーズはヒンデミットの音楽の集大成なので、これらを聴くことでヒンデミットの世界がわかると言われています。
2019年に入ります。重大ニュースは・・・日本でラグビー・ワールドカップが開催され、日本は史上初の決勝トーナメント進出の快挙を成し遂げました。
この年の映画興行収入第1位は 「天気の子」でした。「君の名は」以来の新海誠監督のアニメ作品。神津島を家出をした高校1年生森嶋帆高と、本当の「晴れ女」天野陽菜との出会い、「晴れ女」がマスコミを通じて一般に知られることになり逃亡する陽菜と捜索願が出ている帆高の逃避行。拳銃を発砲したことで警察に追われ帆高は逮捕され神津島に戻される。
その後2年半雨が降り続け、大学進学で東京へ戻った帆高は陽菜と再会を果たす。
大人の事情が子供にとって残酷である事を物語る作品。主題歌はRADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ」など。
2018年4月の合唱団とのコンサートのメイン曲は、プッチーニの4声のミサ曲でした。
プッチーニがパチーニ音楽学校の卒業制作として作曲した曲ですが初演後は、プッチーニの意思で出版されず再演されたのは死後の1951年、出版は1974年でした。
キリエ、グローリア、クレド、サンクトゥス-ベネディクトゥス、アニュス・デイの5曲ですが、グローリアとクレドが全体の大半の時間を占めているため、「グローリア・ミサ」と呼ばれる事もあります。50分を要する大曲ですが、イタリアのプッチーニの作品らしい明るさに満ちたミサ曲になっています。
合唱団との共演では、聴き慣れない宗教曲などを演奏する事があります。グノーの聖チェチーリアミサなどイマイチな曲もありますが、モーツァルトのレクイエム、東日本大震災の影響で幻に終わったメンデルスゾーンの最初のワルプルギスの夜、オルフのカルミナ・ブラーナなどなかなか経験できない作品を演奏できたのは、合唱団が存在していたおかげです。この4声のミサ曲も、後にオペラに転用された曲があるほどのメロディも登場しますし、楽しい曲でした。
ニールセンの愛の賛歌op.12は、1897年4月27日にコペンハーゲンで初演されました。
独唱、合唱と管弦楽のために作曲された曲。4つの部分で構成され幼年期から青年期、壮年期、老年期それぞれの愛を表現したもの。
幼年期は児童合唱、青年期はテノール、ソプラノと合唱、壮年期はソプラノが不幸な女性を演じ、老年期は男声のソリストたちが老いた人々を、合唱が天国の天使たちを表現するなどの工夫がされています。なかなか美しい曲です。
2018年4月の合唱団とのコンサートの中プロは、プッチーニの交響的奇想曲でした。
滅多に聴くことができない、プッチーニの管弦楽曲のひとつ。プッチーニといえば、イタリアを代表するオペラ作曲家のひとり。そして「蝶々夫人」の「ある晴れた日に」、「トスカ」の「星は光りぬ」「歌に生き、恋に生き」、ボエームの「私の名はミミ」、ジャンニ・スキッキの「私のお父さん」、「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」などなど、美しくドラマティックなメロディで知られる作曲家です。
そんなプッチーニが作曲した管弦楽曲ですから、美しいメロディと劇的な展開・・・と思うのですが、「ボエーム」の前奏を動機として使って劇的な展開を見せますが、メロディは期待していたほどでは無いかな。やはり歌とは違うのでしょうか。
でも、貴重な体験でした。コントラバス、結構難しかった。
2018年4月のフィルハーモニッシャー・コール(パイオニア合唱団から発展)の第2回定期演奏会にパイオニア交響楽団が参加。この演奏会はプッチーニ・プログラムで、前プロは聖パオリーノのためのモテットでした。
バリトン独唱と合唱、管弦楽のためのモテットです。あんまり良く覚えていないのですが、プッチーニの数々のオペラを考えるとかなり作風が違う、力強い曲だったこと。特に冒頭は、以前2回目のベルギーツアーーで、ブルージュ(ブラッヘ)の合唱団と共演したペーター・ブノアの「ルーベンス・カンタータ」に酷似していたことは覚えてます。
