2006年3月のパイオニア交響楽団第15回定期演奏会は記念公演として、マーラーの交響曲第2番ハ短調「復活」に挑戦しました。
「復活」はオルガン、声楽(ソプラノとアルトと合唱)や金管・打楽器のバンダが入り、演奏時間も80分を要する大曲です。第5回「第九」、第10回の記念公演の「カルミナ・ブラーナ」に続く3度目の記念演奏会となりました。これから後は記念演奏会で大曲を選択する事はなくなりましたから、実質的には最後の記念演奏会となったわけです。
「復活」は、歌曲集「子供の不思議な角笛」と密接な関係を持つ「角笛交響曲」と呼ばれる第3番、第4番の最初の作品で、第3楽章は「角笛」の中の「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」とほぼ同じで、第4楽章は「原光」とほぼ同じになっています。
「復活」はチェロ・バスが大活躍をする曲です。第1番の「巨人」が第2楽章冒頭でチェロ・バスだけでリズムを刻み、第3楽章冒頭にコントラバスのソロがあるものの他には活躍の場が殆ど無いのに比べるとホントに見せ場が多い曲です。
第1楽章は冒頭から長々とチェロ・バスで第1主題を提示するという、いきなりの見せ場から始まります。とにかく20分程度かかる長い楽章で、マーラー自身は譜面に「この楽章終了後少なくとも5分以上の休憩を置くこと」と書いたのですが、実際はここで休憩をする事は殆ど無いみたいですね。
第2楽章は、舞曲風の緩徐楽章。変イ長調非常に大らかな音楽です。ABABAという形式で、2回目の中間部はコントラバスは少し大変です。3連符のエネルギッシュなメロディですが、シャープが5つもついていて臨時記号も多くてテンポも速いのが原因。
第3楽章はスケルツォ楽章。中間部はコントラバスは2パートに分かれてメロディを延々と演奏します。基本的には2パートは一緒に弾くのではなく受け渡しなので、どちらかが少しでも遅れたらアウト!精神的にとっても疲れる楽章です。
第4楽章は、荘重で美しいアルトの独唱をともなうコラール風の曲。コントラバスは殆ど休みなので、小休止の楽章です。
終楽章は、低弦の何だかよくわからないスケールから始まって金管が雄たけびをあげて主題を歌って始まる30分以上かかる長い曲。中盤にはバンダが出てきたり、ソプラノの美しい響きが出てきたり。合唱が登場するといよいよ半ばです。終楽章は変化もあるし刺激も強くてとても楽しい楽章です。
難しい曲だったので、演奏の出来不出来はありますが、自分の演奏のひとつのピークとなる演奏会でした。