今日の音楽 10月31日 歌劇「友人フリッツ」
マスカーニの歌劇「友人フリッツ」は1891年10月31日にローマのコスタンツィ劇場で初演されました。
マスカーニにしては軽快な内容のオペラで最後も祝福で終わっています。が、この有名な間奏曲はとても悲劇的な雰囲気の曲。「カバレリア・ルスティカーナ」ほどでは無いにしても、とても悲しく美しい曲です。
デュトワ指揮 モントリオール・シンフォニエッタ: ストラヴィンスキー:バレエ《ミューズの神を率いるアポロ》、協奏曲《ダンバートン・オークス》、協奏的舞曲、《バーゼル協奏曲》
カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団: グリーグ:《ペール・ギュント》第1組曲&第2組曲/シベリウス:交響詩《フィンランディア》 他 (SHM-CD)
ロストロポーヴィチ(vc)小澤征爾指揮ロンドン交響楽団: ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番/プロコフィエフ:交響的協奏曲
アルゲリッチ(p)シャイー指揮ベルリン放送交響楽団: チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 (SHM-CD)
ブルガーゴーズマン(S)ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管弦楽団: ワーグナー:管弦楽曲集、ヴェーゼンドンクの5つの詩
アルゲリッチ(p)アバド指揮ロンドン交響楽団: ショパン: ピアノ協奏曲第1番/リスト: ピアノ協奏曲第1番 (生産限定盤)(UHQCD)(特典:なし)
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マスカーニの歌劇「友人フリッツ」は1891年10月31日にローマのコスタンツィ劇場で初演されました。
マスカーニにしては軽快な内容のオペラで最後も祝福で終わっています。が、この有名な間奏曲はとても悲劇的な雰囲気の曲。「カバレリア・ルスティカーナ」ほどでは無いにしても、とても悲しく美しい曲です。
2008年の邦楽年間ヒットランキング第45位は、アンジェラ・アキの「手紙~拝啓 十五の君へ」でした。
アンジェラ・アキの8作目のシングル。日本郵政グループのCMソングに起用されたほか、関西電力の企業CM、2011 SENDAI光のページェントのテーマ・ソングなどに使用されました。
内容は15歳の「ボク」が未来の自分宛に「手紙」を書くことによって今を生きることを表現しています。
上記のほか、映画「書道ガールズ」などにも使われ、「みんなの歌」やNHK全国学校音楽コンクールでは中学の部の課題曲となりました。
パガニーニの魔女たちの踊りは1803年10月29日にパガニーニの独奏でミラノ・スカラ座の演奏で初演されました。
ジュースマイヤーのバレエ「ベネヴェントのくるみの木」のアリアによるヴァイオリンと管弦楽のための変奏曲です。やっぱり超絶技巧です。
2008年3月のパイオニア交響楽団第18回定期演奏会の前プロは、ワーグナーの歌劇「さまよえるオランダ人」序曲でした。
神の罰によって、上陸も許されずこの世と煉獄の間を彷徨い続けるオランダの幽霊船の伝説を元にしたハイネの「フォン・hスナーベレヴォプスキー氏の回想記」に着想を得て作られたオペラです。この幽霊船のオランダ人に恋をしてしまったゼンタによって純愛を得た幽霊船は呪いを解かれ沈没。オランダ人とゼンタは浄化され昇天するという話。
序曲は、オペラに使われる様々な動機によって構成されています。
嵐を表す弦楽器のトレモロをバックにホルンが「呪いの動機」を響かせ、やがて「叫びの動機」が加わります。
弦楽器の半音進行によって「暴風と荒波の動機」が演奏されます。これがコントラバスにとっては超難しい。続いて「オランダ人の航海の動機」の後休止が訪れ、コールアングレによって「ゼンダの救済の動機」が奏されます。「運命への思いの動機」は紡ぎ歌にも使われる曲。これらの動機が絡み合って展開し、「水夫の合唱の動機」が陽気に登場します。
ワーグナーの初期の有名な序曲の中では、ずば抜けて難しい曲でした。しかも体力的にも疲れます。もう二度と演奏したくない曲のひとつです。
2008年の日本での映画興行収入ランキング第1位は、崖の上のポニョでした。
2004年の「ハウルの動く城」以来の宮崎駿監督の長編アニメ映画です。
