今日の音楽 3月6日 シンプル・シンフォニー
ブリテンのシンプル・シンフォニーop.4は1934年3月6日にイングランドのノリッジで初演されました。
「シンプル・シンフォニー」は弦楽合奏または弦楽四重奏のための新古典主義的な交響曲です。自身が9歳から12歳までの間に作曲したピアノ曲を元に作られています。この曲自体も20歳という若さで作曲されており、瑞々しくも、しっかりと構成された楽しい曲です。それぞれの楽章にはユーモアたっぷりのタイトルがつけられているのもブリテンのユーモアを感じさせます。
第1楽章 騒々しいブーレ 1926年の組曲第1番、1923年の「歌」によるソナタ形式の曲。短い序奏から始まり、軽妙で忙しい(騒々しい)主題による楽章です。フーガの要素も取り込んでいます。2つ目の主題はこのメロディに類似したメロディが長調で舞曲風に奏でられます。最初の主題に戻って最後は静かに終わります。
第2楽章 おどけたピツィカート 1924年のスケルツォ、同年の「歌」による複合三部形式。全曲ピツィカートで最初は弱く(でも忙しいです)演奏されますが中間部ではアコード(和音演奏)に乗ってリズミックなメロディを奏で、再度最初の部分、中間部のメロディが繰り返され、最後の一発で終わります。
第3楽章 感傷的なサラバンド 1925年の組曲第1番、1923年のワルツによる複合三部形式。弦楽器の深い響きからワルツ、そして最初の部分が今回は力強く再現され徐々に静かになって終わります。
第4楽章 浮かれたフィナーレ 1926年のピアノソナタ第9番、1925年の「歌」によるソナタ形式。思わせぶりな短い序奏の後は、忙しい第1主題、流れるような第2主題と続き最後はスピードが上がったと思ったところで急ブレーキ。最後は堂々としたフィナーレです。
演奏技術的には弦楽合奏曲の中では難しい方ではありませんし(簡単でもありません)、演奏効果も抜群、しかも全曲通しても15分程度なので、アマチュアはもっと取り上げても良い曲だと思います。
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