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2020年8月31日 (月)

今日の音楽 8月31日 バレエ組曲「くるみ割り人形」

2003年11月に行われたパイオニア交響楽団の第12回定期演奏会は、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」とブルックナーの交響曲第3番の2曲プロでした。

所沢のミューズというホールで普段演奏会を開いている都内のホールでは無いこと、ブルックナーの3番という知名度的にはイマイチということで、前プロには超有名曲を選んだという事だったそうですが、結果的には集客は惨憺たるものでした。
この反省を元に、演奏会場費用は多少高いですが、都内の会場を使用する事や、比較的ヘヴィなファンの少ない当オケとしては、集客も意識して選曲をする事になったわけです。

チャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲は、「白鳥の湖」と並ぶ超人気のバレエの中からチャイコフスキー自身が選んで演奏会用の組曲にしたものです。序曲(組曲では小序曲)から始まります。小序曲は、管楽器とチェロとコントラバスを除く弦楽器。可愛らしさを出す為に重厚な音を排除しています。
第2曲目は第1幕の第2曲「行進曲」。チェロ・バスは超忙しいピツィカートなのでかなり苦手な曲です。第3曲目以降は第2幕のお城での宴で様々なお菓子の踊りの曲です。
第3曲は「ドラジェの精の踊り」。ドラジェはヨーロッパの糖衣菓子ですが、日本では一般的ではないため金平糖というタイトルになったそうです。発明されたばかりのチェレスタを使用した最初の曲として知られています。
第4曲は「ロシアの踊り」トレパック。テンポの速い忙しい曲です。
第5曲は「アラビアの踊り(コーヒーの精の踊り)」。グルジアの子守唄をベースとした曲。何と言っても最初から60小節同じリズム音型を繰り返すチェロとヴィオラには敬意を表する曲です。
第6曲は「中国の踊り(お茶の精の踊り)。フルートの独壇場の曲です。
第7曲は「葦笛の踊り」。おもちゃの笛「ミルリトン」というのが原語で、フルートが低音で演奏します。
第8曲「花のワルツ」。クラシック音楽の中で最も有名な曲のひとつ。ハープのカデンツァが序奏に使われ優雅で華やかな曲です。

有名な曲ではありますが、ハープやチェレスタが必要だったり結構お金がかかる曲なので、それ程演奏される機会が多いというわけではありませんが、私自身は3~4回演奏しています。まあコントラバス的には面白い曲ではありませんけどね。

 

2020年8月30日 (日)

今日の音楽 8月30日 ラクセンブルク・ポルカ

ヨーゼフ・シュトラウスの「ラクセンブルク・ポルカ」op.60は1858年8月30日に初演されました。

1858年8月21日にラクセンブルク宮殿で3人目の子供を出産したオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ一世の皇妃エリザベートを祝して作曲された曲。ゆったりとしたテンポのポルカ・フランセーズで生き生きとした音楽です。

2020年8月29日 (土)

今日の音楽 8月29日 もらい泣き

2003年の邦楽年間ヒットランキング第13位は一青窈の「もらい泣き」でした。

台湾出身の一青窈のデビューシングル。特にタイアップも無く、実力で大ヒットを勝ち取り、オリコンの4位にまでなったわけです。1stアルバムの「月天心」もオリコン4位のヒットとなり、実力派新人として認められる歌手となり日本レコード大賞、有線大賞など数々の新人賞を受賞した曲です。

 

2020年8月28日 (金)

今日の音楽 8月28日 プロヴァンスの海と陸

2003年5月のパイオニア交響楽団と合唱団のジョイントコンサートの後半5曲目は、ヴェルディの歌劇「椿姫」より「プロヴァンスの海と陸」でした。

小デュマの原作による、ヴェルディのオペラの中でも最も有名な作品が「椿姫」です。
そんな人気のオペラですが初演は大失敗。作品の完成から初演までの準備期間が短すぎたとも、病で亡くなっていくヴィオレッタを演じた歌手がまるまると肥えていた為などとも言われています。

