今日の音楽 2月28日 シバの女王(グノー)
グノーの歌劇「シバの女王」は1862年2月28日にパリ・オペラ座で初演されました。
旧約聖書の時代のエルサレムの話。シバの国の女王バルキスとエルサレムの彫刻家アドニランの実らぬ恋を描いた作品。
オペラ自体はあまり演奏される事はありませんが、NHK-FMのクラシック音楽番組「音楽のすべて」のテーマ曲として使われていたワルツは華やかではありませんが、愛らしいメロディのワルツです。
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グノーの歌劇「シバの女王」は1862年2月28日にパリ・オペラ座で初演されました。
旧約聖書の時代のエルサレムの話。シバの国の女王バルキスとエルサレムの彫刻家アドニランの実らぬ恋を描いた作品。
オペラ自体はあまり演奏される事はありませんが、NHK-FMのクラシック音楽番組「音楽のすべて」のテーマ曲として使われていたワルツは華やかではありませんが、愛らしいメロディのワルツです。
2014年の日本での映画興行収入ランキング第1位は「アナと雪の女王」でした。
説明不要のディズニー・ミュージカル・アニメ。アンデルセンの「雪の女王」に着想を得て作られたアナとエルサをW主人公とする作品でした。
主題歌の「レット・イット・ゴー ~ありのままで」は日本語版のアナを担当した神田沙也加やエルサを担当した松たか子をはじめ多くの歌手がカバーしました。
ズッペの劇音楽「ウィーンの朝・昼・夜」は1844年2月26日に初演されました。
序曲は吹奏楽でも演奏される曲で、ロッシーニのような全体クレッシェンド、全体アッチェレランド風の曲。「軽騎兵」や「詩人と農夫」のような三部形式とはちょっと違った雰囲気の曲です。
イベールのフルート協奏曲は1934年2月25日にマルセル・モイーズのフルート独奏、ゴーベール指揮パリ音楽院管弦楽団の演奏で初演されました。
20世紀の代表的なフルート協奏曲。フルート協奏曲らしくないかなり元気な動きから始まり、やっぱりイベールらしく軽妙な音楽になっていきます。終楽章では4拍子と3拍子が交錯する序奏をもつロンド形式で、コーダはこの序奏が戻ってきて明るく終わります。
2013年11月には高校のオーケストラOBを中心にしたメンバーの演奏会がありましたが、プログラムはリストのレ・プレリュード、チャイコフスキーのイタリア奇想曲、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」という全て2回目以上の曲のため、ご紹介は割愛。
2014年に入ります。2014年は消費税率の5%から8%への引き上げが4月に実施されました。これは10%への段階的引き上げの第1歩でしたが個人消費が冷え込み翌年の10%引き上げ延期へ繋がっていったわけです。
2014年3月のパイオニア交響楽団第25回定期演奏会の前プロは、メンデルスゾーンの劇音楽「真夏の夜の夢」序曲でした。
この曲、元々は17歳の時に姉とのピアノ連弾をするために作曲されたもので、それをすぐにオーケストラ編曲しましたが、その時は序曲だけでした。この序曲を聴いて感銘を受けたプロイセン王の勅命によって、劇音楽が作曲されその序曲としても使われるようになったものです。したがって本来の劇音楽「真夏の夜の夢」には入っていませんが、通常演奏する際には序曲も使われています。
この曲、管楽器の和音の伸ばしによる神秘的な序奏にはじまり、弦楽器のざわめきから、妖精たちの跳ね回るような明るい描写など、天才メンデルスゾーンの力を余すことなく見せ付けた曲になっています。国王が感銘を受けるのもむべなるかなという感じです。
勿論メンデルスゾーンですから演奏は簡単ではありませんが、弾いててもとっても楽しい曲です。
2013年7月の合唱団との合同演奏会、前半の終盤は東京芸術劇場のパイプオルガンを使った曲でバッハの「トッカータとフーガ」ニ短調とヴィドールのオルガン交響曲第5番の終楽章トッカータが演奏されました。
この時に初めて知ったのですが、芸劇のパイプオルガンは実はリバーシブルだったんです。いつも見ている姿は、ブラウン色のクラシックスタイルでしたが、回転するとシルバー調のモダンスタイルに変貌。勿論音色も変わるという珍しいオルガンだったんですね。
