メイン曲でビゼーの交響曲が落ちたからというわけでは無いでしょうが、この年の演奏会の前プロにはビゼーの「アルルの女」第2組曲が選ばれました。その経緯は全く覚えていません。当時の私でも知っている曲だったので、個人的には大歓迎でしたが・・・
「アルルの女」はドーデの短編集「風車小屋だより」の中の第7話。これを戯曲化したものの付随音楽として作曲されましたが、上演する劇場のオーケストラが小編成だったためフルートのみ2本の1管編成でしか作曲できず苦労したようです。初演は決して成功とはいえませんでしたが、死後の再演では成功を収めたようです。
ビゼーは、直後に通常のオーケストラ編成に編曲しなおして、現在第1組曲と呼ばれる組曲を初演しました。ところが有名になったのはビゼーの死後友人のギローによって編曲された第2組曲。実は、この第2組曲の4曲の内最も有名な「メヌエット」は同じビゼーの歌劇「美しきパースの娘」を転用したもの。また最後の「ファランドール」はファランドールとプロヴァンス民謡で序曲にも使われた「三人の王の行列」を組み合わせて創作したものです。
当時は、良く知っていて比較的簡単なので良かったのですが、数年前に第1組曲と合わせて再演した時には、かなり物足りない感じでした。最後の「ファランドール」なんて、最初から最後にかけて徐々にクレッシェンドし、徐々にアッチェレランドする盛り上がる曲なのですが、コントラバスは四分の三がレ(D)の音(開放弦)で、周囲に比べるといまひとつ盛り上がらない曲です。
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