映画「万引家族」は2018年6月に公開されました。
下町に住む、赤の他人の集まりのニセ家族は万引を重ねながら密やかに社会の底辺で暮らしている。やがて年老いた祖母が亡くなるが年金を受けるために死を隠すが、それが発覚し家族は崩壊していく。ただ、その家族は血縁は無いが、家族らしい家族だった。
その擬似家族の大黒柱の治にはリリー・フランキー、妻信代に安藤サクラ、妹亜紀には松岡茉優、母には樹木希林がキャスティングされていました。
監督は是枝裕和でカンヌ国際映画祭のパルム・ドールを筆頭に国内外の様々な賞を受賞しています。音楽は細野晴臣が担当。
ハチャトゥリャンの交響曲第1番ホ短調は1935年4月23日にモスクワ音楽院大ホールでセーンカル指揮モスクワ・フィルハーモニー交響楽団の演奏により初演されました。
この曲はハチャトゥリャンのモスクワ音楽院の卒業作品。アルメニアのソ連加入15周年を記念した祝典曲として作曲されたものです。
スケルツォ楽章を欠く3楽章の作品で、アルメニアの民族色豊かなメロディや、その後のハチャトゥリャンを髣髴とさせる美しいメロディとリズムの特徴が既に顔を出している曲です。
2018年1月のパイオニア交響楽団第30回定期演奏会のアンコール曲は、正月明けすぐという事もあって、ヨハン・シュトラウス一世のラデツキー行進曲を演奏しました。
ヨハン・シュトラウス(父)の最高傑作とも言われ、唯一今でも頻繁に演奏される曲です。
「諸国民の春」の革命当時オーストリア帝国領であった北イタリアの独立運動を鎮圧したラデツキー将軍を称えた曲。1958年以降のニューイヤーコンサートで毎年演奏される曲。
今では、第1アンコールが「美しく青きドナウ」、第2アンコールが「ラデツキー行進曲」というのが定番になっています。
シュトラウス父の最高傑作であり、行進曲の中でも最も有名な曲のひとつになっています。
演奏も比較的容易で、皆知っている曲なので盛り上がりました。
バルトークのピアノのための組曲Sz.62は、1919年4月21日にブダペストでバルトーク自身の演奏で初演されました。
バルトークのピアノ曲の中でもピアノソナタに比肩しうる重要な作品と言われる曲です。バルトークといえば東ヨーロッパの民謡などの蒐集家として知られ、それらの旋律を用いる事が多いのですが、この曲は純粋な音楽になっています。
全4曲で十二音技法やアラブや北アフリカの音楽の影響などが表れた作品です。
映画「祈りの幕が下りる時」は2018年1月に公開されました。
東野圭吾の「加賀恭一郎」シリーズの集大成となる作品を原作とするミステリー。演出家の浅居博美の友人押谷道子の殺害事件と、加賀の母親が何故加賀を捨てて家を出たか、その後どう生活していたかを基軸にしたストーリーになっています。
加賀恭一郎には劇場版の「麒麟の翼」、テレビドラマの「眠りの森」「新参者」などで加賀を演じた阿部寛。浅居博美を松嶋菜々子が演じていました。
主題歌はJUJUの「東京」です。
2018年1月のパイオニア交響楽団第30回定期演奏会のメイン曲は、ラフマニノフの交響曲第2番でした。
ラフマニノフが交響曲第1番の初演の失敗による精神的な痛手から立ち直り、ピアノ協奏曲第2番で大成功を収め、最も充実した時期に作曲した曲です。3管編成(コントラファゴットは無し)による演奏に1時間程度かかる長大な曲で、今回の演奏会のチャレンジプログラムでした。
この曲の目玉は、甘美な第3楽章でしょう。いきなり主題が演奏されますが、この主題はロック歌手のエリック・カルメンがこのメロディを元に「恋にノータッチ」を作曲した事でも知られています。ちなみに、エリック・カルメンはラフマニノフが大好きで、ソロ・デビュー曲の「オール・バイ・マイセルフ」はピアノ協奏曲第2番の第2楽章を元に作曲しています。
第2楽章のスケルツォ楽章も難しいけれどとっても楽しい曲。
終楽章はワクワクするような力強い曲で、最後もラフマニノフらしい激しくも華やかに終えます。
ちょっと長すぎる曲なので、通して聞くと途中で眠くなりますが、どの楽章も見所満載なので分けて聴いても最後まで聴いたもらいたい曲です。でも、演奏は結構難しかった!
