今日の音楽 12月4日 交響曲第1番「春」
2009年4月のパイオニア交響楽団第19回定期演奏会のメイン曲はシューマンの交響曲第1番「春」でした。
シューマンの交響曲はやたらに音が多い事で知られています。複数楽器がユニゾンで演奏するので、やたらに煩かったり音が干渉し合ったりします。そのために休みが非常に少ないのも特徴です。
またシューマンは楽器の能力の詳細がわかっていなかったこともあって、特に初期の作品では当時の楽器では出せない音や、演奏が難しい音が出て来ます。
この第1番の冒頭のファンファーレも、当時のバルブの無いトランペットでは演奏できない音が混じっていて、それを初演の指揮をしたメンデルスゾーンに指摘され初演前に書き直したという話しも知られています。
そんな欠点の多い交響曲ですが、非常に愛される曲です。第1番の第1楽章や終楽章の溌剌として曲想は、明らかにベートーヴェンの系譜の交響曲であり、交響曲の歴史の正当な流れの中に存在する曲と言えるでしょう。休みが極端に少なく、せっかく弾いても多くの楽器の音に埋もれてしまので異常に疲れる事もあるのですが、演奏はとても楽しいものです。それはやはりけれんみのない音楽作りの結果できた曲だからでしょう。
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