海沿いの町を舞台に「人間になりたい」と願うさかなの子ポニョと少年宗介の物語。
ポニョは海の女神と魔法使いの子供で、家出をして海岸へやってきて空き瓶に挟まっていたところを宗介に助けられ仲良くなります。やがてポニョは父親に連れ戻されますが、一杯になると人間の時代が終わり海の時代が始まるという命の水の井戸へ海水を注ぎ込んでしまい、ポニョは人間の姿に変わり、強い魔法の力を得て宗介の元へ現れます。
ポニョの父は、このままでは世界が破滅すると慌てるが母がポニョを人間にして魔法を失わせることで破滅を防ぐことができる。ただしそれには宗介の気持ちが揺らがない事、さもなくばポニョは泡になってしまうといいます。
嵐がおさまり、ポニョが魔法を捨てても人間になりたいことを確認して、母はポニョを人間にする魔法をかけ、陸へ戻ったポニョと宗介がキスをするとポニョは5歳の女の子に変わる。というのがストーリー。
「泡になってしまう」などアンデルセンの「人魚姫」の題材をモチーフとして使用していますがハッピーエンドとなる事が大きく違ってますね。
主題歌を歌っていたのが8歳の子役の大橋のぞみと2人のおじさん藤岡藤巻が歌った久石譲作曲の「「崖の上のポニョ」。大橋のぞみは曲が完成してイメージをつかむために児童劇団に所属する大橋のぞみに歌ってもらったところ、彼女の歌声に魅了された宮崎駿の希望で本番も歌ってもらうことになったそうです。
映画公開の半年前にリリースしたものの半年間で3,000枚しかCDが売れなかったのですが、映画公開の1ヶ月前から宣伝などでこの曲が流れ、キャンペーンも展開したところ徐々に認知度がアップし大ヒットを記録しました。
ドビュッシーの英雄的な子守歌は1915年10月26日に初演されました。
あんまりドビュッシーらしくない曲ですが、ドビュッシーの作品です。第一次大戦中ドイツ軍に抵抗したベルギー国王アルベール一世とその兵士たちをたたえて書かれたイギリスのホール・ケインの「キング・アルバーツ・ブック」に対して依頼され作曲されたものです。
ベルギー国歌「ブラバンソンヌ」の旋律も主題のひとつとして使われていますが、全体的には重苦しい雰囲気を持っています。管弦楽曲にも編曲されています。
ミヨーのバレエ音楽「世界の創造」op.81aは1923年10月25日にパリのシャンゼリゼ劇場で初演されました。
ミヨーがアメリカ訪問中に耳にしたジャズに触発され、スウェーデン・バレエ団から委嘱された新作にジャズを取り入れて作曲した15分程度の短い1幕もののバレエ音楽。サクソフォーンを含む編成の17人の小オーケストラによって演奏されます。
序曲~創造の前の混沌~動植物の創造~男女の誕生~男女の色恋~春または充足感という6つの曲からなり、連続して演奏されます。
初演は成功とは言いがたいものでしたが、10年後にニューヨークで上演された際には好意的に受け止められたようです。
今日から2008年のネタに入ります。このあたりになると洋楽は殆ど聴かないし、邦楽はジャニーズ系ばっかりなので、クラシック音楽以外のネタがあまりありません。
2008年はアメリカで住宅バブルが崩壊しいわゆるリーマン・ショックが起きた年でした。
2008年の邦楽年間ヒットランキング第4位はGReeeeNの「キセキ」でした。
ヴォーカル4人組のGReeeeNの7枚目のシングル。テレビドラマ「ROOKIES」の主題歌に採用され、GReeeeN初のオリコン1位となった曲です。キセキは「軌跡」と「奇跡」をかけた言葉。人生の応援歌としても人気の高い曲です。
パイオニア交響楽団第17回定期演奏会のメイン曲は、ムソルグスキー作曲ラヴェル編曲の組曲「展覧会の絵」でした。
ムソルグスキーが友人のロシアの画家ハルトマンの死を悲しみ、遺作展を歩きながら見た印象をピアノ曲にしました。ピアノ曲ながら描写表現に優れたこの作品は、多くの作曲家の目に留まり、様々な編曲が施されています。オーケストラの編曲も数多くありますが、その中でもラヴェルの編曲した作品は、最も色彩感豊かで、演奏される機会も多いものです。
曲の内容について書き出すと、長~い解説文になってしまうので、演奏をしてみてどんなだったか、を書いてみようと思います。
プロムナードは何回も出てきますが、冒頭のプロムナードはアンサンブルが気持ちよい曲(音程が決まれば、の話)。
第2曲の「こびと」は♭6個、グリッサンド、トリルの連続という3つのキモがあって、うまく出来ないとキモち悪い曲です。
第4曲の「ビドロ」はチェロとコントバスが悲しい牛の歩みを表現しなければならないので、淡々と淀みなく弾かなければならず、この曲の中で一番「こら、コントラバス!」と言われた曲です。
