今日の音楽 10月28日 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
2008年3月のパイオニア交響楽団第18回定期演奏会の前プロは、ワーグナーの歌劇「さまよえるオランダ人」序曲でした。
神の罰によって、上陸も許されずこの世と煉獄の間を彷徨い続けるオランダの幽霊船の伝説を元にしたハイネの「フォン・hスナーベレヴォプスキー氏の回想記」に着想を得て作られたオペラです。この幽霊船のオランダ人に恋をしてしまったゼンタによって純愛を得た幽霊船は呪いを解かれ沈没。オランダ人とゼンタは浄化され昇天するという話。
序曲は、オペラに使われる様々な動機によって構成されています。
嵐を表す弦楽器のトレモロをバックにホルンが「呪いの動機」を響かせ、やがて「叫びの動機」が加わります。
弦楽器の半音進行によって「暴風と荒波の動機」が演奏されます。これがコントラバスにとっては超難しい。続いて「オランダ人の航海の動機」の後休止が訪れ、コールアングレによって「ゼンダの救済の動機」が奏されます。「運命への思いの動機」は紡ぎ歌にも使われる曲。これらの動機が絡み合って展開し、「水夫の合唱の動機」が陽気に登場します。
ワーグナーの初期の有名な序曲の中では、ずば抜けて難しい曲でした。しかも体力的にも疲れます。もう二度と演奏したくない曲のひとつです。
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