この演奏会では、バッハのトッカータとフーガニ短調はクラシックスタイルで演奏し、その後オルガンを回転させてモダンスタイルで演奏されたのが、このヴィドールのオルガン交響曲第5番のトッカータでした。
ヴィドールは19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスのオルガン奏者、作曲家、教育家です。パリ音楽院のオルガン科教授にセザール・フランク亡き後就任し、その後作曲科教授に転身しました。門人にはミヨーやヴァレーズなどがいます。
ヴィドールは10曲のオルガン交響曲を作曲していますが、その中で最も知られるのがこの第5番、特に終楽章のトッカータ。煌びやかでゴージャスな音色は、モダンオルガンにぴったりでした。
アイヴズの交響曲第2番は1951年2月22日にバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏で初演されました。
エール大学で作曲を学んだアイヴズは、音楽では生計が立てられないと考え、友人とともに設立した保険会社の副社長を務めるかたわら趣味として作曲を続けた半ばアマチュアの作曲家です。独創的なアメリカ現代音楽だったこともあり、生存中は殆ど認められず演奏される事も少なかったようです。
この曲も作曲から初演まで50年もの期間が必要でした。5つの楽章で構成されアメリカの様々な曲が引用されています。「ロング・ロング・アゴー」「アメリカ・ザ・ビューティフル」「草競馬」「主人は冷たい土の中に」や、ベートーヴェンの「運命」、ブラ1なども登場し、最後はアメリカの愛国歌「コロンビア・大洋の宝」が引用され不協和音で終わっています。
アイヴズにはこういったコラージュがふんだんに取り入れられる曲が多くあります。
ムソルグスキーの歌劇「ホヴァンシチーナ」は1886年2月21日にサンクトペテルブルクで初演されました。
ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」同様帝政ロシア時代の史実に基づく歌劇。17世紀のピョートル大帝即位、摂政ソフィアの失脚から銃兵隊弾圧を題材としています。実際は未完成に終わったもので、リムスキー=コルサコフやショスタコーヴィチなど複数の作曲家による完成版があります。
このオペラの前奏曲が「モスクワ河の夜明け」というタイトルで知られているもので、川の小波や鳥のさえずり声などが政争を扱った歌劇自体とは対照的に情景描写されています。
ファリャのアンダルシア幻想曲(ペティカ幻想曲)は1920年2月20日にアルトゥール・ルービンシュタインのピアノ演奏でニューヨークで初演されました。
20世紀の名ピアニスト アルトゥール・ルービンシュタインの委嘱によってファリャが作曲したピアノ独奏曲。フラメンコのリズムやギターを模した奏法などスペイン民族主義の代表的作曲家であるファリャらしい曲です。
2013年のパイオニア合唱団との合同演奏会2曲目は、バッハのカンタータ第147番よりコラール「主よ、人の望みの喜びよ」でした。
バッハが聖母マリア訪問の祝日のために作曲された10曲からなるカンタータ。特に第6曲のコラール合唱と第10曲のコラール合唱(メロディは一緒だが歌詞が違う)のメロディは有名。第10曲は「主よ、人の望みの喜びよ」として知られています。
3連符による動きのある伴奏と伸びやかな合唱の対比が美しい曲です。ピアノ独奏など様々な曲に編曲もされています。勿論コントラバス(通奏低音)は3連符は出てきません。
ブラームスのドイツ・レクイエムop.45は1869年2月18日にライネッケ指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏で全曲初演されました。
通常レクイエムはカトリックの死者の安息を願う音楽でラテン語の祈祷文に従って作曲されます。ブラームスはルター派の信者でルター聖書のドイツ語版から選んだ歌詞を用いたいます。レクイエムというタイトルですが演奏会用作品として作曲され典礼音楽では無いというのが大きな特徴です。7つの曲から構成されていて、初演までに作曲されたものから初演されたという経歴を持つ曲です。
