今日の音楽 9月5日 流浪の民
高校の音楽の授業では勿論合唱もやりました。筑後川のフィナーレや蔵王の早春といった日本の作品の他に、勿論外国の曲もやったのですが、印象に残っているのがシューマンの「流浪の民」でした。
この曲はシューマンが歌曲の年といわれる1940年に作曲した「3つの詩」op.29の第3曲で、本来は四重唱曲でしたが、合唱曲として有名になった曲です。エマヌエル・カイベルの詩によるもので原題は「ロマの生活」。ナイル川のほとりからスペインを経てヨーロッパを彷徨うジプシー(ロマ)の悲しさを歌った曲です。
この曲を日本で有名にしたのは石倉小三郎の名訳による詩です。現代ではわかりにくい表現もあるのでわかりにくいですが、宴寿い(うたげほがい)、木の葉敷きて倨居する、強く猛き男(おのこ)安らう、管弦の響き賑わしく、慣れし故郷を放たれて夢に楽土求めたり・・・そして最後は「何処行くか流浪の民」。辞書ひいてもわからない歌詞ですが、何となく惹かれる詩です。
流浪の民ジプシーたちが、ひと時の酒宴を催して、また流浪の旅に散っていく、という内容の歌です。
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