主演のヴィオレッタは高級娼婦。この高級娼婦に恋をしてしまったのが、うぶなアルフレード青年。ヴィオレッタは、アルフレードに惹かれ一度は生活を共にするものの、迎えに来たアルフレードの父親の反対にあって、自分の立場を考えてアルフレードに厭きたふりをして身を引きますが、やがて肺を病んでしまいます。アルフレードはやがて父親の許しを得てヴィオレッタの元に戻りますが、すでにヴィオレッタは瀕死の状態で、アルフレードの胸の中で亡くなってしまう。というお話。

第1幕の社交の場で歌われる「乾杯の歌」、ヴィオレッタがアルフレードへの想いを感じながら自分は花から花へ移って行く女と歌う「ああ、そは彼の人か~花から花へ」、第3幕の最後のシーンでヴィオレッタとアルフレードがパリを思ってデュエットする「パリを離れて」など有名なアリアの数々があります。「プロヴァンスの海と陸」は第2幕で息子を迎えに来たジェルモンが故郷のプロヴァンスへ帰ろうと慰め歌う曲です。

2020年8月27日 (木)

今日の音楽 8月27日 地上の星

2003年の邦楽年間ヒットランキング第11位は中島みゆきの「地上の星」でした。

37枚目のシングルで、中島みゆきの作品では「空と君とのあいだに」に次ぐ売上となった曲。NHKの「プロジェクトX 挑戦者たち」の主題歌として使われた曲です。

個人的には、何と言っても「時代」が好きなのですが、「空と君とのあいだに」や「地上の星」、「浅い眠り」など力強い歌が多くヒットしていますね。

2020年8月26日 (水)

今日の音楽 8月26日 クラリネット五重奏曲(ウェーバー)

ウェーバーのクラリネット五重奏曲変ロ長調op.34は1815年8月25日に完成しました。

クラリネット五重奏曲といえば他にモーツァルトとブラームスのものが有名ですが、このウェーバーの曲が他の2曲と大きく異なるのは、アンサンブルというよりはクラリネット独奏と弦楽四重奏伴奏による協奏曲の色合いが強いことでしょう。

この曲は、ベールマンという19世紀前半に活躍したクラリネットのヴィルトォーゾのために作曲されたものです。本来であればベールマンの誕生日である2月14日までに完成させたかったのでしょうが、作曲は遅れ3楽章までしか完成しませんでした。結局ベールマンの聖名祝日にあたる8月25日にようやく第4楽章を贈ることができたということです。

協奏曲の色合いが強いということもあって、弦楽四重奏はかなりシンフォニックな響きになっています。

2020年8月25日 (火)

今日の音楽 8月25日 星は光りぬ

2003年5月のパイオニア合唱団とパイオニア交響楽団のジョイントコンサート後半の4曲目はプッチーニの歌劇「トスカ」から「星は光りぬ」でした。

「星は光りぬ」は、プッチーニの男声によるオペラアリアの中でも「トゥーランドット」の「誰も寝てはいけない」と並ぶ人気アリアです。アリア自体は時間にして2分程度、とっても短い曲です。

「トスカ」の舞台はローマ。歌手のトスカと恋人で画家のカヴァラドッシの仲を裂き自分の女にしようとする警視総監のスカルピアの暗躍が物語の骨子。政治犯アンジェロッティの逃亡を助けたカヴァラドッシを助命する代わりに自分の女になることをスカルピオに強要されたトスカ。スカルピオはにせの処刑をする約束をするが、トスカに刺されて絶命。空砲を使うと約束されていた処刑も本物でカヴァラドッシは殺され、それを嘆いたトスカも城の屋上から身を投げるという話。

「星は光りぬ」はカヴァラドッシが、自らが処刑され恋人と別れざるをえない身を嘆いて歌う曲です。
ちなみに、コントラバスは殆ど出番がありません。

2020年8月24日 (月)

