今日の音楽 1月20日 交響曲第5番(ショスタコーヴィチ)
2011年は、もうひとつ高校のOBを中心としたオーケストラの演奏会がありました。
プログラムは、ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲、ビゼーのカルメンからの抜粋、メイン曲はショスタコーヴィチの交響曲第5番でした。
ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、ショスタコーヴィチが作曲したムツェンスク郡のマクベス夫人でソヴィエト共産党の批判を受け粛清の危機を打開するために作曲したとされる作品のひとつです。
そういう事もあって、ショスタコーヴィチはこの曲の中に、ビゼーの「カルメン」を隠すなどして、全体的には古典的な形式で体制的な音楽を標榜する中で若干の皮肉めいたものがこめられています。
で、そんな思想とは無関係に演奏はとても楽しいものでした。また終楽章のコーダのテンポはゆったりとしたテンポで始まって次第に速くする演奏が多いのですが、この時の演奏ではこの通例に従ったテンポで演奏しました。2019年8月のパイオニア交響楽団の定期演奏会でもこの曲を演奏しましたが、この時は黒岩英臣氏の指揮はかなり速めのテンポで始めています。有名な録音ではバーンスタイン指揮のニューヨーク・フィルの録音がそういったテンポで演奏されています。これは、譜面の速度表示が四分音符=184なのか八分音符=184の間違いなのかという解釈が根底にあるようです。
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