今日の音楽 10月13日 交響曲第1番(ブラームス)
都立富士高校の40周年記念オーケストラの演奏会の2曲目はサン=サーンスの交響曲第3番でした。こちらは、少し前に取り上げたので割愛し、メイン曲のブラームスの交響曲第1番の紹介です。
この曲は因縁の曲で、高校2年の時、ある事情があって中途半端な編成(オーボエ、ファゴット1本とかトロンボーン2本など)で演奏して依頼のリベンジ演奏でした。
ブラームスがベートーヴェンの重圧から構想から完成まで数十年かけた作品という事で有名な曲ですが、長い期間をかけただけあって濃密な曲になっています。
第1楽章冒頭のティンパニと低弦の連打から始まる重苦しい序奏は、「交響曲の序奏」の中で最も有名な部分でしょうね。しかも第1主題を暗示しています。この序奏は主部より後に作られたそうです。
第1主題も半音階進行の重たいものですが、緊迫感が高まるのは第2主題の後、「運命の動機」への経過句。この緊迫感は最高です。
この、重苦しく高い緊張感に支配された第1楽章も、最後は長調になって第2楽章への橋渡しをしながら穏やかに終えます。これも好きです。
演奏者として個人的には、こういう緊迫感からの解放というのが最も表現力を発揮できて好きです。
第2楽章は、ブラームスの交響曲の緩徐楽章の中では最も美しくロマンティックな楽章だと思います。第2番の交響曲では美しいというよりは荘厳な音楽ですし、第3番は素朴な田園的音楽、第4番は構成に重きを置いたものになっています。ヴァイオリンのソロも美しさを際立たせています。
第3楽章・・・ブラームスの第3楽章はどの曲も不思議な曲です。メヌエットとかスケルツォといった古典的な形式は一切使っていません。第1番も間奏曲風の曲、はっきり言って嫌いです。Aパートが♭4つの変イ長調、Bパートは♯5つのロ長調。ホントに弾き難いし、音楽的にも合わせ難い曲です。
第4楽章は、厳しい音楽の序奏から始まります。弦楽器が数手に分かれて駆け上がっていく緊張感を2回繰り返しクライマックスを迎えた後、長調になって序奏の後半へ。ホルンの朗々としたメロディからトロンボーンとファゴットのコラールを経て、主部に入ります。
ベートーヴェンの第九の第4楽章に似ていると言われる第1主題と流れるような第2主題によって、ブラームスにしては比較的単純に音楽は構成されています。この部分やたらに速い下降音階が出てきますが、これ練習になって良いですよね。私の高速音階は高校2年の時のこの曲の練習で培われたと言ってもいいのかな?
無事、ブラームス第1番のリベンジは果たしましたが、この後2015年にもう一度ブラ1を演奏する事になります。
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