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2020年7月31日 (金)

今日の音楽 7月31日 室内音楽第1番

ヒンデミットの室内音楽第1番op.24-1は、バーデンバーデンのドナウエッシンゲン音楽祭で1922年7月31日に初演されました。

ヒンデミットは室内管弦楽のための協奏曲として7曲の「室内音楽」を作曲しました。
それぞれの曲の編成はバラバラで、独奏楽器も、第1番のように12の独奏楽器のための曲や、オブリガートピアノ、オブリガートチェロ、ヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオラダモーレ、オルガンといった具合にばらばらになっています。

第1番は「12の独奏楽器のための」音楽です。といっても12重奏曲ではありません。というのも12の独奏楽器といっても12の独奏者のための音楽という意味合いで、編成はフルート(ピッコロ持ち替え)、クラリネット、ファゴット、トランペット、ハーモニウム、ピアノ、ヴァイオリン2本、ヴィオラ、チェロ、コントラバスと一人の奏者が担当する複数の打楽器群(シロフォン、スネアドラム、ウッドブロック、シンバル、タンバリン、トライアングル、砂入のブリキ缶、サイレン、グロッケンシュピール)です。

 

2020年7月30日 (木)

今日の音楽 7月30日 ウェーゼンドンク歌曲集

ワーグナーのウェーゼンドンク歌曲集は1862年7月30日にマインツ近郊で初演されました。

ワーグナーが当時のパトロンの夫人マティルデ・ウェーゼンドンクの詩に曲つけをしたもの。マティルデはワーグナーと情を通じているため「トリスタン」に通じる濃密なエロディシズムを感じさせる曲になっています。

特に最後の2曲、「悩み」と「夢」は「トリスタン」に使われる楽想が登場しています。当初はピアノ伴奏による女声のための曲として作られましたが、後に「夢」を自身で室内オーケストラ伴奏に編曲してマティルデの誕生日に演奏したそうです。

その後フェリックス・モットルによって全曲が管弦楽化されました。

2020年7月29日 (水)

今日の音楽 7月29日 ロード・オブ・ザ・リング

2002年の日本での映画興行収入ランキング第4位は「ロード・オブ・ザ・リング」でした。

「ロード・オブ・ザ・リング」の原作はイギリスのトールキンによる「指輪物語」。日本では全6巻の文庫本としても発売されていて、読む気にもならなかった覚えがあります。
ホビット、エルフ、人間、ドワーフ、魔法使い、ゴブリン、トロルなどという種族が登場して、舞台ははるか昔。こんなものがアニメ以外で映像化できる日が来るとは全く想像できませんでした。

映画は、この第1作「旅の仲間」、第2作「二つの塔」、第3作「王の帰還」の3部作。冥王サウロンの作った力の指輪を中心に展開される「中つ国」を舞台として、ホビットのフロドなど9人の仲間が闇の勢力と繰り広げる戦いを軸に、サウロンを滅ぼすために指環を破壊するための冒険を描いたものです。

音楽はハワード・ショアが3作を通して担当し、この第1作の主題歌はエンヤが歌った「メイ・イット・ビー」です。

2020年7月28日 (火)

今日の音楽 7月28日 ルーベンス・カンタータ

2002年5月には欧州文化首都というヨーロッパの行事で世界各国のアマチュアグループが参加する10日間ほどの音楽祭で、ベルギーのブルージュの合唱団「カントーレス」とのジョイントコンサートに出演しました。第1部は、日本とベルギーの歌、第2部はオペラの合唱曲を演奏しました。前プロはベートーヴェンの「エグモント」序曲。エグモントというのはフランドル地方の英雄的な軍人という事で選んだ曲です。

ベルギーの歌としては、ベーター・ブノワの作曲した「ルーベンス・カンタータ」の抜粋を演奏しました。この曲(というか作曲家自体も)全く知らず、当時はYou Tubeなんていうものも無かったので、音源も無かったのですが、一応送られてきた楽譜で国内での練習はしていました。
私は大学の時に日本人作曲家の初演なるものを経験していたので、音源を聞かないで演奏するのは初めてでは無かったのですが、それでも合唱つきでの練習はベルギーに行ってから。