プッチーニの歌劇「蝶々夫人」は1904年2月17日にミラノのスカラ座で初演されました。
プッチーニの油の乗った時期に作曲されたオペラで、アメリカの海軍士官ピンカートンが日本での任務中に娶ったのが蝶々さん。蝶々さんはピンカートンを愛しキリスト教に改宗までしますが、ピンカートンは任務を終えて「すぐに戻ってくる」と適当な事を言ってアメリカに去ります。その後蝶々さんはピンカートンを信じて子供とともに待ち続けますが、ピンカートンは既にアメリカで結婚してしまいます。
ピンカートンは、蝶々さんの一途な気持ちを知り、子供を引き取るためにアメリカでの妻ケイトがやってきます。その場で子供を預け、蝶々さんは自刃します。
このオペラの中で最も有名なアリアが、ピンカートンを信じて待ち続ける蝶々夫人が第2幕で歌うアリア「ある晴れた日に」です。非常に美しいメロディとドラマティックな展開で、プッチーニの数あるオペラ・アリアの中でもトップクラスの人気を誇る曲です。
2013年の合唱団とのジョイントコンサートは、「どこかで聴いたあのメロディ」というタイトルで、よく知られた曲を中心に演奏しています。1曲目はヘンデルのオラトリオ「メサイア」から ハレルヤでした。
世界の古今東西の合唱曲の中でも最も有名な曲と言っても過言ない曲。元々は2時間半にわたる長大なオラトリオ「メサイア」の第2部最後の曲。「メサイア」はイエス・キリストの生涯を題材とした曲で英語のテキストになっています。と言っても聴きなれない英語の単語が多くて、King of kings and Lord of lords ぐらいしかわかりませんが・・・
伴奏のオーケストラは管楽器がオーボエ、ファゴット、トランペット各2本、ティンパニと弦楽合奏に通奏低音(オルガンの場合が多い)という薄い編成なので、弾いてても楽しいですよ。
チャイコフスキーの交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」op.13は1868年2月15日にニコライ・ルビンシテインの指揮で初演されました。
「悲愴」と同様チャイコフスキー自身が標題をつけた交響曲です。抒情性豊かな作品ですが、後期3曲に比較するとちょっと浅い感じがします。
第1楽章は「冬の旅の幻想」という副題がつけられ、寂しげな民謡風の主題によって冬の雰囲気がよく表されています。
第2楽章は「陰気な土地、霧の土地」という副題がつけられ初演時に人気が高かった緩徐楽章。
第3楽章はスケルツォ楽章で中間部はワルツになっています。チャイコフスキーはスケルツォってちょっと苦手なのか、あんまり良い曲は無いですね。気質的に苦手なのかな。第4番ではスケルツォって言っても主部がピツィカートだけ、トリオも優雅な雰囲気の曲とは違ってせわしない木管楽器の音楽と金管中心の行進曲風音楽だし、第5番はスケルツォの替わりにワルツを入れているし、悲愴はご承知のように行進曲だし・・・
終楽章は南ロシア民謡に基づく主題で始まります。最後のクライマックスへ向かう高揚感はチャイコフスキーらしさの片鱗を見せています。堂々とした楽章です。
ハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」Hob.ⅩⅩ-1Aは1787年2月14日に初演されました。
「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」はスペインのカディス大聖堂からの依頼で作曲されました。聖金曜日の礼拝で福音書の7つの言葉をそれぞれ読んで瞑想する時間に演奏されるための音楽で序章と7つの言葉に対応する7曲のソナタと、最後のイエスの死の時に起こった地震をあ表した力強い曲で構成されています。
7つのソナタは瞑想時の音楽のため全て緩徐楽章で、ハイドン自身速度変化に乏しい音楽を続ける事は困難な作曲作業でしたが、完成されたものにハイドンも満足したようです。
後にオラトリオ版や弦楽四重奏版をハイドン自身が編曲しています。
2013年の日本での映画興行収入第15位は 劇場版SPEC~結~漸ノ篇 でした。
テレビドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」から続く完結編の映画作品。漸ノ篇と爻ノ篇と2回に分けて上演されました。
SPECホルダーを全滅させようとするシンプルプランとSPECホルダーたちの戦いを中心に描いた作品。
自らも強いSPECを持つ刑事当麻沙綾は戸田恵梨香、同僚の刑事瀬文に加瀬亮というテレビからのメンバーが引き続き登場します。
主題歌は THE RiCECOOKERSの audioletter でした。
2013年7月にはパイオニア合唱団との共演コンサートが開催されました。東日本大震災で中止になった演奏会に変わるコンサートで、「どこかで聴いたあの曲」をテーマにMCに壇ふみさんを迎え東京芸術劇場で開催されました。
オーケストラだけの曲としてワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲と共に、オッフェンバックの歌劇「天国と地獄」序曲を演奏しました。
誰でも知っている曲、我々の世代は文明堂のCM曲として知られている曲ですが、実は私も生で聴いたことはない、あまり演奏されない曲みたいです。
原題は「地獄のオルフェ」。ギリシャ神話のオルフェオとエウリディーチェ(このオペレッタではオルフェとウリディス)のエピソードに基づくもので、日本の神話でも、イザナギとイザナミの神話に類似したストーリーが見られます。
オッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ」は、このギリシャ神話を喜劇に翻案し、オルフェとウリディスは既にお互いを飽きてしまっていて、ウリディスが死んだ後もオルフェは不倫相手の羊飼いの娘とよろしくしたかったですが、このオペレッタの影の主人公である「世論」に押されて仕方なく黄泉の世界にウリディスを迎えに行くという「世論」に対する皮肉たっぷりの作品です。
本来はオッフェンバックのオリジナル版には序曲はありませんでしたが、ウィーン初演のために劇中の曲を編曲して3部構成の序曲が誕生しました。
第1部は、明るい曲。オーボエが羊飼いのテーマを奏でチェロの独奏が優雅に演奏され・・・という軽い曲。
第2部は、ヴァイオリン独奏ではじまるワルツ調のメロディ。
第3部が、有名な「カンカン」のメロディ
という具合です。とっても楽しい曲には違いありません。
2013年の国内興行収入第8位の映画は「真夏の方程式」でした。
原作は東野圭吾のガリレオシリーズ第6作。前に紹介した「容疑者Xの献身」、「聖女の救済」に次ぐ3つ目の長編です。
海底鉱物資源開発のアドバイザーとして説明会に出席する湯川博士と、旅館の娘であり環境保護活動家の川畑成実の対立と、子供が苦手な湯川と旅館のおかみさんの甥っ子恭平との交流を軸に、その地で起きた殺人事件を解いていく展開です。
湯川博士は福山雅治、相棒刑事は原作の内海薫から岸谷美砂に変わり吉高百合子が演じ、成実は杏、旅館の主人は前田吟、おかみさんは風吹ジュンが演じています。
音楽は菅野祐悟と福山雅治が担当しています。
2013年のパイオニア交響楽団第24回定期演奏会のメイン曲は、チャイコフスキーの交響曲第6番ロ短調「悲愴」でした。
「悲愴」は2回目の演奏。好き嫌いは別にして交響曲の傑作のひとつだと思います。チャイコフスキーの過去5つの交響曲は最後は華々しく終わるのですが、ご承知のとおり「悲愴」は静かに消え入るように終わります。チャイコフスキーは初演の9日後に急死し、諸説はありますがコレラと肺水腫が原因の急死なので作曲していた時期には特に死を意識する事はなかったと思いますが、何か感じることがあったのでしょうか。
第1楽章は、第1主題を暗示する序奏から始まります。第2主題は非常に甘美なメロディになっています。
第2楽章は4分の5拍子のワルツ。優雅なワルツですが、最後は下降音階を使いながら若干の暗さをもって静かに終わります。
第3楽章はスケルツォ+行進曲が併合した楽章。8分の12拍子のスケルツォの仲に4拍子の行進曲が現れ力強く高揚したまま終わります。