第6曲のサミュエル・ゴールデンベルクとシュミールは弦楽器と木管楽器がユニゾンで偉そうな金持ちを威張り腐って弾くわけです。ここが井偉そうに大仰に弾けば弾くほど、貧乏人のトランペットが憐れに聞こえるわけです。
第8曲のカタコンベは、管楽器とコントラバスだけの曲。なので弦分奏と言われる弦楽器だけの練習では必ず省かれます。まあ、もっとも弦分奏で弾けと言われても、さっぱり分からない曲ですが。
第9曲は鶏の足の上に建つ小屋。バーバ・ヤガーといわれる魔女のお家だそうです。テンポ速いし変則分散和音なので難しい曲です。クライマックスを迎えてそのまま最終曲の「キエフの大きな門」に続きます。この曲はひたすらカッコよく弾く事。これを意識して弾きました。あんまり難しくはないので。。。登場する鐘の音は、パーカッションのレンタル屋でお借りした「展覧会の絵」専用の鐘。重くってセッティングが大変でした。でもすごくいい音。
こういう曲は、音色の変化で色彩感を更に豊かにする事。これができないと面白くない演奏になってしまうので、ただお上手に弾く、音程を外さないだけではダメな曲です。
2007年6月のパイオニア交響楽団第17回定期演奏会の2曲目は、ハイドンの交響曲第104番「ロンドン」でした。
ハイドン最後の交響曲で、12曲あるロンドン交響曲の締めくくりとなる曲。ロンドンの標題は後につけられた物で、曲自体とは全く無関係。
第1楽章はニ短調の壮大な序奏から始まり、非常のノリのよい第1主題と存在感の薄い第2主題による弾むような楽しい曲です。
第2楽章は変奏曲の形式の緩徐楽章。だいたいハイドンの交響曲って緩徐楽章が退屈なものが多いんですが、この曲は変奏曲なので変化あって面白いです。それに結構難しいです。
第3楽章はメヌエット。可もなし不可もなし。
終楽章は元気よく高速のソナタ形式。けっこうワクワクする曲です。
何だかんだ言っても、楽しい曲です。ちなみにこの曲は2回目の演奏。ハイドンの交響曲はアマチュアがあまり取り上げませんが、私も100番「軍隊」とこの曲しか演奏した事がありません。
ヤナーチェクの木管六重奏のための組曲「青春」は1924年10月21日にブルノ音楽院の教授やブルノ国立劇場管弦楽団員の演奏でブルノで初演されました。
編成はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、バスクラリネットとホルン。4つの楽章からなって調性の指定はありませんがフラットを多く用いた調性の曲となっています。
初演者の楽器の不調などもあって初演は失敗に終わりましたが11月にプラハで再演されてこちらでは成功を収めています。
ヤナーチェクの室内楽曲は晩年の作品が多く無調性のような響き曲が多くなっていますが、この曲も同様です。
ヤナーチェクの
映画「マリと子犬の物語」は2007年12月に公開されました。
2004年10月23日に発生した中越地震で、新潟県山古志村で起きた実話を元にした作品。
山古志村で暮らす兄妹は拾ってきた犬をマリと名づけ可愛がり、マリは子犬を3匹産んで幸せに暮らしていましたが、10月23日に大地震が発生し妹と祖父が倒壊した家の下敷きになってしまいます。絶望する2人のところにマリが何度も来て励まし、救助に来た自衛隊員を誘導し2人は助けられ、ヘリに載せて避難しますが犬は乗せられないという事で置き去りにされてしまいます。
マリは子犬を守りながら主人の帰りを待ち、やがて余震が収まり山古志村に戻った兄妹と再会を果たすという話。
犬を題材とした映画はいっぱいありますが、この映画は犬=ペットが飼い主にとっては家族であり、それ以外の人にとっては、ただの動物であるという事実を考えさせられっる映画でした。
私も犬を飼っていましたので、とても考えさせられる話でした。
音楽は作詞と歌唱を平原綾香が担当。主題歌の「今、風の中で」は被災者を主人公として作詞したそうです。
エルガーの行進曲「威風堂々」第2番は1901年10月19日にリヴァプールで初演されました。
実は「威風堂々」第2番の初演は、有名な第1番と同じ日です。5曲ある「威風堂々」の中でもちょっと地味な印象がある第2番なので、初演の時の評価はどうだったんでしょうかね。
まず、第2番はイ短調。2小節の短い序奏のようなものから始まって、短調のちょっと気ぜわしない主題が続きます。長調に転調して三連符を使ったBパートに入りますが、すぐに短調に戻ります。中間部は第1番のような「威風堂々」とした音楽ではなく、弾むような音楽です。