感想はう~んという感じの曲。とにかく華やかなのですが、中身が薄い。やたらにユニゾンのトゥッティの部分が多くてメロディラインの豪華さのわりにオーケストラが鳴らないといった感じ。シューマンの管弦楽曲をもっと極端にしたくすんだ感じでした。それでもベルギーのお客さんにはお馴染みの曲だったんでしょうかね。で、これもシューマンの曲同様、休みが殆ど無い弾きっ放しの曲なので体力的には疲れる曲でした。

 

2020年7月27日 (月)

今日の音楽 7月27日 大きな古時計

今日からネタは2002年に入ります。
2002年の出来事としては、時の小泉首相が日本の首相として初めて北朝鮮を訪問し、その1ヵ月後に拉致被害者5人が帰国した事でしょう。

2002年の邦楽ヒットランキング第7位は、平井堅の「大きな古時計」でした。
大きな古時計は、アメリカのヘンリー・クレイ・ワークが作詞作曲し1876年に発表した曲。ワークがイギリスに訪問した際に宿泊先のホテルの主人から聞いたエピードを元にした曲です。
おじいさんが生まれた時に買ってきた時計は、90年間(日本語訳では語呂が悪いので100年)ずっと時を刻み続けましたが、おじいさんが亡くなって止まってしまったという内容。NHKのみんなの歌でも紹介されていました。

この曲を始めて知ったのは、中学校2年に時。クラスの曲を決めようという事になって、ある小学校出身の女の子たちの組織票で、この曲がクラスの曲に決まりました。当時は、何でこんな寂しい曲を。。。もっと元気の良い曲が良かったと思いましたね。

この曲、この止まってしまった時計ががらくた屋に売り払われてバラバラに解体されるという内容の続編がワーク自身によって作られましたが、そんな内容ですから全く売れなかったようです。

2002年に平井堅がアコースティックな伴奏で歌った「大きな古時計」はオリコンで4週連続1位になるなど大ヒットしました。基本はギター伴奏に時計の音を模したパーカッションが加えられた素朴な歌声です。

2020年7月26日 (日)

今日の音楽 7月26日 Wild Child

2001年J-WaveのTOKYO HOT 100年間ランキング第57位は、ENYAのWild Childでした。

Wild Childはアイルランドのシンガー・ソングライター エンヤのシングル。日本では映画「冷静と情熱のあいだ」で使用され日本で大ヒットしました。弦楽器のピツィカートアンサンブルとピアノの伴奏による印象的な曲です。

2020年7月25日 (土)

今日の音楽 7月25日 カルミナ・ブラーナ

2001年のパイオニア交響楽団第10回定期演奏会のメイン曲はオルフのカンタータ「カルミナ・ブラーナ」でした。

第10回の記念演奏会という事で選ればれた大曲が、「カルミナ・ブラーナ」でした。独唱、合唱もさることながら少年合唱(FM東京少年合唱団でした)が可愛らしかった。曲自体もカンタータと言っても、破戒僧やら何やらの話で、艶っぽい話やら世俗的な内容であり、音楽もユーモアというか皮肉たっぷりの音楽で、とっても楽しかった。

元々は19世紀初頭に南ドイツの修道院で発見された詩歌集をテキストにしたもの。恋や性、酒など修道院ではタブーな内容が盛りだくさん。
冒頭と最後の曲は、やたらに映画、テレビドラマやCMなどで使われる「おお、運命の女神よ」で、これは一見まともな曲。第1部「初春に」もまだまだ、第2部「居酒屋にて」からは、もう経験のない世界でした。

 

2020年7月24日 (金)

今日の音楽 7月24日 ヴァイオリン協奏曲第3番(パガニーニ)

パガニーニのヴァイオリン協奏曲第3番ホ長調は1828年7月24日にウィーンで初演されました。

この第3番のヴァイオリン協奏曲は初演の後、紛失されていたと考えられていましたがヴァイオリニストのヘンリク・シェリングが1971年に蘇らせた曲です。今でも滅多に演奏される事はありませんが、スピッカートだダブルストップだ技巧的なところと、美しいメロディというパガニーニのヴァイオリン協奏曲のアイデンティティはしっかり引き継いだ曲になっています。

2020年7月23日 (木)

