今日の音楽 6月4日 歌劇「アブ・ハッサン」
ウェーバーの歌劇「アブ・ハッサン」は1811年6月4日にミュンヘンの宮廷歌劇場で初演されました。
ウェーバーは、モーツァルト夫人コンスタンツェの従兄弟であり11歳にしてオペラを作曲する天才だったのですが、実のところは生涯の大半は幸福とは言えない一生でした。
幼少の時から片足が不自由で、父親の投機的な性格と自身の理想主義的傾向が災いして18歳で就任したカペルマイスターの地位も2年で退任し、ワインと硝酸を間違えて飲んで声を失い、ドイツ各地を転々とする事になりました。
1913年にプラハ歌劇場の芸術監督に就任し、モーツァルト以降低落していたドイツオペラの改革に尽力し、ザクセンの宮廷楽長、ドレスデン歌劇場などに就任し、ドイツオペラを復興させています。この改革はやがてワーグナーへと引き継がれ、ウェーバーはドイツ国民オペラの父と呼ばれるようになりました。
歌劇「アブ・ハッサン」はウェーバーが経済的に最も苦しい時期に作曲した5番目のオペラで「千夜一夜物語」を題材としたものです。
現在ではオペラ自体は殆ど上演されなくなりましたが、序曲はバグダッドの喧騒を生き生きと表現した曲として単独で演奏されます。
« 今日の音楽 6月3日 素直になれなくて | トップページ | 今日の音楽 6月5日 レイダース 失われた聖櫃 »
コメント