終楽章はテンポが遅い楽章。冒頭は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが1音ずつメロディを弾くという、対向配置でのステレオ効果を目論んだ工夫が斬新です。クライマックスの直後からブレーキがかかり楽器が減り、最後は消えていくという曲。
この曲は冒頭コントラバスが2つに分かれて五度から始まる弱音ではじまり、終楽章は最後まで残って、ここも2つに分かれてシンコペーションとピツィカートで終わるというとっても緊張度が高い曲。しかも3楽章で弾けた後に緊張感あふれる音楽を直ぐに演奏するというのは結構難しいです。
ベートーヴェンの劇音楽「シュテファン王」は1811年2月9日にブダペストで初演されました。
オーストリア皇帝フランツ一世が、当時支配していたハンガリー国内で沸き起こりつつあった国家主義的感情を鎮め、オーストリアに対するハンガリーの忠誠を称える目的でブダペストに建設した劇場のこけら落としに際し、劇付随音楽の作曲依頼を受けて作ったのが「シュテファン王」と「アテネの廃墟」でした。
「シュテファン王」は西暦1000年にハンガリー王国を建国したイシュトヴァーン一世の事で、劇音楽は序曲と9曲の声楽曲からできています。現在は、序曲のみが演奏される事がありますが、劇音楽は殆ど演奏されません。
シベリウスのカッサツィオーネop.6は1904年2月8日にシベリウス指揮ヘルシンキ・フィルハーモニック協会管弦楽団の演奏で初演されました。
カッサツィオーネ(カッサシオン)は18世紀後半に人気だったセレナーデに似た音楽形式で、曲は5つのエピソードから構成されています。
同日に初演されたカンタータ「火の起源」に隠れて話題にもならない作品だったようです。
シベリウスの管弦楽作品の多くは、フィンランドの民話や風俗に基づくものが多いのですが、この曲は純粋な音楽作品になっています。
2013年2月のパイオニア交響楽団第24回定期演奏会の中プロはプロコフィエフの「ピーターと狼」でした。
この曲子供のための交響的物語といわれていますが作曲の経緯ははっきりしていません。物語自体は、森の牧場に住む少年ピーターが小鳥たちの協力を得て、アヒルを飲み込んでしまった狼を捕まえるという単純な話。
この曲は小さな編成で、それぞれの楽器が配役となっています。
フルートは小鳥、オーボエはアヒル、クラリネットは猫、ファゴットはお爺さん、3本のホルンは狼、狩人はティンパニ、そしてピーターは弦楽合奏です。
台本が何種類かあるようですが、今回の演奏会では、マユミーヌさんにナレーションをやっていただきました。
ホルン以外の管楽器は全部1本ずつで個人の技量がモロに出てしまう曲。
オペラの伴奏もそうですが、こういう曲は演奏しながら楽しむことが出来るので、時々は演奏したいジャンルの曲です。
「ピーターと狼」と対になる楽器紹介・オーケストラ入門曲として知られているのがブリテンの「青少年のための管弦楽入門」別名「ヘンリー・パーセルの主題による変奏曲とフーガ」ですが、こちらの方は演奏が難しくてアマチュアではきちんと聴かせるのが難しいです。
ブロッホの「バール・シェム」は1924年2月6日に初演されました。
ヴァイオリンとピアノのための曲で、1939年にヴァイオリンと管弦楽の曲に編曲されています。
18世紀の超正統派のユダヤ教の運動ハシディズムの創始者バアル・シェム・トープに着想を得て作曲したもので、懺悔、即興、歓喜の3つのパートから出来ています。
2013年の国内の映画興行収入ランキング第1位は、ジブリアニメ「風立ちぬ」でした。
実在の航空技術者堀越二郎をモデルにした宮崎駿監督のアニメ。従来は多少なりともメルヘンチックな要素を含む作品を作っていた宮崎監督としては珍しくシリアスなものになっています。
主題歌は松任谷由実の「ひこうき雲」。この曲は荒井由実時代のファーストアルバムの曲で、松任谷作品は「魔女の宅急便」の「やさしさに包まれたなら」「ルージュの伝言」以来の起用となりました。
ヨーゼフ・シュトラウスのポルカ・シュネル「短いことづて(投書欄)」op.240は1868年2月4日にウィーンのコンコルディア舞踏会で初演されました。