今日の音楽 7月23日 ハリー・ポッターと賢者の石

映画「ハリー・ポッターと賢者の石」は2001年12月に日本で公開されました。

イギリスの児童文学作家ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズの第1作。原作は1997年に発表されました。これ以降第7作の死の秘法まで続くシリーズの幕開けとなる作品です。
タイトルロールのハリー・ポッターを演じたダニエル・ラドクリフ、親友のロン・ウィーズリー役のルパート・グリント、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンは殆ど経験の無い子役でした。
実は私にとってもシリーズ作品を全てを映画館で見た唯一の映画です。

音楽はジョン・ウィリアムズ。主題歌は一切出てきません。登場人物を特定するライトモチーフが多用されています。またメインテーマ(ヘドウィグのテーマ)はシリーズ全作で使われています。

2020年7月22日 (水)

今日の音楽 7月22日 歌劇「群盗」

ヴェルディの歌劇「群盗」は1847年7月22日にロンドンで初演されました。

ベートーヴェンの第九の詩で知られるシラーの原作による劇をオペラ化したもの。弟フランツの姦計によって父モール伯爵から勘当され盗賊となった息子カールが主人公。フランツはカールの恋人と父親にカールが死んだと思い込ませ、父も策略で幽閉してしまいます。盗賊となったカールは郷愁の念から変装して自宅に戻りフランツの悪事と恋人の自分への愛を確認しフランツを討とうとしますが、フランツは自殺。幽閉をとかれた父もフランツが盗賊になっていることを知り憤死してしまいます。盗賊団の結束から逃れられない事を悟ったカールは恋人に頼まれて彼女を刺し殺し、自首するという恐ろしいほどの悲劇です。

まあヴェルディの中ではあまり人気あるものではありませんし、序曲さえも殆ど演奏されませんが、ヴェルディらしい曲といえば曲のような気がします。

2020年7月21日 (火)

今日の音楽 7月21日 いつも何度でも

2001年の邦楽年間ヒットランキング第43位は木村弓の「いつも何度でも」でした。

名もない歌手の曲が突然「千と千尋の神隠し」という大ヒットアニメの主題歌に採用され一躍脚光を浴びたというのが我々の知っている木村弓さん。ライアーというギリシャ起源の竪琴の弾き語りで歌う「いつも何度でも」は元々は企画段階でボツになった「煙突描きのリン」のために作曲されたもので、お蔵入りになりかけたのを宮崎駿が聞きなおして「千と千尋・・・」に採用したものです。

宮崎自身はこの曲が映画に影響を与えた可能性も言及してます。

2020年7月20日 (月)

今日の音楽 7月20日 交響曲第6番「田園」

2001年6月にパイオニア交響楽団の第10回定期演奏会が東京芸術劇場で催されました。
第10回という事で、合唱団との共演で「カルミナ・ブラーナ」を演奏、前プロとしてベートーヴェンの交響曲第6番ヘ長調「田園」op.68を演奏しました。

ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」は、交響曲という分野で様々な冒険をしてきたベートーヴェンの最も画期的なチャレンジとなる曲です。完全なる標題音楽であり、各楽章にコメントをつけた描写音楽でもあります。第1楽章で、田園地帯にやってきた清々しい気持ちが描かれ、第2楽章では小川の流れや森の情景、おまけに鳥の鳴いている様子までも描いています。連続して演奏される第3楽章から第5楽章にかけては、村の祭り、突然襲ってきた嵐、そして嵐が去った後の澄んだ空気と喜びが描かれています。

ところが、私は一生この曲を演奏したくなかったのが本音でした。原因のひとつが、清々しい第1楽章、第2楽章と第5楽章がコントラバスは非常につまらない(まあ、ベートーヴェンの曲とは思えないほど簡単)事。もうひとつが、第4楽章の殆どの部分が、嵐を表現する効果音として使われている事。そしてこの効果音がポジション移動が激しくて、指が弦の上で擦れて痛い!事、また終わりの方には五弦ベースでないと(五弦ベースでもアマチュアレベルには)演奏不能の箇所がある事。効果音なので音が多少違っても良いのでしょうか、でも一応譜面には音符が音程をもって書いてあるわけですから、弾けなきゃ悔しいわけで、悔しい思いをしたくないので、演奏したくなかったわけです。

曲は素晴らしい曲ですが。。。でとうとう演奏してしまったわけですが、もう一回演奏したいとは全く思いません。

2020年7月19日 (日)