今日の音楽 8月24日 Time after time ~花舞う街で~

アニメ映画「名探偵コナン 迷宮の十字路」は2003年4月に公開されました。

「ベイカー街の亡霊」に次いで、息子を連れて映画館に見に行った作品です。
今回は京都を舞台にした作品で、コナン(工藤新一)のライバルであり親友でもある服部平次と彼の幼馴染の遠山和葉が大活躍するストーリー。
2016年に行われたコナンシリーズ歴代人気投票で、第1位になった傑作です。

平次と和葉の運命のカギを握ったのが京都の手まり歌。京都の通りの名前を織り込んだ歌でした。
主題歌は倉木麻衣の「Time after time~花舞う街」。第5作の「天国へのカウントダウン」に次ぐ2作目の主題歌です。

2020年8月23日 (日)

今日の音楽 8月23日 ワルツ「ロマンティックな人びと」

ヨーゼフ・ランナーのワルツ「ロマンティックな人びと」は1840年8月23日にデープリングで初演されました。

ランナーはシュトラウス一家に先立ってウィンナ・ワルツを確立させ「ワルツの始祖」とも呼ばれている作曲家です。
「ロマンティックな人びと」はランナーの代表作のひとつで哀愁たっぷりの序奏からはじまり、軽快なワルツを持つ曲ですが、タイトルのロマンティックを求めるとちょっと違うかなという、本格的なワルツです。

2020年8月22日 (土)

今日の音楽 8月22日 歌劇「ナブッコ」序曲

パイオニア合唱団とのジョイント・コンサートの後半1曲目はヴェルディの歌劇「ナブッコ」序曲と開幕の合唱でした。

ナブッコについては8月8日の記事でも取り上げていますのでオペラの内容は割愛します。

序曲は、イタリア・オペラとしては長い序曲で、ヴェルディ初の本格的管弦楽作品にあたります。劇中の代表的な旋律を使っています。序奏はコラール風の旋律、続いて第2幕のヘブライ人の合唱「裏切り者よ」と有名な第3幕の「行け我が思い黄金の翼に乗って」が主要主題として表れていくわけです。

ヴェルディは、本格的な序曲を使わず、簡単な前奏曲や導入曲でオペラに入る事も多いのですが、本格的な序曲は「運命の力」「シチリアの夕べの祈り」がよく知られていますが、この2曲に比べると演奏は難しく無かったかな、と思います。そういえば、これらの2曲も管弦楽作品として素晴らしい曲です。

2020年8月21日 (金)

今日の音楽 8月21日 さくら

2003年の邦楽年間ヒットランキング第4位は森山直太郎の「さくら」でした。

ズバリ花の名前の曲で、日本で最も多いのが「さくら」でしょう。コブクロ、ファンモンなど有名どころもそれぞれ別の楽曲にこのタイトルをつけています。「さくら」という曲の特徴として、シーズン柄卒業ソングとして歌われる事が多いのも特徴。

そんな中で、最も日本の曲!という雰囲気を出しているのが森山直太朗の「さくら」では無いでしょうか。森山2枚目のシングルで、元々は友人の結婚をきっかけに作られたもの。Cdの第1トラックには「さくら(独唱)」、第2トラックには宮城県の高校音楽部がコーラスをつけた「さくら(合唱)」が収録されていました。音域広くて飛ぶので歌いやすい曲ではありませんが、愛される曲になりました。

2020年8月20日 (木)

今日の音楽 8月20日 愛の妙薬

2003年5月に文京シビックホールでパイオニア合唱団との合同演奏会が開催されました。

前半は、ドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」第1幕の抜粋でした。
アマチュア・オーケストラでも、アマチュア・オペラの伴奏のために結成されたオーケストラは少なからず存在していますが、我々のようなシンフォニック・オーケストラがオペラの伴奏をすることは殆どありません。たまにあっても演奏会形式の抜粋ぐらいでしょうか。理由は、オペラの伴奏の場合オケ・ピットの中で演奏する黒子なので、1年に数回程度の演奏会の練習をそれに費やす事は団員のモチベーションを保つためにも難しい事がひとつ、演奏時間が長い事も理由のひとつでしょう。

