パイオニア交響楽団第32回定期演奏会・5
ショスタコーヴィチの交響曲第5番の第3楽章は緩徐楽章です。弦楽器が全部で8部の分けられた暗い内省的な旋律からスタート。このあたりの和声はなかなか難しい。第2部は弦楽器のトレモロの中で木管楽器の旋律が続く寂寞とした音楽。第3部は木琴が加わって大きなクライマックスが訪れます。コーダではハープとチェレスタが静かに曲を閉じます。勿論ハープもチェレスタもエキストラさんですので、普段の練習の時は不在。この楽章の最後は本番の直前まで私たちも聞くことができないという貴重なものです(笑)。この楽章はマーラーの「大地の歌」やロシア正教のパニヒダからの引用があるそうですが、私にはわかりませんでした。
終楽章は木管楽器のトリルとティンパニーの行進曲風のリズムの上を金管が主題を奏でます。と言っても、ここはまだ短調。やがて瞑想的な展開が続きますが次第に明るさを増して行きます。途中ではトレーナーの先生が「共産独裁主義的な音楽(本当は具体的な国名を言っていましたが)」で行進曲風な展開も登場し、カルメンの前奏曲のオマージュとも言えるメロディでコーダに入ります。
このコーダのテンポがバーンスタインの演奏で代表する速いテンポとムラヴィンスキーなどのゆったりとしたテンポに最近の演奏は2分されるようですが、黒岩先生は前者。速いテンポで終わりまで突っ込んで生きます。演奏する方は大変ですが・・・
この終楽章はショスタコーヴィチの複雑な思想を読み解く様々な見解が多くの人に語られている、という程味わい深い楽章です。一見派手で、勝利の凱歌という感じなのですが、本当に込められた想いは、作曲者にしかわからないのでしょうね。
2019年8月31日(土) PM2:00開演
場所 めぐろパーシモン大ホール(東急東横線 都立大学駅下車7分)
指揮 黒岩英臣
全席自由 1,500円
先着10組様に入場チケットのプレゼントを行っています。詳しくは こちらへ。
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