今日の音楽 3月15日 バレエ組曲「火の鳥」
2014年10月のパイオニア交響楽団第26回定期演奏会のメイン曲は、ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」1919年版でした。
この曲も、1曲はチャレンジ曲をという考えで取り組んだこのオーケストラでは初の20世紀音楽です。ストラヴィンスキーの三大バレエ「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」の中でも最も初期のもので、変拍子などもあまり出てこないし不協和音も少なくメロディックな曲なので取り組み易い曲という事で選びました。
全曲版(1910年版)はストラヴィンスキーのバレエとしては異例の長さの50分弱の4管という大編成です。その後いくつかの組曲が編曲されました。
1919年版は二管編成で打楽器も減らされて、最もお手軽な曲になっています。今回はこの版を使用しました。
序奏~火の鳥の踊り~火の鳥のヴァリアシオン、王女たちのロンド、魔王カスチェイの凶悪な踊り、子守歌~終曲という構成になっています。
序奏はコントラバスがピチカートとアルコ(弓で弾く)の2つに分かれて重低音を繰り返すところから始まり、火の鳥の誕生を表します。王女たちの踊りは非常に美しいメロディを持つ曲で、凶悪な踊りはタイトル通り、不協和音も出てくる激しい曲、子守歌はファゴットが中心となり終極の盛り上がりの伏線として静かに演奏されます。
このほかに1911年版(全曲版に近い組曲、編成も大きい)や1945年版(2管編成だが現代音楽の要素がより強いため、演奏効果は1919年版より低いといわれる)もありますが、1919年版が圧倒的に演奏される機会が多いようです。
私は大学時代に委嘱作品である現代音楽を弾いた事もあり、芥川作品もいくつか弾いており、直前にルトスワフスキーの曲も弾いているのでこの程度の現代音楽はそれ程違和感なかったのですが、やっぱりこういう超盛り上がる曲は楽しいですよね。
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