今日の音楽 12月29日 弦楽五重奏曲第1番(ブラームス)
ブラームスの弦楽五重奏曲第1番ヘ長調op.88は1882年12月29日にフランクフルトで初演されました。
ブラームスの室内楽曲はどれも人気が高いのですが、弦楽五重奏曲は少し認知度が低いかもしれません。そもそも弦楽五重奏曲は殆どの曲が通常の弦楽四重奏曲にヴィオラかチェロを1本加えた編成なのですが、弦楽四重奏という完成された編成に楽器を加えるのですからバランス的には結構難しく名曲が少ない分野です。ベートーヴェンですら1曲しか作曲していません。木管を加えた五重奏の場合、木管楽器をソロとして弦楽四重奏との協奏という形を基本に作曲できるので、モーツァルトやブラームス、ウェーバーなどのクラリネット五重奏など傑作があります。
ブラームスはヴィオラを加えた編成にしていますが、この第1番の弦楽五重奏曲はこの上なく美しい音楽です。円熟期に入ったブラームスの作品で、彼自身もこの曲の出来には自信を持っていたようです。ブラームスらしい古典的な手法の中に個性を入れた曲ではありませんが、美しさと明るさを持った曲想は、ブラームスらしいのかもしれません。
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