今日の音楽 7月19日 千と千尋の神隠し

2001年の日本での映画興行成績第1位はm「千と千尋の神隠し」でした。

宮崎俊が監督した日本歴代興行収入第1位の308億円を獲得したアニメーション映画。ちなみに第2位は「タイタニック」の262億円。歴代の興行収入では邦画は第4位「君の名は。」、第6位「ハウルの動く城」、第7位「もののけ姫」で、第8位にようやくアニメではない作品「踊る大走査線 THE MOVIE 2 レインボウブリッジを封鎖せよ」が入っています。
千尋という10歳の少女が、家族とともに引っ越し先へ向かう途中に立ち入ったトンネルから、神々の世界へ迷い込んでしまい、掟を破って豚に姿を変えられた両親を救うために、湯婆婆の経営する銭湯で奮闘する話。

音楽は勿論久石譲。主題歌は筧和歌子が作詞し、作曲した木村弓が竪琴の弾き語りで歌った「いつも何度でも」です。

そのほかにも「あの夏へ」「あの日の川」「ふたたび」など名曲が数々と登場します。

 

2020年7月18日 (土)

今日の音楽 7月18日 明日があるさ

いよいよ21世紀。2001年ネタに入ります。
2001年はアメリカ同時多発テロ事件があった年です。

邦楽年間ヒットランキング第18位はウルフルズの「明日があるさ」でした。

原曲は青島幸男が作詞し中村八大が作曲し1963年にヒットした坂本九の曲。引っ込み思案の男の子が、好きな女の子になかなか告白できず、「今日こそ」が「明日があるさ」に変わって行く様子をコミカルに表現した曲。

これをロックバンド「ウルフルズ」が21枚目のシングルとしてカバーしてオリコン4位まで上昇しました。この曲はその他様々なアーティストにカバーされています。

2020年7月17日 (金)

今日の音楽 7月17日 ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)

パイオニア交響楽団第9回定期演奏会の中プロはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ハ短調op.18、メイン曲はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」でした。

ドヴォルザークの新世界よりは、自分としては2回目なので、こちらをご覧ください。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、今では最も人気の高いピアノ協奏曲のひとつとなっている曲。1895年に作曲した交響曲第1番の初演の失敗によって自信喪失になってしまい作曲活動を殆ど止めてしまいましたが、精神科医の治療を受け、5年ほどのブランクを経て作曲したのが、この曲。ラフマニノフの治療にあたった精神科医のニコライ・ダーリに献呈されました。

この曲流麗な第1楽章が印象的ですが、実は結構難しい曲(勿論ピアノ独奏は超絶難しいですが)です。
ピアノの和音-超低音の繰り返しが次第に音量を増していき(ロシア正教会の鐘を模したものらしいです)、そこから弦楽器による流れるような主題が沸いてきます。第2主題は抒情たっぷりのメロディでまずピアノで提示されます。展開部は打って変わって劇的。第1第2両方の主題を使って調性を変えながらクライマックスを迎えます。

第2楽章は弦楽合奏で神秘的に始まり、ピアノの分散和音にのってフルートで甘美な主題が演奏されます。その後4拍子と3拍子が混ざりながらこの主題がクラリネット、ピアノ、弦楽器に受け継がれ、やがてテンポが上がって短調のピアノによる第2主題へとつながって行きます。緩徐楽章ですが、拍子の感覚がわかりにくくて演奏しにくい楽章です。ラフマニノフ大好きのロック・ニュージシャン エリック・カルメンがヒットさせた「オール・バイ・マイセルフ」はこの楽章の主題を使ったものです。

第3楽章は、ちょっとスケルツォになるのかな、と思わせる軽いアンサンブルの序奏のあと第1楽章のテーマを雰囲気に持つ第1主題が力強く展開されます。この楽章が結構難しい。第2主題は抒情的なメロディで、この2つの主題が混ざりながら進み、カデンツァの後この2つの主題が全奏で盛り上がり、最後はラフマニノフ終止で終わります。

ピアノ協奏曲を演奏した経験はそれほど多くはありませんが、モーツァルトの20番、21番と並んで演奏が楽しいピアノ協奏曲でした。これから14年後にエキストラ出演した演奏会で、もう1回演奏しましたが、やっぱり楽しかった。

