今日の音楽 10月25日 ピアノ協奏曲第1番(チャイコフスキー)
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番変ロ長調op.23は、1875年10月25日にハンス・フォン・ビューローのピアノ、ラングの指揮でボストンで初演されました。
ホルンから始まる有名な序奏から始まり、朗々とした第1主題・・・チャイコフスキーの真骨頂であるメロディの魅力に溢れるチャイコフスキーの代表作であると共に、ピアノ協奏曲の代表的な作品のひとつは、誕生の段階では順風満帆ではありませんでした。
友人でありモスクワ音楽院の院長だったニコライ・ルビンシテインのために作曲を始めたものの草稿の段階でニコライから「この作品は陳腐で不細工で役に立たない。貧弱で演奏不能。根本的に書き直す必要がある」という風にぼろ糞に言われてしまいました。チャイコフスキーはそれでもこの曲を完成させ、ハンス・フォン・ビューローに献呈し、ビューローはこの作品を独創的で高貴であると評してアメリカで初演。勿論チャイコフスキー自身は初演は聴いていませんでした。
ロシアでの初演はその一週間後、サンクトペテルブルクでコスのピアノで行われ、これらの成功からルビンシテイン自身もこの曲を認め、タネーエフのピアノ、ニコライの指揮でモスクワ初演が行われています。ニコライはその後この曲を認めて自分のレパートリーとしたそうです。
20世紀半ばになると、ホロヴィッツとトスカニーニの名盤もあり、第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したヴァン・クライバーンの登場でピークを迎えました。クライバーンのレコードはアメリカBillboardのポップアルバムチャートで7週連続第1位となり1位を獲得した唯一のクラシック作品として歴史にも残っています。
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