ラヴェルの古風なメヌエットは1898年4月18日にパリのサル・エラールでピニェスのピアノで初演されました。
タイトルは「古風なメヌエット」ですが、ラヴェル独特の色彩感もあまり無く、後に作曲される「クープランの墓」のような古典的な色合いが強い曲でもなく、ちょっと中途半端感がある事はラヴェル自身も認めているようです。
1930年には管弦楽に編曲して初演されています。
2018年の日本での映画興行収入第2位は劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命でした。
テレビ番組として放映されていたものが、最後の完結編のようなものを映画でやるというのは、はっきり言ってどうかとは思います。まあ、コードブルーの劇場版が完結編なのかはわかりませんが、その後テレビシリーズが無いので、完結したのかな。「SPEC」も同様です。
1年ぐらいたてばテレビでやるので、待てば良いのでしょうが。
この劇場版で山下智久演じる藍沢先生が感電事故にあって、肺の機能がストップした際の治療に使われた装置が、ECMO。放映当時は専門家以外は名前すら知らないものでしたが、新型コロナのおかげで、いまや知らない人はいない体外式の人口肺になりました。まさか、こんなことになるとは、映画作った当時の関係者は想像もしなかったでしょう。
主題歌はテレビ版と同じ、Mr. Childrenの「HANABI」です。HANABIは2008年に発売されたミスチルの33枚目のシングルで2008年のオリコン年間6位になったヒット曲。2017年のコードブルー第3シリーズの主題歌にも採用されたため再びヒットしています。
2018年1月のパイオニア交響楽団第30回定期演奏会の前プロはレハールの喜歌劇「メリー・ウィドウ」より舞踏会の妖精でした。
オペレッタの中からレハール自身が第1幕のフィナーレのワルツを中心に編曲した曲。この演奏会は私が実行委員長だったので、オープニングは正月らしい明るい曲をやりたいという事で、私の大好きな「メリー・ウィドウ」を推して認められました。
ワルツのほか、有名な二重唱「唇は黙して」などが散りばめられたとても楽しい曲です。
2018年のネタに入ります。この年は日産のゴーン会長逮捕、オウム真理教松本死刑囚らの死刑執行などがありました。
2018年の日本での映画興行成績第1位は、「ボヘミアン・ラプソディ」でした。
エイズで45歳の若さで亡くなったフレディ・マーキュリーを主人公に結成からライヴエイド出演までを描いた伝記映画でした。
私が始めて洋楽を「洋楽」と意識して聞いたのがビートルズの「ヘイ・ジュード」。中学校に入ると、カーペンターズのようなソフトな曲も聞きましたが、ロックミュージックも聴き捲くりました。ビートルズは中学時代は既に解散していましたが、ロックン・ロールから、ハード・ロックまたはヘヴィ・ロックと呼ばれるディープ・パープルなど、さらにプログレッシヴやグラムロックなど多くのスタイルが派生していきました。
私のクイーンとの出会いは、1974年に発売された「輝ける7つの海」。クイーンの出世作でした。その後キラー・クイーンが大ヒットし「ボヘミアン・ラプソディ」の全英チャート9週連続ヒットに繋がっていきました。
キーボードとヴォーカルを担当したフレディ・マーキュリー、独特のサウンドでロック界を代表するギタリストとなったブライアン・メイ、ドラマーのロジャー・テイラー、ベースのジョン・ディーコンの4人組の音楽的葛藤が生々しく描かれていました。
2017年のパイオニア交響楽団第29回定期演奏会のメイン曲はドヴォルザークの交響曲第8番ト長調でした。
この曲でステージに上がるのは3回目。交響曲で2回演奏している曲はたくさんありますが、3回演奏したのはブラームスの交響曲第1番とベートーヴェンの「運命」とこの曲の3曲だけです。
ドヴォルザークの交響曲第8番は、よく演奏される交響曲の中では最も難易度が低い曲と言われていますが、確かに楽器によってはそうかもしれませんが、ヴァイオリンとかフルートは結構難しいんですよね。ただ、ブラームスのような複雑な絡み合いがあったり、シューマンのように演奏不能と思われるような音が出てきたりは無いので、アンサンブルはし易い曲なのは確かです。
第8番は最近では標題で呼ばれることは無くなりましたが、昔は「イギリス」という標題が付けられる事が多かったと思います。曲自体は全くイギリスとは無関係で、むしろドヴォルザークの作品中最もボヘミア的な曲だと思います。「イギリス」という愛称はイギリスの出版社から出版したというだけだそうです。