2020年7月16日 (木)

今日の音楽 7月16日 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

パイオニア交響楽団の第9回定期演奏会は2000年6月に開催されました。
この時の前プロがグリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲でした。

モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲、スメタナの「売られた花嫁」序曲と合わせて3大高速序曲と言われる「ルスランとリュドミラ」序曲ですが、ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルの演奏が登場したことで「ルスランとリュドミラ」序曲はその中でも圧倒的な超高速序曲として知られるようになりました。私は3曲とも演奏したことがありますが、どれも難しい。どの曲も音程が大きく飛んだりはしませんが、弦楽器の宿命として音程を司る左手の指の動き以外に、移弦というのがあります。特にコントラバスは1つのポジションで演奏できるのが2度という事でポジション移動と弦の移動が滅茶苦茶多くて、しかも半音の間隔は指を大きく開く必要があるためもう大変。

ただし、「ルスランとリュドミラ」は途中で他の弦楽器よりも音の数が省かれて少なくなるので実際は他の2曲よりは難しく無いのかな、という印象を持っています。しかも高速フレーズは総奏(トゥッティ)の大音量の中なので誤魔化せるし(笑)。その点、フィガロと売られた花嫁は弱音の高速フレーズがあって誤魔化せません。

2020年7月15日 (水)

今日の音楽 7月15日 ブラジル風バッハ第4番

ヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ(バッキャーナス・ブラジレイラス)第4番の管弦楽版は1942年7月15日に初演されました。

様々なスタイルで作曲されているブラジル風バッハは全部で9曲あります。この第4番は当初はピアノ曲として作曲されましたが1942年に管弦楽版として改訂されています。前奏曲(序曲)、コラール(藪の歌)、アリア(讃歌)、踊り(ミゥヂーニョ)の4曲で、ブラジル風バッハの中でも哀愁が深い音楽となっています。

2020年7月14日 (火)

今日の音楽 7月14日 春の交響曲

ブリテンの春の交響曲op.44は1949年7月14日にピーター・ピアーズのテノール、ジョー・ヴィンセントのソプラノ、キャスリーン・フェリアのコントラルト、ベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で初演されました。

3人の独唱と混声合唱、少年合唱と管弦楽のための曲。交響曲というタイトルにはなっていますが、実態はオラトリオとか連作歌曲に近いものです。クーセヴィツキーとボストン交響楽団に献呈されています。

全12曲で交響曲に相当する4つの部分に分かれており13世紀から20世紀にかけて作られてイギリスの14篇の詩がテキストになっています。

 

2020年7月13日 (月)

今日の音楽 7月13日 エレジー(エルガー)

エルガーのエレジーop.58は1909年7月13日にロンドンで初演されました。

エルガーの弦楽合奏曲といえば、弦楽セレナードという短いながらもとても素敵な曲がありますが、エレジーも弦楽合奏のための曲になっています。教会関係者の思い出のための音楽として依頼されましたが、作曲の直前にたまたま友人が亡くなったためその気持ちがそのまま反映されていると言われています。比較的明るめの悲しみの歌というイメージでしょうか。

2020年7月12日 (日)

今日の音楽 7月12日 Everything

2000年の邦楽年間ヒットランキング第14位は MISIAの「Everything」でした。

MISIA7枚目のシングルで、テレビドラマ「やまとなでしこ」の主題歌として採用されて大ヒットした曲。
MISIAは5オクターヴの音域を持つと言われる実力派歌手。1998年にデビューしデビューアルバムは250万枚を超えるセールスを記録していました。

1998年頃、仕事でレコード会社に出入していましたが、当時BMG JAPANの購買担当の部長と会食した際に、MISIAという物凄い実力の歌手がデビューするよ、という話を聞いてMISIAという名前が頭に残っていました。それから2年で大ブレークを果たしたので、さすがに業界に長くいる人は見る目が違うなあ、などと思ったものです。
MISIAの活動はLIVEが中心でテレビなどの露出は非常に少なく、また日本にとどまらず全世界をまたにかけて活躍しています。

Everythingは本格的なバラードで20世紀最後のミリオン・セラーになった曲です。歌詞も曲自体も素敵です。抑えたAパートと、MISIAの広音域を活かしたBパートの対比が素晴らしい曲です。