第1番とほぼ編成は同じですが、第2番では第1番で2本使われているハープとオルガンがありません。もっとも、第1番のハープもオルガンもおまけみたいなもので、割愛して演奏されることが多いようです。
2007年の邦楽年間ヒットランキング第3位はコブクロの「蕾」でした。
コブクロ14作目のシングルで、テレビドラマ「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」の主題歌として作曲されました。
コブクロ最大のヒット曲で、初のオリコン1位となり、選抜高校野球の行進曲にも使われ、レコード大賞も受賞しています。
ラフマノニフのピアノ・ソナタ第1番ニ短調op.28は1908年10月17日にイグムノフのピアノ演奏で初演されました。
元々ゲーテの「ファウスト」を題材として構想されたもので、実際にはこの発想は取り止めとなりましたが、第1楽章「ファウスト」、第2楽章「グレートヒェン」、第3楽章「メフィストフェレス」を表すとした構想の名残が残った曲となっています。
3つの楽章で40分近くの時間を要する上に終楽章には超絶技巧が必要で、演奏機会はあまり多くありません。
ラフマニノフ自身が初演をしなかった数少ないピアノ曲です。
初演のイグムノフは、ラフマニノフやスクリャービンと共にロシアの名ピアノ教師ズヴェーレフの元でピアノを学んだ盟友で超絶技巧のピアニストとして知られる存在でした。
前年秋にせわしなく2回の本番を終えた翌年の2008年の演奏会は1回だけでした。6月にパイオニア交響楽団の第17回定期演奏会を開催。
前プロは、ボロディンの歌劇「イーゴリ公」から だったん人の踊り でした。
情緒たっぷりの序奏から始まり、何とも色っぽい娘たちの踊り、超高速の男たちの踊り、高揚感あふれる全員の踊り、躍動的な少年たちの踊りという5つのテーマがとっかえひっかえ現れ、その変化がとっても楽しい曲です。
オペラでは娘たちの踊りや全員の踊りのところで合唱が入ります。今回の演奏会では合唱なしのバージョンでしたが2013年の合唱団との合同演奏会では勿論合唱つきで演奏しました。
ホントに楽しい曲で、ポピュラー音楽にもアレンジされています。最も有名なのが、娘たちの踊りをアレンジした「ストレンジャー・イン・パラダイス」です。
で、聞くのは良いのですが弾くのは最低の曲です。これまで弾いた曲の中で最低の曲は同じボロディンの「中央アジアの草原にて」でしたが、それに次ぐ曲。ボロディンはコントラバスの活用法を知らなかったようです。
なにしろ、みんな忙しく演奏する「男たちの踊り」の部分でも34小節にわたって二分音符が(それもFとCの音だけ)連なっています。はっきり言って初心者に毛が生えた人でも弾ける曲。中央アジアの草原にては初心者でも弾ける曲。という事で弾く側には回りたくない曲です。
2007年の日本での映画興行収入ランキング第2位は「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」でした。
ハリー・ポッターシリーズの第5作。この作品からハリーとヴォルデモートとの対決一色になっていきます。冒頭のディメンターの襲撃から始まり、とても重苦しい作品でした。
不死鳥の騎士団は、ハリーや関係者の護衛、ディメンターの追跡・捕縛、ヴォルデモート陣営に加わらないように魔法使いや魔法生物を説得などという事を目的に結成されました。ダンブルドア、マクゴナガル、スネイプ、ハグリッド、シリウス・ブラック、ルーピン、アーサー・ウィズリーなどがメンバー。
敵対するヴォルデモード側で、アンブリッジが登場するのもこの作品。後半ではシリウス・ブラックがペラトリックスの呪文で命を落とし、魔法省もヴォルデモードの復活を認め、この先の本格的な戦いへとつながって行きます。
音楽は、次作の「謎のプリンス」までを担当するニコラス・フーパーです。
2007年のネタに入ります。
この年は、各地で食品偽装が発覚した年でした。消費期限切れの牛乳を使用して作っていたシュークリームを販売していた不二家、赤福の製造年月日の改ざん、ミートホープのひき肉偽装、「白い恋人」の賞味期限改ざんなどが表面化した年でした。とどめは高級料亭船場吉兆の牛肉産地偽装。記者会見での社長の母親の「ささやき」が印象に残っています。
2007年の邦楽年間ヒットランキング第1位は秋川雅史の「千の風になって」でした。
