今日の音楽 10月1日 アルルの女
ビゼーの劇音楽「アルルの女」は1872年10月1日にパリのボードビル劇場で初演されました。
ドーデの短編小説に基づく戯曲のために作曲された全27曲の付随音楽で、南フランスを舞台に、アルルの女に心を奪われた豪農の息子の悲劇を描いた作品です。
元々の劇付随音楽は劇場の契約の関係で非常に小さい編成のオーケストラしか使えなかったために作曲には苦労したといわれています。そういう制約があったために初演は不評でしたが、6年後に再演された時には高い評価を得ましたが、その時には既にビゼーは亡くなっていました。
現在は、2つの組曲が知られています。第1組曲は、ビゼー自身が通常編成のオーケストラに書き直して初演の1ヵ月後に演奏されたものです。
第2組曲はビゼーの死後、友人のギローによって完成されたものですが、4曲の内1曲は全く別の歌劇から持ってきたもので、その他の曲もオリジナルのままではありません。
また、劇自体は悲劇ですが、組曲は悲劇的な要素は殆ど無く、ストーリーとは全く別の音楽として鑑賞する音楽となっています。
第1組曲は①前奏曲 第2組曲のファランドールでもテーマとして使われるプロヴァンス民謡「3人の王の行列」に基づく第1部、フレデリの弟の動機に基づく第2部、フレデリの恋の悩みを表す第3部からできています。②メヌエット 劇音楽第17曲の間奏曲を改編したもの③アダージェット 劇音楽第19曲のメドロラマから④カリヨン 第18曲導入部と第19曲から構成されています。カリヨンの音を模した金管楽器の伴奏が効果的な曲です。
第2組曲①パストラーレ 第7曲を再構成したもの。田園曲というには、かなり堂々とした音楽。中間部はフルートとピッコロを駆使した軽いメロディの音楽です②間奏曲 第15曲を再編成。全奏による前奏・後奏を挟んでサキソフォーンによるメロディは歌曲としても知られています。③メヌエット ハープ伴奏によるフルート独奏で、アルルの女の組曲の中では最も有名な曲ですが、実はビゼーの歌劇「美しいパースの娘」の中の曲を転用したものです。④ファランドール 21曲のファランドールと「3人の王の行列」が絡み合う曲。ファランドールではプロヴァンス太鼓が効果的に使われています。
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