今日の音楽 5月19日 交響曲第3番(サン=サーンス)
サン=サーンスの交響曲第3番ハ短調op.78「オルガン付き」は1886年5月19日にロンドンで初演されました。
サン=サーンスは、本当はもっと評価されても良い作曲家だと思うのですが、フランス音楽の中では、当時フランスを席巻していた印象派音楽に批判的で、性格も痛烈な皮肉屋という事も災いして、今ひとつ埋もれた評価です。
サン=サーンスは番号つきの交響曲を3曲作曲していますが、現在頻繁に演奏されるのは第3番だけです。その第3番も、私が学生の頃は本格的なパイプ・オルガンを備えた大ホールがNHKホールだけだったため演奏する機会はごく限られていました。現在では首都圏の主だったホールの多くにオルガンが備えられているので、かなり頻繁に演奏される曲となりました。
曲は2つの楽章からできていますが、それぞれが2つの部分に分かれていて4楽章の通常の交響曲に相当する構成になっています。循環形式が採用されていて、オルガンは緩徐楽章に相当する第1楽章の後半と、第4楽章に相当する第2楽章の後半で使われます。
第1楽章後半の美しさと、第2楽章前半の最後の部分で後半の堂々とした音楽を暗示する部分から、いきなりオルガンが大音量でオルガンを奏し、壮麗で堂々とした音楽へと突入する部分は圧巻です。フィナーレのコーダ部分は、コントラバスも物凄く難しい事やらされているのですが、オルガンに掻き消されて聞こえません(笑)。ちなみに、この曲は2回演奏しました。
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