2001年に新井満がアメリカ発祥の「Do not stand at my grave and weep」を日本語に訳し、曲をつけて私家盤として知人にのみ配布していましたが朝日新聞の「天声人語」で訳詞が取り上げられ話題になり2003年にCDと詩集が発売され、翌年には映画も公開されました。
2006年にクラシック歌手の秋川雅史が発売され紅白にも出場し一気にブレイクしました。
その後多くの歌手にカバーされています。
歌詞の内容を見ると、お墓に骨を納めるという仏教の世界を否定し、散骨するように捕らえて仏教界から批判されたという話もあるようですが、骨の話ではなくて魂のお話なので、その批判はちょっと当たらないかなとも思います。
昨日、作曲家筒美京平さんの訃報が届きました。昭和から平成を代表する日本におけるポップスの作曲家でオリコンの歴代作曲家売上ランキングでもトップになる作曲家でした。第2位以下は小室哲哉、織田哲郎、桑田佳祐、つんくといったシンガー・ソングライターが並んでいて、職業作曲家ではダントツの売上を誇る方でした。
26歳で黄色いレモン(藤浩一と望月浩の競作)でデビューし1967年の「バラ色の雲」が出世作となり、その後多くのヒット曲を生み出しました。最大のヒット曲はジュディ・オングの「魅せられて」ですが、個人的に好きなメロディはいっぱいあります。
古い方から並べると ヴィレッジ・シンガーズの「虹の中のレモン」「星が降るまで」、朝丘雪路「雨がやんだら」、尾崎紀世彦「また逢う日まで」、堺正章「さらば恋人」、平山三紀「真夏の出来事」、南沙織「潮風のメロディ」「哀愁のページ」「早春の港」「女性」、坂本スミ子「夜が明けて」、小林麻美「初恋のメロディ」、野口五郎「甘い生活」、太田裕美「赤いハイヒール」「最後の一葉」、柏原よしえ「あの場所から」、河合奈保子「北駅のソリチュード」、斉藤由貴「初戀」「情熱」、薬師丸ひろ子「あなたを・もっと・知りたくて」、少年隊「仮面舞踏会」、NOKKO「人魚」、まだ抜けている曲あるかも・・・
この中で何を選ぼうか、という事で、小林麻美の「初恋のメロディ」です。森尾由美もカバーしてました。
都立富士高校の40周年記念オーケストラの演奏会の2曲目はサン=サーンスの交響曲第3番でした。こちらは、少し前に取り上げたので割愛し、メイン曲のブラームスの交響曲第1番の紹介です。
この曲は因縁の曲で、高校2年の時、ある事情があって中途半端な編成(オーボエ、ファゴット1本とかトロンボーン2本など)で演奏して依頼のリベンジ演奏でした。
ブラームスがベートーヴェンの重圧から構想から完成まで数十年かけた作品という事で有名な曲ですが、長い期間をかけただけあって濃密な曲になっています。
第1楽章冒頭のティンパニと低弦の連打から始まる重苦しい序奏は、「交響曲の序奏」の中で最も有名な部分でしょうね。しかも第1主題を暗示しています。この序奏は主部より後に作られたそうです。
第1主題も半音階進行の重たいものですが、緊迫感が高まるのは第2主題の後、「運命の動機」への経過句。この緊迫感は最高です。
この、重苦しく高い緊張感に支配された第1楽章も、最後は長調になって第2楽章への橋渡しをしながら穏やかに終えます。これも好きです。
演奏者として個人的には、こういう緊迫感からの解放というのが最も表現力を発揮できて好きです。
第2楽章は、ブラームスの交響曲の緩徐楽章の中では最も美しくロマンティックな楽章だと思います。第2番の交響曲では美しいというよりは荘厳な音楽ですし、第3番は素朴な田園的音楽、第4番は構成に重きを置いたものになっています。ヴァイオリンのソロも美しさを際立たせています。
第3楽章・・・ブラームスの第3楽章はどの曲も不思議な曲です。メヌエットとかスケルツォといった古典的な形式は一切使っていません。第1番も間奏曲風の曲、はっきり言って嫌いです。Aパートが♭4つの変イ長調、Bパートは♯5つのロ長調。ホントに弾き難いし、音楽的にも合わせ難い曲です。
第4楽章は、厳しい音楽の序奏から始まります。弦楽器が数手に分かれて駆け上がっていく緊張感を2回繰り返しクライマックスを迎えた後、長調になって序奏の後半へ。ホルンの朗々としたメロディからトロンボーンとファゴットのコラールを経て、主部に入ります。
ベートーヴェンの第九の第4楽章に似ていると言われる第1主題と流れるような第2主題によって、ブラームスにしては比較的単純に音楽は構成されています。この部分やたらに速い下降音階が出てきますが、これ練習になって良いですよね。私の高速音階は高校2年の時のこの曲の練習で培われたと言ってもいいのかな?
