今日の音楽 2月28日 人間の証明
1977年の日本での映画興行収入第3位は「人間の証明」でした。
原作は森村誠一の証明シリーズ3部作の1作目。映画では西条八十の詩集「ぼくの帽子」の一節がキャッチコピーとして使われました。
森村誠一の推理小説はトリックやプロットの意外性などよりは、主人公の棟居刑事の地道な捜査による真相の解明という内容になっており、寧ろ映画にし易い内容でした。
動機になる部分は、戦後の米兵相手の娼婦というスキャンダルと、それによって生まれてしまった子供の存在。米兵相手の娼婦のスキャンダルが動機という事では松本清張の「ゼロの焦点」に通じるものがありました。
また、ダイイングメッセージの「ストウハ」実は「ストローハット」や、「キスミー」実は「霧積」との聞き間違えというのも、「カメダ」実は「亀嵩」だった松本清張の「砂の器」に通じるところがあります。
主演の刑事は松田優作、犯人は岡田茉莉子、殺された息子は主題歌を歌っていたジョー山中が出演しています。主題歌は西条八十の「ぼくの帽子」、「母さん、ぼくのあの帽子どうしたでしょうね。あなたがくれたあの麦わら帽子ですよ」という詩をそのまま英訳してジョー山中が歌っていました。