題名通りとっても短い曲です。ウィーンのジャーナリストと作家による協会「コンコルディア」主催の舞踏会で初演された曲です。同じ日に兄のヨハン・シュトラウス二世はワルツ「ジャーナリスト」、弟のエドゥアルトがポルカ・フランセーズ「追伸」を初演しています。
今日の掲載分から2013年の話になります。
2013年といえばアベノミクスが始まった年。その結果は・・・・。新型コロナで評価どころではなくなってしまいました。
2013年2月のパイオニア交響楽団の第24回定期演奏会の前プロはチャイコフスキーの大序曲「1812年」でした。
今回はオール・ロシア・プログラムで、ど派手な1812年での幕開け。この曲は、ナポレオンのロシア遠征とそれを撃退したロシア軍の勝利を高らかに歌った曲です。
曲は、2本のヴィオラと4本のチェロによって奏でられるロシア正教会の聖歌に基づく序奏から始まります。このメロディは最後に再び登場します。
オーボエとチェロ・バスによって主題が奏され、やがてロシア軍の行軍が始まります。
それまでのゆったりとしたテンポが急速に速くなり闘いが始まります。ここにはフランス国歌ラ・マルセイエーズも登場します。
やがてラ・マルセイエーズは次第に弱まっていき、大砲が発射されロシア教会の鐘が打ち鳴らされ冒頭の聖歌やロシア国歌が優勢になり勝利の讃歌が鳴り響きます。
ここで鳴らされる大砲は本物(と言っても勿論空砲です)が使われることもありますし、特大の大太鼓が使われる事もありますが、今回は電子音を使用しました。
ナポレオンは、このロシアでの敗戦から一気に坂を転がり落ちてわずか2年後には連合軍がパリを占拠しナポレオンは退位、エルバ島に追放されました。このあたりはヒットラーがソ連の冬将軍に敗れて転落していった第二次大戦に似ています。
とっても派手な曲ですが、こういう曲も偶には良いでしょうね。
2012年4月のパイオニア交響楽団第23回定期演奏会のメイン曲はレスピーギの交響詩「ローマの松」でした。
この頃から、プログラムにちょっとチャレンジ的な曲を入れようという方向性になって来ていて、今回は前半は「禿山の一夜」と「白鳥の湖」というポピュラーな曲、後半にレスピーギの「ローマの松」という少し背伸びをした曲を選んだわけです。
レスピーギという作曲家は、とっても色彩感豊かなオーケストレーションで知られる作曲家。特にローマ三部作と言われる3つの交響詩で知られています。「ローマの松」はその3部作の真ん中に作曲された曲。他の交響詩同様4部構成で出来ています。
第1部は「ボルゲーゼ荘の松」 ローマにボルゲーゼ公園の松並木で遊んでいる子供たちの賑やかな動きがとても煌びやかに色彩豊かに表現され、ホルンが難しいソロを吹きます。中高音の楽器のみを使用して子供の甲高い歓声を表現しています。なので、コントラバスは全休です。
第2部は「カタコンバ付近の松」 カタコンバは古代ローマ時代の墓。第1部とは全く趣の異なる曲。弦楽器は弱音器を使用してキリスト教徒たちの悲しみと祈りの歌が表現されます。
第3部は「ジャニコロの松」 ジャニコロはローマの南西部にある丘。幻想的な曲で、最後に録音されたナイチンゲールの鳴き声がテープで再生されるという珍しい曲。
第4部は「アッピア街道の松」 古代ローマの進軍道路であったアッピア街道にある松が、進軍してくるローマ軍の行進を見守ります。軍は次第に近づいてきて、バンダのファンファーレも加わって荘重に曲を閉じます。
第4部はコントラバスはひたすら軍隊の歩みを表現。最初は2つに分かれてピツィカートと弓で淡々とリズムを刻みますが次第に大きくなっていき弓の演奏だけになっていき、最後は全部ダウンによる強奏になって激しく終わります。
ベルリオーズの「夢とカプリッチョ」op.8は1842年2月1日に初演されました。
ベルリオーズには珍しい、独奏楽器と管弦楽のための曲です。元々は歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」の第1幕のカヴァティーナを編曲したものですが、このカヴァティーナ自体が初演前に歌劇から削除されてしまったため、オリジナル曲となってしまった経緯があります。
二部形式で、ベルリオーズらしい抒情的なメロディと情熱的なクライマックスを持つ曲です。