無事、ブラームス第1番のリベンジは果たしましたが、この後2015年にもう一度ブラ1を演奏する事になります。
ヒンデミットの室内音楽第2番は1924年10月12日にヨブスのピアノ、クラウス指揮のフランクフルト・ムゼウム管弦楽団員の演奏で初演されました。
ヒンデミットは7曲の異なる編成での室内音楽と名づけた作品を作曲しています。
第2番は、オブリガートピアノと12の独奏楽器による作品で4つの楽章から出来ています。ヒンデミットの作品の中でも先鋭てきな音楽で結構不協和音やら何やら心地よさを求める室内楽曲とは違う、という感じですね。
2006年11月には富士高校管弦楽団の創立40周年記念オーケストラの演奏会がありました。
前プロは芥川也寸志の交響管絃楽のための音楽でした。
芥川也寸志の曲は「弦楽のためのトリプティーク」以来2曲目。2つの楽章による曲です。
第1楽章はスネアや低音楽器による単調のリズムの上を管楽器が主題を奏していく主部とメランコリックなメロディによる中間部からなります。
第2楽章はシンバルの一撃のあと、金管楽器で主題が現れるAパート、軽妙なBパート、三連符を含むCパートからなるロンド形式の曲。
変拍子とかありますけど、それ程難しい曲ではありません。慣れれば・・・(慣れるまでさっぱり付いていけませんでした)
2006年10月のパイオニア交響楽団第16回定期演奏会のメイン曲はブラームスの交響曲第4番でした。
ブラームス最後の交響曲は、古典音楽を強く意識した曲で、ブラームスの最高傑作と言う人もいる曲です。初演時にも、シャコンヌやフリギア旋法を取り入れるなど懐古的という批判(特にワーグナー派から強かった)と、創造性や構成力を天才的だする絶賛に分かれたそうです。
第1楽章は全体的に暗い印象の楽章です。第2主題は長調なのですが決して明るいメロディではありません。この楽章、やっぱりブラームスの交響曲の中で最も重苦しい感じがしてしまいます。
第2楽章は緩徐楽章ですが美しさという点ではブラームスの他の交響曲と比べるとイマイチです。
第3楽章は、ブラームスのスケルツォ楽章全体にいえる事ですが、少々馬鹿っぽい曲です。他の楽章があまりに構成がしっかりしているのでスケルツォが浮いちゃうんですよね。特にトライアングルを使っているのがハテナ?です。
第4楽章はシャコンヌです。変奏曲ですね。この楽章は素晴らしい。ブラームスじゃなければ書けない曲です。シャコンヌ主題はいかにもバロック風ですが、変奏していく旋律は全くバロックとは異なるブラームスの世界です。
で、4つの交響曲の中で個人的には一番演奏しやすい曲だと思っています。体力的にはとても疲れるのですがね。
ヤナーチェクの狂詩曲「タラス・ブーリバ」は1921年10月9日にフランティシェク・ノイマンの指揮でブルノ劇場で初演されました。
ゴーゴリの小説「隊長ブーリバ」に基づく標題音楽。ストーリーは、オスマントルコの勢力拡大に危機感を抱いたポーランドの王子が、ブーリバ隊長率いるウクライナ・コサックへ、ウクライナの地を与えるという条件で協力を依頼し、ブーリバはトルコ軍を撃退しました。しかし約束は反故にされ怒ったブーリバは王子の片腕を切り落として山岳地帯に逃げ込み逼塞することにしました。
やがてポーランド王がバルトと戦うために兵を集める機会に乗じ、ポーランド軍に合流すると見せかけて急襲しポーランド軍を全滅させ、ウクライナは自由の地になるという話。
狂詩曲「タラス・ブーリバ」はヤナーチェクの最高傑作のひとつで「アンドレイの死」「オスタップの死」「タラス・ブーリバの予言と死」の3曲からなっています。アンドレイとオスタップはブーリバの息子たちで戦乱の中で恋に生き命を失いました。「アンドレイ」はポーランドの娘に恋してポーランド軍に加担し父親と戦い敗れて死にます。「オスタップ」は戦場でポーランドの捕虜となり拷問の末に処刑されます。