 

2020年7月11日 (土)

今日の音楽 7月11日 チャーリーズ・エンジェル

映画「チャーリーズ・エンジェル」は2000年11月に日本で公開されました。

1976年から1981年にかけてアメリカのABCネットワークで放送されていたテレビドラマの映画化作品。と言っても顔ぶれはテレビとは異なっていて、テレビのエンジェル役のひとりジャクリン・スミスがゲスト出演するのみでした。

姿を現さない謎の人物チャーリーが営むチャーリー・タウンゼント探偵社の3人の女探偵にはキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルイーシー・リューがキャスティングされ、統率役のボスレーはビル・マーレイが演じていました。

シリーズは2作目まで作られましたが、2019年にはキャスティングも一新して新作が公開されています。
テーマ音楽はテレビと同じ曲が使われました。

2020年7月10日 (金)

今日の音楽 7月10日 無伴奏ヴァイオリンソナタ(プロコフィエフ)

プロコフィエフの無伴奏ヴァイオリン・ソナタニ長調op.115は1859年7月9日に、モスクワでルッジェーロ・リッチのヴァイオリン演奏で初演されました。

この曲は無伴奏ヴァイオリン・ソナタと言っても、本来はソロ・ヴァイオリンのための曲ではなくて、大人数のヴァイオリン奏者のユニゾンのための作品ですが、独奏も認められているため現実的にはソロ・ヴァイオリンでの演奏が圧倒的に多いようです。

 

2020年7月 9日 (木)

今日の音楽 7月9日 TSUNAMI

音楽の歴史ネタはいよいよ20世紀最後の年、2000年に入ります。
2000年の邦楽年間ヒットランキング第1位はサザン・オールスターズの「TSUNAMI」でした。

サザン・オールスターズ最大のヒット曲で300万枚を超えるセールスとなり、本来であればサザンを代表する曲のひとつとして歌われる曲なのですが、現在はライブでは演奏されない曲となっています。原因は東日本大震災。津波で大きな被害を受けた事から日本人得意の忖度もあって封印され、現在は放送などでかけられる事はありますが、桑田本人は歌うモチベーションにならないという事で今でもライブで演奏されることはありません。TSUNAMIは喩えとして使われているだけなので内容は問題ないのですが、やはり被害を受けた方、記憶に残っている方々にとっては辛い曲なのでしょうか。

動画はありません。

 

2020年7月 8日 (水)

今日の音楽 7月8日 弦楽五重奏曲第2番(メンデルスゾーン)

メンデルスゾーンの弦楽五重奏曲第2番変ロ長調op.87は1845年7月8日にフランクフルトで作曲されました。

1843年のライプツィヒ音楽院の創立、翌年のイギリス訪問などで多忙を極め、疲労困憊したメンデルスゾーンがフランクフルトで静養している間に作曲されたのが弦楽五重奏曲第2番です。

比較的若いときの作品が多く評価の低いメンデルスゾーンの室内楽曲の中では円熟期(と言ってもまだ30歳代でした)に作曲されたもので非常に充実した内容になっています。

2020年7月 7日 (火)

今日の音楽 7月7日番外編 エンニオ・モリコーネ

昨日、2020年7月6日、映画音楽の作曲家として知られるエンニオ・モリコーネさんが91歳で亡くなりました。

番外編として取り上げたのは、私自身の最も好きな映画音楽の作曲家だったからです。
そして、私が映画の主題歌ではなくて、映画の音楽としても最も好きなのが「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」なのです。

ローマで生まれサンタ・チェチーリア音楽院で作曲を学び1960年代から映画音楽の作曲家として活躍。特にセルジオ・レオーネ監督とのコンビでは、「マカロニ・ウェスタン」という残虐なシーンが多く出る内容に似つかわしくないほどの叙情性豊かな音楽を提供してきました。「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・荒野の1ドル銀貨」など私も映画は全く見る気がしませんでしたが、音楽のほうは聞き込んだ覚えがあります。