第1楽章の導入部は重々しい序奏から始まりますがボヘミアの森を象徴するようなフルートのさえずりが主題の一部になっていくわけです。
第2楽章は三部形式の緩徐楽章。初めと終わりは短調の静かな響きですが、中間部はフルート、オーボエによる軽やかな長調に展じ、ヴァイオリンのソロが加わってクライマックスへ向かいます。このヴァイオリン・ソロは敬愛するブラームスが交響曲第1番の第2楽章でヴァイオリン・ソロを用いた事と無関係では無いと思います。
第3楽章は3拍子の舞曲。中間部は自作のオペラ「がんこな連中」から取ったものです。
第4楽章は変奏曲。主題と18の変奏からできていますが、これもブラームスの第4番の終楽章(パッサカリア)を参考にしたようです。トランペットのファンファーレの後、チェロのメロディとコントラバスのピチカート伴奏だけで主題が演奏され、それが楽器を加え変奏されていきます。
個人的な感想ですが、フィナーレの最後、輝かしいコーダ、と思うのですが7番と9番のねちっこさに比較して、結構あっさり終わっちゃいますね。
モーツァルトのディヴェルティメント 変ホ長調K.563(弦楽三重奏のためのディヴェルティメント)は1789年4月13日にテイバーのヴァイオリン、モーツァルト自身のヴィオラ、クラフトのチェロの演奏でドレスデンで初演されました。
ディヴェルティメントという題名ですが、音楽的にかなり高いものを目指している曲です。6つの楽章の50分を要する大曲で、ロマン派のような響きすら感じさせる曲です。技術的にも高度な曲ですが、初演のヴィオラをモーツァルトが弾いた事から、モーツァルトはヴィオラの演奏技術も高かったという事のようです。
2017年5月のパイオニア交響楽団第29回定期演奏会の2曲目は、チャイコフスキーのバレエ組曲「眠れる森の美女」を演奏しました。
ペローの童話「眠れる森の美女」を下敷きにしたバレエ音楽で、チャイコフスキーのバレエ音楽の中で最も上演時間の長い大作です。
チャイコフスキーの三大バレエは人気が高く、演奏会でもそれぞれの組曲は人気のある演目なのですが、チャイコフスキー自身が作った組曲は「くるみ割り人形」だけです。「眠れる森の美女」の組曲はジロティがチャイコフスキーの承認の上で編纂したものと言われています。
この組曲の演奏が三大バレエの組曲の一番最後になりました。
組曲は5つの曲からなっています。
第1曲 導入部とリラの精 テンポの速い激しい導入部の後は、コール・アングレによるリラの精の旋律がはじまります。
第2曲 アダージョ 非常にドラマティックな曲。
第3曲 長靴をはいた猫と白い猫 猫の鳴き声やら何やら、バレエなら良いけど、演奏会用組曲としては奇妙な曲
第4曲 パノラマ 6拍子の曲ですがメロディが3拍子系、伴奏が2拍子系になっていて、テンポがゆったりしているのでとっても演奏しにくい曲です。
第5曲 ワルツ 有名な曲で、ワルツだけは4回目ぐらいの演奏でした。
映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は2017年9月に公開されました。
原作は東野圭吾。泥棒をした三人組が逃げ込んだ空家ナミヤ雑貨店の郵便口は、ナヤミ相談の郵便・・・しかも過去と現在をつなぐ・・・の窓口だった。三人組はこの悩み相談に返事を書くストーリーをオムニバス風に描いたもの。実はこれらの相談は自分たちの過去とも密接に繋がり互いに交錯する事に気づきます。
三人の泥棒は、山田涼介、村上虹郎、寛一郎が演じています。
主題歌は山下達郎の「REBORN」でした。
グリーグの劇音楽「十字軍の王シーグル」は1872年4月10日にオスロの王立劇場でヘンヌムの指揮で初演されました。
第1回十字軍に参加したノルウェーのシーグル1世を題材とした戯曲のための劇音楽を元に、3曲を抜粋して組曲としてもの。
第1曲は 第2幕の前奏曲ともなる「力比べ」、第2曲は第1幕から第2幕への間奏曲となる「ボルグヒルの夢」、第3曲は第3幕への前奏曲である「忠誠行進曲」。
で、個人的にこの曲大好きなんです。妙に古典的な響きがするのに、古典派音楽とは全く異なるグリーグの世界が繰り広げられています。
組曲のどの曲のメロディも親しみやすく、劇音楽ですから複雑な展開は無いものの楽しい音楽です。
もっと人気があっても良さそうなんですけどね。