「ブーリバ」はオスタップの仇討ちでポーランドと戦い捕らえられ火炙りにされます。
音楽は、こういった3人の人物の機微を描いています。
映画「フラガール」は2006年9月23日に公開されました。
1965年常磐炭鉱の規模縮小によりいわき市の町おこし事業として立ち上げた常磐ハワイアンセンターの誕生から成功までの実話を元に描いた作品です。
借金をかかえたダンサーで、ハワイアンのダンサーの講師となる平山まどか(実話ではフラダンス界の草分けカレイナニ早川)を松雪泰子が演じ、蒼井優が第1期生のエース的存在を演じていました。
公開前の注目度は低かったのですが、大ヒットとなり日本アカデミー賞最優秀作品賞やキネマ旬報の第1位に選ばれるなど主要な賞を総なめにしました。
テーマオングはハワイアンミュージシャンのジェイク・シマブクロの「フラ・ガール」です。
2006年10月のパイオニア交響楽団第16回定期演奏会の中プロは、ドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調でした。
ソリストは東京都交響楽団の江口心一さんを迎えました。最初のソロ合わせの時に、滅茶苦茶お上手で感動しましたヨ。最近は題名のない音楽会などにも出演されています。
チェロ協奏曲といえばドヴォルザークという程有名な曲。ナンバー2と言われるシューマンのチェロ協奏曲とは知名度で大きく差をつけるほどの有名曲。ドヴォルザークはピアノ協奏曲もヴァイオリン協奏曲も作曲していますがドヴォコン(ドヴォルザークのコンチェルトを略して)といえばこの曲なんですよね。1892年に招かれてアメリカに渡りニューヨークの音楽院の学長に就任しましたが、郷愁の念が強く3年でチェコに戻りましたが、帰国の直前に作曲されたのが、この曲です。
ボヘミア音楽とアメリカン・インディアンの音楽を融合させた傑作で、ドヴォルザークの敬愛するブラームスは「人の手がこのような協奏曲を書きうることになぜ気が付かなかったのだろう。気づいていれば、とっくに自分が書いただろう」と語っています。
序奏なしで、クラリネットによる第1主題がはじまり、ホルンの甘いメロディの第2主題まで提示してから、チェロの独奏が第1主題を奏でるという古典的スタイルの第1楽章。
第2楽章は美しい抒情性豊かなメロディから始まる緩徐楽章。中間部は一転して険しい音楽となりチェロが少し暗い感じの主題を演奏します。
第3楽章はリズミックなロンド主題の断片から始まり、独奏チェロが断片を完成した主題へと構築します。第2主題は非常に美しい音楽ですが、個人的に好きな場所は、この美しい主題が速いテンポになってヴァイオリン・ソロで奏でられるところ。ハイテンポになってもメロディの美しさが際立ちます。コーダも、いきなり訪れるというドヴォルザークスタイルになっています。
コンチェルトは何曲も演奏していますが、ラヴマニノフのピアノ協奏曲第2番と並ぶ楽しい演奏でした。
イベールの海の交響曲は1963年10月6日にミュンシュ指揮のラムルー管弦楽団の演奏でパリで初演されました。
「海の交響曲」というと、ヴォーン=ウィリアムズの交響曲第1番が有名ですが、この曲はイベールが作曲した映画音楽をまとめたものです。
映画は「SOSフォッグ号」という短編映画で、これを元に作曲したものです。フォック号をフランス海軍の巡洋艦が嵐の中で救出する内容で、荒れた海や巡洋艦などが描かれています。
なかなかカッコ良い曲です。
エルガーの「海の絵」op.37は1899年10月5日にクララ・バッドのコントラルト独唱でエルガー自身の指揮で初演されました。
1899年6月に「エニグマ変奏曲」の初演で成功を収めたエルガーが妻と共に郷土の別荘で過ごした時に書き上げられたエルガー唯一の管弦楽伴奏つきの連作歌曲です。
5曲からなっています。