「死刑台のメロディ」(1971)の「勝利への讃歌」、「ペイネ愛の世界旅行」(1974)、ニュー・シネマ・パラダイス(1988)、バグジー(1991)、海の上のピアニスト(1998)など数々の名曲を作りましたがアカデミー賞とは縁が無く、ようやく2006年に名誉賞を受賞し、2015年にヘイトフル・エイトで作曲賞を受賞しました。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は、いわゆるギャング映画ですが、大河作品とも言える作品。主題曲はチェロ・バスの低音の響きから始まり、パン・フルートを巧みに扱い、デボラのテーマは、それは美しくもはかない曲、アマポーラを巧みに使い・・・とにかく素晴らしいサウンドトラックでした。

モリコーネのコンサートのビデオです。ニュー・シネマ・パラダイス、デボラのテーマと続きます。

今日の音楽 7月7日 幻想序曲「ロメオとジュリエット」

1999年のパイオニア交響楽団の第8回定期演奏会の最後のプログラムは、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」でした。

チャイコフスキーがロシア5人組の代表格のバラキレフの勧めで作曲した曲。初演の後もバラキレフの助言を得ながら第2稿と第3稿という改訂をしています。現在通常演奏されるのは第3稿になります。

ロメオとジュリエットのストーリーを象徴した内容で、修道僧ロレンスを表す荘重なコラールから始まり、モンタギュー家とキャピュレット家の抗争を表す第1主題、ロメオとジュリエットの愛を表す第2主題が主要モチーフとなっています。

最後は愛のテーマからロメオとジュリエットの死を表現して終わります。
内容が劇的なだけに、アマチュア向きの音楽で、難易度も適度だし、演奏する側もそこそこ面白い曲です。私個人の生涯演奏回数は2回です。

2020年7月 6日 (月)

今日の音楽 7月6日 交響的前奏曲「ポローニャ」

エルガーの交響的前奏曲「ポローニャ」op.76は1915年7月6日に、ロンドンのクーンズホールで行われたポーランドの犠牲者慰安基金の演奏会でエルガー自身の指揮で初演されました。

エルガーはポーランドの指揮者ムイナルスキの依頼でポーランド音楽を用いた作品を作曲しました。「ワルシャワ労働歌」や国歌、ショパンやパデレフスキーの楽曲を引用しながら大部分をエルガーの自作で作曲されています。

ポーランドの犠牲者慰安基金は、ロシアとドイツの争いから祖国を離れて避難したポーランド人を援助する活動をする基金でパデレフスキや小説家のシェンキェヴィチなどによって組織されたもので、この曲もパデレフスキに献呈されました。

2020年7月 5日 (日)

今日の音楽 7月5日 リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲

第8回定期演奏会の第3曲目は、レスピーギの「リュートのための古代舞曲とアリア」第3組曲でした。

レスピーギは、色彩豊かな管弦楽法でローマ三部作など数々の曲を作曲するかたわら、古典派以前の音楽の研究にも力を注ぎました。バロックやルネサンスの音楽を現代に蘇らせ自分の音楽として表現した作品の代表作が「リュートのための古代舞曲とアリア」です。

「リュートのための古代舞曲とアリア」は3つの組曲が存在しています。と言っても、リュートのための作品ではなく、古のリュートの曲を管弦楽のために構成しなおしたものです。第1組曲と第2組曲は管弦楽作品ですが、この第3組曲は弦楽合奏(または弦楽四重奏)で作られています。
第1曲イタリアーナは作者不詳の16世紀ごろの曲に基づくものでチェロのピツィカート伴奏に乗ってヴァイオリンなどによってメロディが演奏される主題から始まります。コントラバスは殆ど出番がなくて、出てくる音もファとドとミ♭だけという曲です。
第2曲は宮廷のアリアというベサールの作品によるもので、素朴な主要部と闊達な中間部によるもの。
第3曲は有名なシチリアーナ。これも作者がわかっていません。静かな曲ですが後半に和音の重奏を伴ってメロディが奏でられるクライマックスはドラマチックな展開になっていてとても素敵な曲です。
第4曲はロンカッリの曲によるパッサカリア。組曲をしめくくるのにふさわしい動きの激しい曲です。

この曲は弦楽合奏曲の中では手頃で、劇的効果も大きい大好きな曲のひとつです。

2020年7月 4日 (土)

今日の音楽 7月4日 さすらう若人の歌

パイオニア交響楽団の第8回定期演奏会の2曲目は、マーラーのさすらう若人の歌でした。
この曲は、第5回の演奏会に参加以来、最初で最後(まだ終わってないけど)の降り番の曲でした。