そんなわけで、今まで唯一演奏会形式で演奏したのが、ドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」の第1幕抜粋でした。
「愛の妙薬」はニセの「ほれ薬」にまつわる喜劇。愚直な主人公ネモリーノが歌う「人知れぬ涙」が有名なアリアですが、それは第2幕。

ネモリーノがアディーナへの想いを独白する「なんと彼女は美しい」にはじまる第1幕だけでしたが、とっても楽しかったです。
結構伴奏とか協奏曲とかは楽しいものです。

 

2020年8月19日 (水)

今日の音楽 8月19日 ローレライ=ラインの調べ

ヨハン・シュトラウス一世のワルツ「ローレライ=ラインの調べ」は1843年8月19日に初演されました。

ヨハン・シュトラウス一世のワルツの中で随一の傑作といわれる曲。ライン川とその岸にそびえる岩山「ローレライ」の伝説を題材に作曲したもの。ヨハン・シュトラウス二世のデビューコンサートでも父親に敬意を表して演奏しています。

2020年8月18日 (火)

今日の音楽 8月18日 パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち

2003年の日本での映画興行収入ランキング第6位はパイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たちでした。

ディズニーのテーマ・パークにある「カリブの海賊」を元にしたファンタジック・アドヴェンチャー映画。全5作が作られているシリーズの第1作。
当初は3部作として構想され第3作まではゴア・ヴァービンスキーが監督しています。

音楽は、実質的には3部作はハンス・ジマーが担当しましたが、当時ジマーが手がけていた「ラスト・サムライ」の関係で他のプロジェクトに携わらないとしていたため、若手のクラウス・バデルトを推薦し実際の主要曲はジマーが作りバデルトが仕上げをしてクレジットは1作目のみバデルト名義となりました。
テーマ曲の「彼こそが海賊」は、後のドラマのシーンや、スポーツ選手の入場曲などに使われて特に知られる曲となっています。

2020年8月17日 (月)

今日の音楽 8月17日 世界に一つだけの花

ネタは2003年に入ります。2003年はSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した年です。また同時多発テロの報復としてアメリカがイラクとの間に戦争を始めた年。

私は、異動になって、台湾に本社のある子会社の東京支社にあたる会社に出向になり、中国工場と台湾本社に挨拶訪問をする予定で中国へ出発しましたが、戦争が勃発して途中で帰国命令が出て、イスラムの報復の可能性が無い中国の航空機で帰国したという経験をした年でした。

2003年の邦楽ヒットランキング第1位はSMAPの「世界に一つだけの花」でした。

作詞作曲は、あの人。オリコンの歴代シングルチャートの第3位、平成ではナンバーワンでした。
これほど売れた要因は勿論SMAPだったこともありますが、最大のものは誰でも口ずさめる曲だったからだと思います。
音域が非常に狭い曲(1オクターヴ+2度)なので、キーさえ変えればどんな人でも歌える音域ですね。

2020年8月16日 (日)

今日の音楽 8月16日 交響曲第3番(ブラームス)

2002年10月のパイオニア交響楽団第11回定期演奏会のメイン曲はブラームスの交響曲第3番ヘ長調op.90でした。

ブラームスの交響曲は私は順番通りの演奏機会になりました。第3番は3番目。第3楽章こそ映画「さよならをもう一度」などで使われてメロディは有名ですが、全体的には一番渋い曲かもしれません。

個人的にはとらえどころの無い曲という印象が強い曲で、ブラームスの交響曲中唯一静かに終わる曲でもあります。
第1楽章は4小節・2つの和音による短い序奏の後、暗い絶望感を感じる(個人的にですが)第1主題が提示されます。第2主題は穏やかな曲で、この展開はさすがブラームス。

第2楽章はのんびりとした緩徐楽章。途中コラール風の展開を見せます。
第3楽章は有名なチェロの旋律。この楽章にメヌエットやスケルツォといった音楽を置かずにエレジーのようなものを置いたわけです。
終楽章は地下で蠢くような第1主題とコラール風の動機から情熱的な音楽に進み、最後は静かに終わる。耳を澄ませば第1楽章の第1主題が聞こえます。