第1曲「海の眠りの歌」(ローデン・ノエル詞) とっても抒情的な曲です。
第2曲「港にて」(キャロライン・アリス=エルガーの奥さんの詞) とても愛らしい曲です。
第3曲「安息日の朝の海」(エリザベス・ブラウニング詞) この歌曲集のクライマックスとなる曲。
第4曲「珊瑚礁のあるところ」(リチャード・ガーネット詞) 物悲しい雰囲気の優しい曲。
第5曲「泳ぐ人」(アダム・リンゼイ・ゴードン詞) スケールの大きな堂々とした曲。
オーケストレーションも素晴らしい曲で、イギリスではメゾ・ソプラノの重要なレパートリーとなっているそうです。
映画「ナルニア国物語第1章 ライオンと魔女」は2006年3月に日本で公開されました。
C.S.ルイスの「ナルニア国物語」を原作とする映画。原作は第7部まであり全ての作品の映画化が予定されていますが、2010年の第3部までが映画化され、しばらく止まっています。
第1章のライオンと魔女は、田舎に疎開してきたイギリス人4兄弟が、ふとした弾みでナルニア国に迷い込み、世界を冬の時代へ変えた白い魔女を倒すためライオンのアスランと共に戦うという内容のファンタジー映画。聖書の世界に則っている作品になっています。
音楽は「シュレック」、「スパイ・ゲーム」などのハリー・グレッグソン=ウィリアムズが担当してゴールデン・グローブ賞の作曲賞を受賞しています。
2006年10月のパイオニア交響楽団第16回定期演奏会の前プロはイベールのモーツァルトのためのオマージュでした。
モーツァルトの生誕250年にあたる年だったために選曲したものの、実際はモーツァルトの曲を引用したわけでもなく、モーツァルトっぽさはあんまり感じられない曲でした。その割りに難しくって・・・完成度も低かったし、過去の演奏の中では最も酷い出来だったと思います。
なので、あんまり思い出したくも無いですが・・・・
エルガーの戴冠式頌歌op.44は1902年10月2日にシェフィールド・フェスティヴァルで初演されました。
戴冠式頌歌はソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バスと合唱及び管弦楽のための曲でエドワード7世と王妃アレクサンドラの戴冠式のために作曲されました。
しかしながら、国王が病気で戴冠式は延期されて、初演は別の機会になっています。6曲の組曲からなっており、エドワード7世以降エリザベス2世まで(戴冠式前に退位したエドワード8世は除く)戴冠式の時には全曲または抜粋で演奏される由緒ある曲になっています。
終曲の「希望と栄光の国"Land of Hope and Glory"」はエドワード7世の示唆により行進曲「威風堂々」第1番の中間部に歌詞をつけたものでイングランドの第2の国歌として愛されています。
エルガーの交響的習作「フォルスタッフ」は1913年10月1日にリーズ音楽祭で初演されました。
シェイクスピアの様々な作品に登場するフォルスタッフですが、この曲は「ヘンリー四世」に登場しているフォルスタッフを描いた交響詩で、2つの短い間奏をともなう4つの部分から構成されています。
第1部はフォルスタッフとハル王子。尊大なフォルスタッフと快活なハル王子を描いています。
第2部はイーストチープ~ガズヒル~猪首亭~間奏曲。フォルスタッフが強奪した輸送中の金塊をハル王子にかすめとられ酔いつぶれるフォルスタッフの様子を描いた曲です。
第3部はフォルスタッフの行進~グロースターシャを通っての帰還~間奏曲Ⅱ~新しい国王~ロンドンへの急ぎの帰京。内戦の兆し、ヘンリー4世が崩御し新国王の引き立てを期待してロンドンへ急ぎ戻る
第4部はヘンリー5世の行進~フォルスタッフの拒絶とその死。ヘンリー5世の前にかしずくも拒絶され絶望するフォルスタッフ。衝撃のあまり寝込んでしまいやがて息絶え、終曲を迎えます。
エルガー最後の本格的な管弦楽曲で、充実した作品です。