2017年5月のパイオニア交響楽団第29回定期演奏会の前プロはスッペの喜歌劇「軽騎兵」序曲でした。
楽器を始めた年、高校1年の時から40数年ぶりの演奏。あの時は結構難しかった印象があったのですが、今回演奏してみると、他の曲に比べれば比較的単純な曲でした。
トランペットの派手なファンファーレから始まり、騎兵の軽やかな行進、死者のためのレクイエム、そしてまた行進という序曲自体は「詩人と農夫」と並んでスッペの代表作なのですが、実はこの喜歌劇自体は残されておらず、あらすじさえも分からない。
序曲から類推するにしても軽騎兵の活躍と、死を悼む音楽だけでは、歌劇はできても、喜歌劇にはなりません。
というわけで、単純に序曲自体をひとつの音楽として鑑賞しましょう。
2016年10月には高校OBを中心としたオーケストラの演奏会がありましたが、モーツァルトの「魔笛」序曲、チャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」、ベルリオーズの幻想交響曲と全て再演なので、ご紹介は割愛します。
2017年のお話に入ります。2017年の大きなニュースはアメリカでトランプ大統領が就任し、それまで世界のリーダーだったアメリカが方向を転換し世界の混乱が始まった年でした。
映画「君の膵臓を食べたい」は2017年7月に公開されました。主演は浜辺美波と北村匠海。
浜辺美波演じる山内桜良は膵臓の病で余命宣告をされた少女。死ぬまでにやりたい事に付き合う僕(志賀春樹)との交流を描いたもの。
結局桜良は1ヶ月の入院治療から解放され退院した日に通り魔に刺されて亡くなってしまいます。余命を全うする事ができなかったわけです。
浜辺美波はこの作品で注目され、日本アカデミー賞の新人賞など数々の新人賞を受賞し、現在では最も注目される若手女優となりました。
主題歌はMr.Children の himawariでした。
2016年7月のパイオニア交響楽団第28回定期演奏会のメイン曲は、バーンスタインのミュージカル「ウェストサイド物語」からシンフォニック・ダンスでした。
「ウェストサイド物語」は、今でもミュージカル映画の殆どの人気投票で1位に挙げられる傑作。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台を20世紀半ばのニューヨークに置き換えた作品です。
シンフォニック・ダンスは、このミュージカル中の曲を集めて編曲して作った演奏会用組曲で、全曲切れ目無く演奏されます。
1.プロローグ 指パッチンで象徴される登場の音楽
2.サムウェア このミュージカルの代表的ナンバーのひとつ
3.スケルツォ
4.マンボ 楽団員が「マンボ!」と叫ぶのが知られています
5.チャチャ
6.出会いの場面~クール~フーガ このあたりが少し眠くなります
7.ランブル 暴力的な音楽
8.フィナーレ サムウェアの音楽が動機として使われます。
パイオニア交響楽団のステージの中で最も印象に残った演奏会でした。クラシック音楽と言い放って良いのかどうかは別にして、やっぱり前衛音楽ではない現代の音楽というのは弾いていて楽しいし、活き活きとできます。
ちなみに、この曲で一番練習したところは・・・指パッチン・・・でした。
ルトスワフスキーの交響曲第1番は1948年4月6日にフィテルベルク指揮ポーランド国立交響楽団の演奏で初演されました。
4つの古典的配列からなる楽章を持つルトスワフスキー最初の交響曲。3管編成にピアノとハープという編成。第3楽章には十二音技法を使っています。ソ連からは形式主義的であると糾弾されています。
ラヴェルの「水の戯れ」は1902年4月5日にサル・プレイエルで行われたピニェスのピアノ・リサイタルで初演されました。
ラヴェルがコンセル・バトワール在学中に作曲したピアノ曲。七の和音、九の和音などが多用されているため、出版時にはサン=サーンスなどに酷評されましたが、今日では「水の運動と様態をこれほど見事に描いた作品はない」と言われる高い評価を得ています。
「水の戯れ」は原題のフランス語の"Jeux d'eau" を直訳すると組噴水という事で、制御された噴水の動きを表現したものです。
2016年7月のパイオニア交響楽団第28回定期演奏会の3曲目はブリテンのシンプル・シンフォニーでした。
シンフォニーと言っても弦楽合奏のための曲(弦楽四重奏版もあります)です。1923年から26年の間に作曲したピアノ曲を元に作曲されたものです。