簡単に書いちゃいましたが、ホントにとらえどころが無くて、曲を作るのがブラームスの中で最も難しい曲です。

2020年8月15日 (土)

今日の音楽 8月15日 ため息

エルガーの「ため息」op.70は1914年8月15日にヘンリー・ウッドの指揮でロンドンのクイーンズ・ホールで初演されました。

ハープとオルガン(またはハルモニウム)及び弦楽合奏のための曲。5分程度の曲で、当初は「愛のため息」というタイトルを考えていたそうですが、思いのほか情熱的な曲になってしまったため、「愛の」をはずしたそうです。

2020年8月14日 (金)

今日の音楽 8月14日 交響曲第40番(モーツァルト)

2002年のパイオニア交響楽団第11回定期演奏会の中プロはモーツァルトの交響曲第40番でした。

モーツァルトの交響曲は、通常のアマチュアのシンフォニー・オーケストラではなかなか取り上げにくい曲です。原因はいくつかありますが、まずは編成の問題。アマオケでは木管楽器が飽和気味なので、編成上木管楽器が少ないモーツァルトの曲をプログラムに入れてしまうと木管全員が出演できない場合がある。それから難易度。天才モーツァルトの曲はなかなか一筋縄では理解しにくい。また、ベートーヴェン以降の音楽のように、はっきりと楽譜にダイナミクスが表記されていないので、本番の指揮者による練習が始まるまでは本番でどのような演奏を求められるかが全くわからない。またかなり難しい割りに時間が30分以下なので、メイン曲に持って行きにくいので、前プロでモーツァルトやって、メインで他の作曲家の交響曲をやるとなると、とっても負担が大きい。などなど。

私自身はこの曲でモーツァルト4曲目となるわけですが、3曲は20代で演奏しているので、よくわからず演奏していた感が大きく、年齢的に熟してからは始めてとなりました。パイオニア交響楽団も、アンサンブル力強化という事で初めてモーツァルトに取り組んだのがこの40番でした。

40番を選んだのは・・・多分、木管楽器がフル2管に近い(元々はフルート1本でクラリネットなしでしたが、改訂稿ではクラリネットが書き加えられています)。ただしティンパニとトランペットはありません。それから・・有名だから。でしょうか。

モーツァルトのたった2曲の短調のシンフォニーの1曲なので凝縮度は半端ない曲。35番以降の後期のモーツァルトの交響曲全曲制覇した今となっても一番難しい曲だと思っています。

2020年8月13日 (木)

今日の音楽 8月13日 大学祝典序曲

2002年10月に行われたパイオニア交響楽団第11回定期演奏会の前プロは、ブラームスの大学祝典序曲でした。

ブラームスがプレスラウ大学から名誉博士号を授与された感謝として作曲した曲。4つの学生歌を使った曲で、中でもラジオの文化放送系列で放送されていた「大学受験講座」のテーマ曲に使われていた第2主題の「あそこの山から来るのは何」は、このラジオを眠気を抑えながら聴いていた自分としては懐かしい曲でした。

ブラームスの演奏会序曲は、この曲と「悲劇的序曲」が対になる曲で、両方とも非常に人気が高い曲。自分の大学の卒業式以来の演奏で、当時は難しいと思っていましたが、簡単ではないものの、とっても楽しい曲だと再認識しました。

2020年8月12日 (水)

今日の音楽 8月12日 「アイーダ」の凱旋の合唱

2002年ベルギー公演最後の曲は、ヴェルディの歌劇「アイーダ」から凱旋の合唱「エジプトとイシスの神に栄光あれ~バレエ音楽~戦いに勝った将軍よ、前に出よ」でした。

アイーダと言えば、野外劇場で上演されたりする非常に派手な曲です。エジプトに攻め寄せるエチオピア軍を撃退する司令官に選ばれたラダメスの恋人はエジプトの王女アムネリスに仕える奴隷のアイーダ。アイーダは実はエチオピアの王女ですが誰も素性を知りません。また、アムネリスもラダメスに心を寄せているというのが舞台設定。エジプト軍が捕らえたエチオピア軍の捕虜の中に身分を隠したアイーダの父であるエチオピア王アモナズロがいて、ラダメスからエジプト軍の行軍経路を聞き出し、エジプトを裏切ったラダメスは捕らえられ、自分への愛を条件に助命に奔走しようとするアムネリスの提案を拒んで処刑されてしまいます。アイーダもラダメスの処刑を予想して死をともにし、アムネリスがラダメスの冥福を祈る場面で幕となります。