グランパルティータに乗るかわりに、この曲は降りた(練習時間ができるだけ重ならないように)のですが、決して嫌いな曲だったわけではなく、マーラーの交響曲を演奏したことのない自分にとっては、4曲のうち2曲が第1番の交響曲に使われているのですから本当は出たかったんですけど。

という事で、この曲現在まで演奏経験ありません。マーラーが作曲した最初の連作歌曲集で低音の(バリトン歌手が歌う事が多い)歌曲です。
第1曲「恋人の婚礼の時」、第2曲「朝の野を歩けば」、第3曲「僕の胸の中には燃える剣が」、第4曲「恋人の青い瞳」。
第1曲は恋人を失った悲しみを他人に打ち明ける曲。悲しげな曲です。
第2曲は交響曲第1番の第1楽章第1主題に使われた陽気な曲。美しい自然の中を歩く喜び。
第3曲は絶望
第4曲は交響曲第1番の第3楽章の中間部後半に出てくる切ないメロディの曲です。

2020年7月 3日 (金)

今日の音楽 7月3日 グラン・パルティータ

1999年年末に紀尾井ホールでパイオニア交響楽団の第8回定期演奏会が行われました。指揮は岩村力氏。初の試みとして管楽器中心の曲と弦楽器だけの曲をプログラムに入れてコンパクトな演奏会になっています。

1曲目は、モーツァルトのセレナード第10番変ロ長調「グラン・パルティータ」の第1楽章でした。

13管楽器のためのセレナードという別名があるように、本来はオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット各2本とバセットホルン2本に、コントラファゴットを加えた13本の管楽器のためのセレナードなのですが、実は全7楽章の中の3つの楽章にピツィカートという指示があり、本来はコントラバスで演奏するのが正式のようです。という事で、コントラバスの団員の中から1人だけ参加しなければならず、話し合いの結果、今回のプログラムの中の1曲(マーラーのさすらう若人の歌)を降り番とすることを条件に引き受けました。

そして、この「グラン・パルティータ」が自分の転機となりました。過去ソロで室内楽を演奏する時はあがってしまってボロボロになる事が多く、オーケストラの演奏会の本番も結構あがり症でした。「グラン・パルティータ」本番も結構あがっていましたが、問題なく務め上げて、それ以降、ステージ上であがる事はほぼ無くなりました。今では、全くあがらないので逆に緊張感を持たないとダラ~とした演奏になるので、緊張感だけは持つように意識しています。

もっとも、練習は結構きつく、管楽器と音が溶け合わないなどと抽象的なお叱りを受けながらもたった1つの楽章でしたが良い経験だったと思います。

2020年7月 2日 (木)

今日の音楽 7月2日 交響詩「ハムレット」

リストの交響詩「ハムレット」S.104は1876年7月2日に初演されました。

シェイクスピアの戯曲「ハムレット」を題材にしたワーマール時代最後の交響詩です。「ハムレット」の上演への序曲として計画されましたが、リスト自身も演奏に適さないと判断し、単独の交響詩として作曲から20年近く経ての初演となりました。

ハムレットの性格描写に主眼を置いた曲で、ハムレットの性格を「蒼ざめて、熱っぽく、天と地の間を漂いながら疑念と優柔不断に囚われた人物」として描いています。

2020年7月 1日 (水)

今日の音楽 7月1日 ユー・ガット・メール

映画「ユー・ガット・メール」は1999年2月に日本で公開されました。

いわゆるメル友から生まれたロマンスを描いた作品でトム・ハンクスとメグ・ライアンが出演。お互いが実生活では商売敵として顔を合わせれば喧嘩をしている2人が、メールを通じてはお互いを励ましあう間柄という微妙な関係をコメディタッチで描いたもの。

音楽は、主に1960年代~70年代の楽曲を使用しています。その中で、ハリー・ニルソンの「リメンバー」を取り上げました。「リメンバー」はウィザウト・ユーの大ヒットの翌年アルバム「シュミルソン二世」に含まれていた曲で、シングル化されましたが、当時はそれほどヒットしませんでした。クリスマスの鈴の音などをフューチャーした素敵な曲だったのですが。

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