第1楽章は「騒々しいブーレ」というタイトル。原曲は1926年の組曲第1番と1923年の「歌」。ソナタ形式でリズミカルですが、とっても清々しい曲です。
第2楽章は「遊び好きのピチカート」というピチカートの曲。原曲は1924年のスケルツォと同年の「歌」。複合三部形式で、中間部が大仰で偉そうな曲
第3楽章は「感傷的なサラバンド」。原曲は1925年の組曲第3番と1923年のワルツ。複合三部形式の美しい曲です。
第4楽章は「浮かれ気分の終曲」。1926年のピアノソナタ第9番と1925年の「歌」を原曲とするソナタ形式の曲。まあ、あんまり浮かれ気分では弾けない曲ですけど。
やっぱり弦楽合奏はとても楽しいです。勿論オーケストラ曲も楽しいですけど、それとは違った楽しみがあります。
2016年7月のパイオニア交響楽団第28回定期演奏会の2曲目は、トレーナーもお願いしている東京シティ・フィルのソロ・コンサート・マスター戸澤哲夫氏をソリストに招いてのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でした。
長い演奏生活ですが、実はヴァイオリン協奏曲はこれが2曲目。1曲目は大学の時のサン=サーンスの第3番なので実に40年ぶりぐらい。アマチュア・オーケストラは意外にヴァイオリン協奏曲を取り上げる事は多くないんです。理由はいくつかありますが、ひとつは編成。ピアノは楽器1台でオーケストラに対抗できる大きな音が出せますが、ヴァイオリンはオーケストラの中にオーケストラのメロディ担当と言うべきヴァイオリンがあるめに、編成大きくすると埋もれてしまいます。そのため現代音楽を除くと基本的には2管編成以下。
でも名曲はいっぱいあります。三大ヴァイオリン協奏曲、ベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーンの他に四大まで広げるとチャイコフスキー。その他にもシベリウス、パガニーニ第1番、ラロのスペイン交響曲、ブルッフの第1番など。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はとても華やかな曲。第2楽章は憂いを含んだ曲想で第2主題から先も長調への転調はあるもののピアノ協奏曲第1番の第2楽章のようにテンポを速めて弾ける事はありません。最後に第3楽章の断片が登場し切れ目なく終楽章に突入します。
コーダはチャイコフスキーらしいワクワク感たっぷりのフィナーレです。
今日から2016年のネタに入ります。この年はアメリカでトランプが予想を覆して大統領選に勝利した年。国内ではアベノミクスにもかかわらず景気が全く上がらず消費増税が再延期になりました。
邦楽の方は相変わらず AKBやら坂道とジャニーズが年間トップ50のうち39曲を占めてました。なのでパス。映画もあんまり見ていないのでパス。
2016年7月のパイオニア交響楽団第28回定期演奏会の前プロは、ボロディンの歌劇「イーゴリ公」序曲でした。
「イーゴリ公」といえば、ポロヴェッツ人の踊り(ダッタン人の踊り)がよく知られていて、序曲の知名度はイマイチですが、序曲もなかなかの曲です。コントラバスにとっては殆ど見せ場の無い「ポロヴェッツ人の踊り」に比べると序曲は結構な難易度です。
「イーゴリ公」はボロディンの多くの作品同様未完成に終わった曲で、リムスキー=コルサコフとグラズノフによって完成されました。「ポロヴェッツ人の踊り」はリムスキ=コルサコフがオーケストレーションを施し、序曲はグラズノフがボロディンが何度かピアノで弾いていたものを再構成してオーケストレーションをしたもの。この違いがはっきり出ているようです。
この序曲の中間部にもし「ポロヴィッツ人の踊り」の姫の旋律でも使っていたら、人気の序曲になったのでしょうが、全体的にとても楽しい曲なので勿体無いような気がします。
ヘンデルのオラトリオ「マカベウスのユダ」は1747年4月1日にロイヤル・オペラ・ハウスで初演されました。
「マカベウスのユダ」は旧約聖書続編の「マカバイ記」に登場する紀元前2世紀のユダヤの民族的英雄。偶像崇拝を強制する異教徒の圧制からイスラエルを解放した英雄です。
特に有名な曲は第58曲の「見よ、勇者は帰る」。知らない人がいないと言っても過言ではないほど、表彰式などでは無くてはならない曲です。この曲を元にベートーヴェンはチェロとピアノのための変奏曲を作曲しています。
この曲と「メサイア」の中の「ハレルヤ」はヘンデルの名を残した名合唱曲です。