今日の音楽 3月1日 八つ墓村
1977年の日本での映画興行収入第5位は「八つ墓村」でした。
「八つ墓村」は、横溝正史ブームに乗っかる形で松竹映画によって製作された作品。
1970年代にはATGの「本陣殺人事件」、東宝の「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」「獄門島」など数多くの映画が製作されました。
「八つ墓村」は岡山県津山で実際にあった津山三十人殺し(津山事件)をモチーフとして作られた小説で、渥美清の金田一耕助はイメージとはかなりかけ離れたものであったにも係わらず大ヒットした映画でした。
戦国時代に村に財宝とともに逃げ込んできた尼子氏の落武者8人を、財宝に目が眩んだ村人が惨殺するという歴史的背景を創作し、その祟りを受けた田治見要蔵が狂った上に日本刀と猟銃で村人を惨殺する際に鉢巻に蝋燭を挿すいでたち、更に不気味な双子の大叔母、そして最終舞台は鍾乳洞という、ビジュアルを駆使して作り上げたものです。
主人公である辰弥は萩原健一が、辰弥を森家に迎えに行く妖艶な未亡人を小川真由美が演じました。
音楽は芥川也寸志で特に鍾乳洞での場面で演奏される「道行のテーマ」は幻想的な鍾乳洞の映像と相まって、日本映画史上でも屈指の映画音楽のひとつだと思います。
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