凱旋の合唱は第2幕第2場冒頭のラダメス率いるエジプト軍がエチオピア軍に勝利し、捕虜を従えて凱旋する場面の音楽。実際にはアイーダトランペットという、この曲専用の長いトランペットが使われますが、この公演では普通のトランペットが使われました。2013年に東京芸術劇場でパイオニア合唱団との合同演奏会をやった時にはアイーダトランペットを借用して使っています。

また、この曲は行進曲と行進曲の間にバレエ音楽が入っています。これが結構難しいけれど、ヴェルディはオペラ作曲家として有名ですが、それだけではなく管弦楽の能力もかなり高かった事がわかる曲です。

2020年8月11日 (火)

今日の音楽 8月11日 カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲

2002年のベルギー公演の後半5曲目はマスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲でした。

19世紀後半のに訪れたヴェリズモ・オペラの代表作である「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、リアリズム作品であるだけに生々しい悲劇作品になっています。兵役中に恋人ローラに馬車屋のアルフィオと結婚さにてしまったトゥリッドゥは一旦はあきらめて別の女性サンタと結婚するものの、ローラが忘れられず逢瀬を繰り返します。怒ったサンタがアルフィオに告げ口をしてしまいます。

二人は決闘をする事になり、トゥリッドが殺されてしまうという話です。
このオペラを有名にしているのが、美しい間奏曲です。

実際のスコアでは、間奏曲はコントラバスを除く弦楽合奏とオルガン(アド・リブ)及びハープに、オーボエのオブリガードのみで、最後の2小節の伸ばし音だけ他の木管楽器が登場します。間奏曲単独で演奏する場合はオルガンを、わずか数分のこの曲だけのために用意するわけにも行かないので、木管楽器とコントラバスがオルガンの代用として使われます。なので、コントラバスはあっても無くても良いようなものなので、個人的にはあまり好ましい曲ではありません。

勿論ベルギーではオルガンはありませんでしたので、コントラバスはオルガンの低音部の代理をつとめました。

2020年8月10日 (月)

今日の音楽 8月10日 歌劇「リゴレット」より「慕わしい人の名は」

パイオニア交響楽団の2002年ベルギー公演の後半4曲目は、ヴェルディの歌劇「リゴレット」から「慕わしい人の名は」でした。

「女心の歌」で知られる「リゴレット」ですが、オペラの内容は陽気な「女心の歌」とは全く異なる、ヤリキレナイ悲劇です。好色なマントヴァ伯爵の獲物となった少女ジルダは、屋敷に出入するせむしの道化師リゴレットの隠し子。公爵は名前を偽ってジルダに近づき、心を奪われたジルダが歌う第1幕の曲が「慕わしい人の名は」です。

最後にリゴレットは、殺し屋に依頼して公爵を殺そうとしますが、誤ってジルダを殺害してしまいます。お金と引き換えに殺し屋から死体の入った布袋を受け取ったリゴレットの耳に公爵の歌う「女心の歌」が聞こえてきて、慌ててあけた袋の中から出てきたのは虫の息のジルダだったという悲劇でした。こんなストーリーなので、傑作なのですがオペラ全体を聴く気にはなれないんです。

この曲の難しさは、テンポの揺れ。勿論歌手に合わせるのですが、この曲は止まりそうなほどテンポが遅くなったり、伸びたりという揺れの大きさに合わせるのが大変でした。

2020年8月 9日 (日)

