今日の音楽 11月30日 ラスト・エンペラー
1988年の日本での映画興行収入第2位は「ラスト・エンペラー」でした。
清朝最後の皇帝で、後に満州国の傀儡の皇帝となった愛新覚羅溥儀の生涯を描いた作品。ペルトリッチが脚本・監督をして中華系アメリカ人のジョン・ローンが主演しました。
1908年10月21日清朝第11代皇帝の光緒帝の崩御(砒素による毒殺説が有力)に伴い、光緒帝に子がいなかったために西太后から次期皇帝に指名されたのは弟の醇親王の長男溥儀でした。即位時はわずか2歳。光緒帝が亡くなった翌日には西太后も死亡し、4年後には辛亥革命が起きて退位。退位後も外国元首と同等の扱いをされ紫禁城にも住み続けるという条約の元皇帝並みの生活が続きました。家庭教師としてスコットランド人のジョンストン(ピーター・オトゥール)が雇われ教育を受ける事になりました。
1924年に北京政変が発生し清室の優遇措置の一方的な破棄が通達され溥儀らは強制的に紫禁城から退去させられ、ジョンストンがイギリスやオランダに庇護を申し入れたものの内政干渉となるおそれがあるなどの理由で拒否され、最終的には日本が受け入れる事になりました。この事が後に日本による満州国傀儡政府の誕生へと繋がっていきます。
第二次大戦集結とともに満州国は解体されソ連に捕らえられ強制収容所に送られ、中華人民共和国成立後は身柄を中国に移され政治犯収容所に1959年の特赦が出るまで収監されていました。その後は一般市民として暮らしますが、博物館として一般公開されている紫禁城へ入り、かつて自分の座っていた玉座を眺める・・・・
音楽は、坂本龍一、デイヴィッド・バーン、蘇聡が担当。坂本龍一は日本人として初のアカデミー作曲賞を受賞しています。坂本龍一は甘粕大尉役でも出演していました。