今日の音楽 8月31日 バレエ組曲「くるみ割り人形」
2003年11月に行われたパイオニア交響楽団の第12回定期演奏会は、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」とブルックナーの交響曲第3番の2曲プロでした。
所沢のミューズというホールで普段演奏会を開いている都内のホールでは無いこと、ブルックナーの3番という知名度的にはイマイチということで、前プロには超有名曲を選んだという事だったそうですが、結果的には集客は惨憺たるものでした。
この反省を元に、演奏会場費用は多少高いですが、都内の会場を使用する事や、比較的ヘヴィなファンの少ない当オケとしては、集客も意識して選曲をする事になったわけです。
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲は、「白鳥の湖」と並ぶ超人気のバレエの中からチャイコフスキー自身が選んで演奏会用の組曲にしたものです。序曲(組曲では小序曲)から始まります。小序曲は、管楽器とチェロとコントラバスを除く弦楽器。可愛らしさを出す為に重厚な音を排除しています。
第2曲目は第1幕の第2曲「行進曲」。チェロ・バスは超忙しいピツィカートなのでかなり苦手な曲です。第3曲目以降は第2幕のお城での宴で様々なお菓子の踊りの曲です。
第3曲は「ドラジェの精の踊り」。ドラジェはヨーロッパの糖衣菓子ですが、日本では一般的ではないため金平糖というタイトルになったそうです。発明されたばかりのチェレスタを使用した最初の曲として知られています。
第4曲は「ロシアの踊り」トレパック。テンポの速い忙しい曲です。
第5曲は「アラビアの踊り(コーヒーの精の踊り)」。グルジアの子守唄をベースとした曲。何と言っても最初から60小節同じリズム音型を繰り返すチェロとヴィオラには敬意を表する曲です。
第6曲は「中国の踊り(お茶の精の踊り)。フルートの独壇場の曲です。
第7曲は「葦笛の踊り」。おもちゃの笛「ミルリトン」というのが原語で、フルートが低音で演奏します。
第8曲「花のワルツ」。クラシック音楽の中で最も有名な曲のひとつ。ハープのカデンツァが序奏に使われ優雅で華やかな曲です。
有名な曲ではありますが、ハープやチェレスタが必要だったり結構お金がかかる曲なので、それ程演奏される機会が多いというわけではありませんが、私自身は3~4回演奏しています。まあコントラバス的には面白い曲ではありませんけどね。