今日の音楽 8月9日 ハリー・ポッターと秘密の部屋

映画「ハリー・ポッターと秘密の部屋」は2002年11月に公開されました。

ハリー・ポッター・シリーズの第2弾。ヴォルデモードとなるトム・リドルと秘密の部屋にかかわる謎を解く内容。嘆きのマートル、屋敷しもべのトビーといったキャラクターが登場します。

音楽は勿論ジョン・ウィリアムズ。

2020年8月 8日 (土)

今日の音楽 8月8日 「行け、我が思い、黄金の翼に乗って」

ベルギー公演後半の第3曲は、ヴェルディの歌劇「ナブッコ」から、ヘブライ人の奴隷の合唱「行け、我が思い、黄金の翼に乗って」でした。

「ナブッコ」は旧約聖書の「エレミア書」と「ダニエル書」から題材をとった作品。ナブッコは、新バビロニア王国の第2代王のナブカドネザル2世の事。歴史上の「ヘブライの捕囚」とナブッコと妻のアビガイッレの愛憎や裏切りなどを描いた作品。

「行け、我が思い、黄金の翼に乗って」は第3幕第2場で、捕らえられたヘブライ人たちがユーフラテス河畔で祖国を思って歌う合唱曲。初演された1842年当時はオーストリアの支配下にあり独立の戦いをしていたイタリアに、この曲を重ね合わせたという伝説があります。

ヴェルディの葬儀の際にも歌われ、イタリアの第2の国家とも言われている曲です。
「ナブッコ」の序曲にもメインのテーマとして使われています。

2020年8月 7日 (金)

今日の音楽 8月7日 名探偵コナン ベイカー街の亡霊

名探偵コナン ベイカー街の亡霊は2002年4月に公開されました。

「ベイカー街の亡霊」は名探偵コナンの劇場版シリーズの第6作で、息子を連れてGWに初めて見に行った作品です。
体感シュミレーションマシーンの「コクーン」の完成披露パーティーを訪れたコナンたちが事件に巻き込まれ、お助けキャラのシャーロック・ホームズ、モリアティー教授、切り裂きジャックなどが登場するヴァーチャル・ロンドンを訪問し謎を解き明かすというもの。

主題歌はB'sの「Everlasting」。

この作品はコナンシリーズの中でも人気の高い作品で、2016年に実施された人気投票では、2003年の「迷宮の十字路」に続いて第2位になった作品。この後映画館やテレビで見続けていますが、私の中ではナンバー1の作品です。

2020年8月 6日 (木)

今日の音楽 8月6日 鍛冶屋の合唱

ベルギー公演後半の第2曲はヴェルディの歌劇「イル・トロヴァトーレ」から鍛冶屋の合唱(アンヴィル・コーラス)でした。

原作はスペインの劇作家グティエレスの戯曲「エル・トロバドール」で、「吟遊詩人」という意味です。
先代のルーナ伯爵が息子(弟の方)にのろいをかけた容疑で火刑に処したジプシーの娘が復讐を果たすというストーリー。

有名な鍛冶屋の合唱は第2幕の冒頭でジプシーの一団が酒を酌み交わしながら鍛治の仕事をしている場面で歌われる曲で、サビの部分で鍛冶屋の槌を打つ音が登場します。これは実際に金床をハンマーで打って音を出します。
金床、かなり重たかったです。

2020年8月 5日 (水)

今日の音楽 8月5日 モンスターズ・インク

2002年の日本での映画興行収入第2位は「モンスターズ・インク」でした。

ディズニーとピクサー製作によるフルCGアニメーション映画。モンスターの世界に入り込んでしまった人間の女の子ブーを守って、人間の世界に送り届けるモンスター サリーとマイクの活躍を描いた作品。

主題歌はジョン・グッドマン&ビリー・クリスタルの「君がいないと」。日本語吹替版では、石塚英彦と田中裕二が歌いました。アカデミー主題歌賞を受賞しています。

2020年8月 4日 (火)

今日の音楽 8月4日 タンホイザー 大行進曲

さて、ベルギー公演の後半はオペラの合唱曲集でした。最初の曲はワーグナーの歌劇「タンホイザー」より大行進曲「歌の殿堂をたたえよう」でした。

長年やってきた演奏活動で、合唱団との共演や、ソロ歌手の伴奏という経験は何度もありましたが、本格的なオペラの伴奏は始めての経験でした。しかも合唱はベルギーの合唱団なので日本語なまりの(笑)ドイツ語とは違う本場の雰囲気を味わえました。

歌劇「タンホイザー」の中でも最も有名な場面のひとつ、歌合戦が開催される広間へ歌手や貴族たちが次々と入場してくる場面で演奏されるのが大行進曲「歌の殿堂をたたえよう」です。トランペットのファンファーレの後オーケストラのみで演奏され、次に合唱が加わって同じ旋律が繰り返されます。オーケストラのみのパートと合唱のパートは殆ど同じですが、こういう場合は合唱が加わるとオーケストラは一段音量を落とす必要があり合唱を引き立てるので全く同じ演奏というわけではありません。

この歌合戦(テーマは愛の本質)で、主人公のタンホイザーはヴェヌスを讃え、奔放な愛を歌ったために領主に追放され、タンホイザーは贖罪のためにローマへの巡礼に旅立つわけです。

2020年8月 3日 (月)

今日の音楽 8月3日 猫の恩返し

2002年の日本での映画興行収入第7位は「猫の恩返し/ギブリーズ episode Ⅱ」でした。

「猫の恩返し」は、「耳をすませば」の主人公月島雫が書いた物語という設定のスピンオフ。
女子高生吉岡ハルが学校からの帰りにトラックに轢かれそうになった猫を助けましたが、その猫が猫の国の王子ルーンで、お礼に猫の国に招待されます。猫の王の妃にされそうになり、猫の貴公子バロン男爵の助けを得て猫の国を脱出する冒険がストーリー。

主題歌はウクレレの弾き語りのシンガー・ソングライター つじあやのによる「風になる」。とっても爽やかな曲です。

2020年8月 2日 (日)

今日の音楽 8月2日 亜麻色の髪の乙女

2002年の邦楽年間ヒットランキング第22位は島谷ひとみの「亜麻色の髪の乙女」でした。

亜麻色の髪の乙女は1968年、グループサウンズ全盛期にヴィレッジ・シンガーズがヒットさせた曲でした。ヴィレッジ・シンガーのピークの曲で、バラ色の雲-好きだから-亜麻色の髪の乙女-虹の中のレモン-星が降るまで あたりが人気のピークでした。

2002年に島谷ひとみが出演した花王のCMソングに使われ当初CD化の予定が無かったのですが反響が大きくてCD化しヒットしました。作曲はドラゴン・クエストの音楽で大ブレークしたすぎやまこういち。このカバーをきっかけに本家のヴィレッジ・シンガーズが再結成されています。

島谷ひとみの「亜麻色の髪の乙女」は色々なバージョンがありますが、最初にCD化されたものは、はじめはアコースティック・ギターの爪弾きをバックにスローテンポで静かに始まり、突然ポップな曲になってファースト・コーラスが始まるというものです。

2020年8月 1日 (土)

今日の音楽 8月1日 花

パイオニア交響楽団のベルギー公演の日本の歌は山田耕筰の「松島音頭」、近衛秀麿の「ちんちん千鳥」、滝廉太郎の「花」を演奏しました。

「花」は明治の西洋音楽黎明期を代表する早逝の作曲家でした。「箱根八里」「荒城の月」「鳩ぽっぽ」「お正月」などの曲を残しています。

「花」は「納涼」「月」「雪」と共に歌の組曲「四季」として作曲されたもので歌詞は詩人の武島羽衣によるもの。隅田川の築堤の桜と隅田川の情景を描いたもの。東京を代表する歌であり墨田区のシンボルにも制定されています。新幹線の上野駅の車内音や浅草駅の発車メロディにも使われています。

歌詞は「源氏物語」や蘇軾の「春宵一刻値千金」から着想されるなど、難解な内容なのですが愛され続けているのは流れるようなメロディが寄与しているのでしょう。ベルギーの地元の合唱団が歌いましたが、歌詞の内容は一応説明されていたようです。

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